コロナ禍からずっとテレワーク、「羨ましい」と他人は言うけれど… 当事者が語る悲哀【コラム】
2023/11/12 18:24
写真はイメージ。本文とは関係ありません
(福井新聞)
コロナ禍に地元福井にUターンし、フリーランスとして3年ほど在宅勤務をしています。
「時間と場所にとらわれない働き方でうらやましい」なんて言われることも多いですが、最近は「ホントにそうなんかな?」と思ったりします。
まだコロナが流行っていたころは会社勤めの友人も在宅で働いていることが多く、「始業の5分前に起きたわw」みたいなLINEが送られてくることもたまにありました。しかしコロナが明けた今、周りは出社する元々の働き方に戻っており、今度は「社員旅行で海外行ってくるわ」「今日は会社の飲み会あるからまた今度」といった連絡に変わってきており、在宅ワーカーが日に日に減っているのを感じます。
自分はフリーランスなので、そういった話をすることはなく。
好きな時間に働けるといっても、仕事によっては夜中まで作業をしなければならず、終わったら昼過ぎまで寝る生活を送る日もあり。
どこでも仕事できるといっても、在宅ワークを始めるときに買ったモニターなどの備品や、オンラインミーティングの安定のために整備したWi-fi環境などを考えると、家で仕事をするのが一番快適で、結果家から出ないことのほうが多く。
加えて、自分は1人暮らしなので、打ち合わせがない日は言葉も発さずに1日が終わることもあり、たまに外出先での仕事があると、うまく言葉が出ない(適切な言葉が出ないという意味でも、生物的に発声がうまくできないという意味でも)こともあったりします。
生活リズムは整っておらず、人と会話をすることも少ない。
コロナ禍で一時的に増えていた、在宅で働く知人が減っていくにつれて、「自分の働き方ってホントにいい働き方なのか?」と不安になっています。
最近では、基本9時始業・18時終業を基本にする「エセ定時」を決めてみたり、友人を飲みに誘うことをToDoリストに入れてみたりしてますが、それも付け焼き刃のような気もするし…。
「働きやすさ」という意味では今の生活は最適なのかもしれませんが、「人間らしさ」のようなものは削られているのかなと思います。