神戸大学国際文化学部

2008-12-05 22:36:27 | 大きなこと
タイトルにあるように、僕は神戸大学の国際文化学部に所属していますが、よく周囲の人から「どんなこと勉強してるの?」みたいなことをしょっちゅうきかれるので、このブログを通して大まかなことを書こうと思います。もう必要以上に聞くのはやめてくださいねw

もしかしたら、将来の国文生がこのブログを見てくれているかもしれないので、そういう人のための情報源にもなればなぁ、と思います。


神大国際文化学部には4つのコースがあって、二年の時にどれかひとつに所属しなければなりません。コース、といっても、卒論を書くときのテーマが限定されるくらいで、他のコースの講義も、条件を満たしさえすれば取ることができるので、結構自由度が高いです。以下、その4つのコースを簡単に紹介します。また、それぞれのコースの中に、さらに細分化された分野があるので、それも紹介します。

①異文化コミュニケーション論コース
パッと聞くだけでは何をしているのかよくわからないコースですが、端的に言うと、様々な文化が存在するこの世界で、どのようにすればわれわれが共存できるかを勉強していきます。その布石のために、文化人類学などもこのコースに含まれています。

三つの専門分野
A 異文化関係論…文化の多様性を考えながら、同時にそれらを比較する方法論を研究する。異文化の解読。文化を言語、芸術などだけにせず、社会構造や経済もその一種として捉える。
B 多文化共生論…民族・宗教や政治制度などの様々な領域における多文化共生の課題について、理念と現実を把握しながら研究していく。
C 越境文化論…時代が進んでいくにつれ、様々な地域の人間同士が交わるようになった。その過程を考察しながら、結果としてどのように各民族の個別文化のアイデンティティが形成されたのかを研究していく。

②現代文化論コース
その名の通り、現代世界で問題になっている諸問題を取り扱っています。といっても、現代の世界を知るには、今の世界が出来上がる礎となった近代思想についても知る必要があるので、高校の公民で習ったことを詳しく見ていくこともあります。

A モダニティ論…現代世界の基本的な枠組みをつくったモダニティ(西欧近代の原理)がグローバル化の中で大きく揺らいでいる現在、改めて「モダニティ」の意味を問い直すことで激動する世界の行方を読み解くことが基本的課題。「近代がどのように発生、発展し、現在どのように変容しているか」を様々な観点から読み解いてゆく。
B 先端社会論…現代社会に複雑に絡んでいる「先端的な問題群(環境、ジェンダー、テクノロジーなど)」を、人文、社会科学を交差して検証し、新たな社会構想を模索していくことを目標とする。
C 芸術文化論…現代社会の中で社会の中でアートがどのような役割を果たし、また果たしうるのかを考える。また、時には権力や社会体制を批判する役割を果たす芸術の多様な機能についても掘り下げていく。

③情報コミュニケーション論
一言で「コミュニケーション」といっても、言葉を伴うものから、ジェスチャーや感情表現、さらにはインターネットといったものまでいろいろあります。これら言語・感性・情報の三つを統合的に研究していきます。

A 言語コミュニケーション論…言葉は単に情報伝達をするだけではない。言葉がもつ様々な機能を多角的に研究し、さらには翻訳や第二言語習得、レトリックなどについても研究していく。
B 感性コミュニケーション論…コミュニケーションがなされる時に、周囲の環境はどう影響するのだろうか。人間のコミュニケーションを身体性、脳の機能、心理学、認知科学的な側面から研究していく。
C ITコミュニケーション論…今日我々は、携帯電話やインターネットを通じて新しい形のコミュニケーションを行えるようになった。これらのツールをうまく使うための技術習得や、よりよい手段を考えていくのがこの分野である。

④地域文化論
外部者からみると、一番「国文っぽい」学部かもしれません。その名の通り、世界の各地域に存在する個々の文化の歴史や現在について研究していきます。

A 日本文化論教育研究分野…敵を知るにはまず己から―グローバル社会だからこそ、まず自国の文化がどんなものであるかを知る必要がある。芸術、伝承文化、思想、近代社会など、様々な観点からアプローチする。
B アジア・太平洋文化論教育研究分野…現在のアジアは、経済発展が著しく、太平洋地域とともに新たな共同体を作ろうとしている。そのアジア・太平洋地域の歴史社会や文化、宗教、価値観、人々の移動などをもとに、ダイナミックに感じ取っていく。
C ヨーロッパ・アメリカ文化論教育研究分野…北は北極海、南はマゼラン海峡、東はウラル山脈から黒海・地中海、西はベーリング海峡に至る広範な地域の文化を対象とする。西洋-東洋の対立という枠組みなどもキーワードとなっている。


とまあ、長々と書かせてもらいました。これで少しはわかってもらえたかな?

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3 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
ありがとうございます (高校一年生)
2012-12-15 00:18:19
青チャートとフォーカスゴールドで、数学は、乗り切ります笑

基礎を固めて、受験勉強します!
また、質問させてもらいますね
では、勉強してきます
返信する
コメントありがとうございます。 (達也)
2012-12-11 08:28:34
高校一年生さん

コメントありがとうございます。
センター試験の制度が変わるんですね…僕の頃は社会科二科目、理科一科目だったのですが、変わっていくものなんですね。

さて、勉強法ですが、僕の受験の頃の方法を前提に、お伝えさせて頂きますね。(もしかすると一部変化しているところがあるかもしれないので、ご自身で過去問等を確認した上で、参考にして頂ければ幸いです)

点数配分を考えると、英語、国語、数学できちんと点を取ることが大事だと思います。

社会と理科は、センターだけで良いので、取りこぼしがないように、過去問研究と授業を通して、基礎をしっかりと抑えればよいと思います。

英数国も、二次試験でも基礎的な問題が出るので、基本的に「取りこぼしのない」ように勉強するのがいいかと思います。

英語は、様々な長文問題を解いて、日本語訳、熟語、内容理解などをまんべんなく解かれるのが良いと思います。他大学の過去問も重宝すると思います。

国語は、現代文は過去問を解いて、古文は現代語訳をきちんとする、文の主語を抑える、単語の意味を抑える、という繰り返しがいいかと思います。

数学も、チャート式等の問題集を通じて、基本的な問題をしっかりと理解して解けることを目指すのがいいかと思います。

曖昧な表現が多くてすみません。

基礎をしっかりと固めておけば、発展問題もそんなに難しくなくとけると思うので、まずは日々学ぶことを落とし込むことに力を注がれてはどうでしょうか。

また何かありましたら、ご連絡頂ければ可能な限りお答えします。
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はじめまして (高校1年生)
2012-12-08 17:35:09
詳しいご説明 ありがとうございました。
私達が受験するころには、理科分野から2科目受験しなくてはならなくて、生物と化学で受験するつもりですが、文系の私には厳しいように感じます 私の高校の先輩方も多く通ってらっしゃるし、すごく魅力的な大学なので、合格したいのですが、していた勉強法などあれば教えてください
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