【独自】社長は“雲隠れ”「給料未払い」全国で被害 「倒産の見込み」派遣スタッフに突然のメール…別会社でも未払い問題浮上
2023/11/09 20:10
ネット通販大手の倉庫作業などに登録スタッフを派遣している、人材派遣会社「マックスアルファ」の給料未払問題。姿を見せない社長は今どこに――。取材を進めると、新たな未払い問題も浮上してきた。
全国各地から「給料未払い」訴える声
「14万4000円ぐらい。10月31日の(入金)分がみんな入ってきていない」
こう話すのは、兵庫・尼崎の派遣スタッフ(20代)だ。全国で約2万5千人が登録し、常時1500人が就業しているという人材派遣会社のマックスアルファだが、こうした給料未払いを訴える声は全国各地からあがっている。
約10年勤務・首都圏の派遣スタッフ:
日勤と夜勤合わせて、(マックスアルファの派遣スタッフは)100人ちょっといます。ほどんど(給料)未払いらしく、倉庫内ではその話はするなと言われている。
日勤と夜勤合わせて、(マックスアルファの派遣スタッフは)100人ちょっといます。ほどんど(給料)未払いらしく、倉庫内ではその話はするなと言われている。
これまで首都圏各地の倉庫に派遣され、10年近く働いているという40代の女性は、現在は別の派遣会社に移り、同じ倉庫で働き続けているが、今も20万円ほどが未払いのままだという。職場の雰囲気も暗いと嘆く。
約10年勤務・首都圏の派遣スタッフ:
暗いです。本当に色んな派遣さんが入っている中でもひときわ…あぁ、マックスの人だなっていうのが分かるぐらい、辛いですね。
実家に行ってお金借りてこないといけないと話したりする人がいたりとか…。
暗いです。本当に色んな派遣さんが入っている中でもひときわ…あぁ、マックスの人だなっていうのが分かるぐらい、辛いですね。
実家に行ってお金借りてこないといけないと話したりする人がいたりとか…。
派遣スタッフの生活を脅かす未払い問題。不満の矛先は、会社のトップに向けられている。
約10年勤務・首都圏の派遣スタッフ:
社長に会ってる人ってほとんどいないと思いますよ。
もう本当に、何があって、どうなってという説明をまずしてほしいですよね。
社長に会ってる人ってほとんどいないと思いますよ。
もう本当に、何があって、どうなってという説明をまずしてほしいですよね。
問題発覚以降、派遣スタッフに説明をしていないという、マックスアルファの渡辺真人社長。
東京・立川市の本社を訪ねると、社員に話を聞くことができたが、社長とは連絡が取れているものの居場所はわからないという。得られたのは「社長はここにはほとんど来ない」という情報のみだった。登記簿に示された社長の自宅とみられる場所も訪ねてみたものの、応答はなかった。
東京・立川市の本社を訪ねると、社員に話を聞くことができたが、社長とは連絡が取れているものの居場所はわからないという。得られたのは「社長はここにはほとんど来ない」という情報のみだった。登記簿に示された社長の自宅とみられる場所も訪ねてみたものの、応答はなかった。
別会社でも給与未払い…「倒産の見込み」派遣スタッフにメール
さらに取材を続けると、思わぬ場所に渡辺社長の痕跡があった。
そこは、渋谷区に本社を構え、コールセンターなどにスタッフを派遣する別の人材派遣会社「プラスアルファ」だ。マックスアルファの親会社にあたり、渡辺氏が社長を務める。
その渡辺氏が8日に会社に来たとの証言が取材で得られたが、今は資金確保のため関係各所を回っているという。
親会社のホームページを見ると、「登録スタッフの皆様へ」というタイトルとともに、「この度は給与未払いの件でご迷惑をおかけして申し訳ございません。毎日問い合わせのお電話が鳴り響いております」とする謝罪文が掲載されていた。
給料未払い問題は、渡辺社長が経営するもう一つの人材派遣会社でも起きていたのだ。
そして、2日前にはマックスアルファの派遣スタッフに驚きのメールが届いていた。
(メールの内容)
「まだ正式に確定はしておりませんが、現状、マックスアルファの存続は厳しい。倒産になる見込みが高い。というのが上の者の判断になります」
「まだ正式に確定はしておりませんが、現状、マックスアルファの存続は厳しい。倒産になる見込みが高い。というのが上の者の判断になります」
神奈川の派遣スタッフ(20代):
自分が働いていたところがまさか倒産するなんて、思ってもみなかった。
自分が働いていたところがまさか倒産するなんて、思ってもみなかった。
もしこのまま倒産となった場合、未払いの給料はどうなるのか。
橋下綜合法律事務所・溝上宏司弁護士:
国の方が立ち上げた独立行政法人が会社に代わって、未払い賃金の8割までを立て替えの対象として受け取ることができます。現実的には(残る)2割を回収するのは、非常に難しい話になってくると思います。
(「イット!」11月9日放送より)
国の方が立ち上げた独立行政法人が会社に代わって、未払い賃金の8割までを立て替えの対象として受け取ることができます。現実的には(残る)2割を回収するのは、非常に難しい話になってくると思います。
(「イット!」11月9日放送より)