アウシュビッツ強制収容所

2010-03-16 05:56:33 | my story in Poland
今回はアウシュビッツ強制収容所について書きます。


アウシュビッツ強制収容所(オシフィエンチム)。

ナチスドイツによるユダヤ人虐殺、ホロコースト、死の門…

耳にした方は多いと思いますが、ポーランドに存在するということをご存じの方は多くはないかもしれません。

ナチスドイツが行ったことなので、単に「ドイツに存在する」と思っている方も多いらしいです。

聞くところによると、日本人でアウシュビッツを訪れるのは約5000人…
少ないですね、明らかに。

何人かの日本人と会いましたが、やはり中には「アウシュビッツはドイツにある」と思っている人もいらっしゃいました。

人類最大の負の遺産だと思うので、アウシュビッツについてはせめて正しい知識を持ってほしいなあ、と僕は思うのですが。


アウシュビッツには、多くの方がそうしているようにクラクフ発のツアーに参加しました。

第一収容所(アウシュビッツ)と、第二収容所(ビルケナウ)を、ガイド説明しながら約6時間かけてめぐるというもの。



第一収容所への入り口(受付)。

まず驚いたのは、案内の表記がとても多くの言語で行われている、ということ。

英語、ポーランド語、ドイツ語、フランス語、スペイン語、ロシア語、スロバキア語、ウクライナ語、ユダヤ語…

日本語はありませんでしたが、多くの人(人種)に伝えるための想いが感じ取れます。


これが本当の入り口ですね。



見える文字はドイツ語で「労働は自由を作りだす」と書かれているようです。

第一収容所には主に展示で、当時の歴史的背景、物品資料などが数多く置かれていました。

犠牲になった方への弔いの意味を込めて、館内では一切撮影禁止。

ネットをあさっていると、明らかに館内で撮ったとわかる写真があったのが気がかりでしたが…


最初のほうはユダヤ人だけでなく、一部のイギリス人やロシア人(シベリア兵)も連れてこられたようです。時がたつにつれ、それはユダヤ人大量虐殺に変わって行きました。

資料展示館には、殺された人々の眼鏡、靴、服、スーツケースの山などが置かれていました。実際に見てみると、凄惨というか、言葉を失いますね…
人間ってこんなことまでできるのか、というか。



アウシュビッツ内の風景。これらのレンガ造りの建物がホロコースト(毒ガス室)やユダヤ人を住まわせておくためのものでした。

ホロコーストも見ましたが、思っていたより小さなもので、でもその中で殺されると思うと、言葉では表現できませんね。

別の建物には、殺されたユダヤ人の写真が展示されていました。

それぞれの人の写真には、名前だけでなく、番号(管理用のものですが、人を人として扱っていないことがわかります)、アウシュビッツに連れてこられた日、そして殺された日が記録されていました。



他にもいろいろ回りましたが、次は後半の第二収容所です。

一度バスに乗って移動。5分くらいすると、廃線跡が見えてきました。

そして、その先に続いていたのが、冒頭の写真にもあるように、死の門です。



映画「シンドラーのリスト」でも出てくるので、ご存知の方も多いと思います。

ユダヤ人が鉄道によって連れてこられた、第二収容所。

スケールの大きさに、ただただ驚いてました。



これは馬小屋なのですが、

ユダヤ人を住まわせた場所でした。



これは、トイレです。
毎日決まった時間になると、ここに連れてこられ、数分後に連れ出され馬小屋に連れて行かれる、ということです。

先に載せた写真でもわかりますが、この季節は雪が降ります。12月~2月にかけては、場所によっては気温が-20度を下回ることも。
そんな環境の中で毎日このような生活をしていた人たちを想像すると、とてもじゃないけど耐えられませんね…想像を絶します。


最後にガイドの方がおっしゃっていました。

「私の祖母がアウシュビッツで死んだ。この仕事をするのは辛いが、それでも多くの方に知ってもらえることが光栄だ」

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2 コメント

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Unknown (Shikokuboy)
2010-03-16 18:02:09
誠に拙い私のブログに足跡を残していただきまして、誠にありがとうございます。
私は、海を隔てた四国でいろいろなものを撮っています。
国際系の勉強をされているとか。
頑張ってください。
それと、写真の方もいろんなところを写してみてください。
ありがとうございました。
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Unknown (サグラダ・ファミリア)
2010-03-17 02:27:34
Shikokuboyさん

コメントありがとうございます。こちらも励みになります。
現在はポーランドに短期滞在しているので、いろいろな写真を載せることができれば、と思っています。
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