幻の河原町
大阪で暮らしていたころの話です。 気持ちの良い秋の日、私は阪急淡路駅の時刻表をじっと見つめていました。 淡路駅は初めて降りた駅で、昭和の雰囲気を漂わせています。 実は私...
アガサクリスティー作品の変わらぬ魅力
これも爽やかな秋の日、私が吹田駅近くのBOOKOFFで探していたのは、アガサクリスティのミステリーでした。 どこのBOOKOFFでも彼女の作品は品薄状態です。 それは...
連城三紀彦 『裁かれる女』
連城三紀彦は1981年発表された『戻り川心中』の叙情的な魅力から人気の出た作家です。 この...
佐藤洋一『占領下の東京』
私が上京した当時(昭和28年)の東京は、戦前の面影を色濃く残す不思議な都でした。 最初に見たのが復興途上の東京駅と丸の内や日比谷で非常に重厚で美しい建物が並んでました。...
水上勉『停車場有情』
私の青春期、水上勉は売れっ子の作家でした。当時は俗っぽい感じがしてなんとなく避けていましたが、歳を経て読むと、戦後の原点に回帰する心地がします。 水上勉は福井県の貧しい...
カラスの夫婦
先に読んでくださった方ごめんなさい。 訂正して書き直しましたものを載せます。 大阪にいた頃の話です。山と森に抱かれたこの辺りはカラスがとても多かったのです。 毎朝うるさく鳴く...
橋本幸士『異次元の視点』
先日、雑誌「小説すばる」を買いました。当然のことですが、文学も時代と共に変化していくものだなと感じました。殆どの人が、青春期に触れた物語が一番ぴったりくるものなのでしょう...
編み上げる
コロナ禍の恐怖を囁き始めた今年3月、通販でレース糸を買い込みました(以前のブログでも触れました)。 外出できない間、大人しく手仕事などと殊勝に考えてました。その時、正直直ぐに終わ...
Reach You^_^
クリスマスを迎える街に出かけました。 去年は見る事が無かったマスク姿の人々、ちょっぴり寂しい雰囲気でございます。それでも健気に、この街は平和で和やかなクリスマスを願っ...
Good by my love さようならなかにしさん
なかにし礼が一昨日82歳で亡くなった、訃報を聞いた今日、親戚がこの世を去ったような喪失感がありました。面識があった訳でもなく、TV画面で観るだけの人でしたが心に強く残っているのです...