五、「教会とわたしたち」(423)
5.近代から現代へ(宗教改革とその後)
はじめに、近代への萌芽としてアウグスチヌス著「神の国」(1968.教団出版)(その63)
最終篇に入ります。
第二十二篇 神の国の永遠の浄福に
5.肉のよみがえりについて、世界の大部分
の人はこれを受け入れているのに、中に
はこれを否認する者もいる。
(前回はここまで)
これはかつては信ずべからざることであった。しかし、いまや全世界はキリストの地上のからだが天に上げら
れたことを信じている。学問のある者も、ない者も、等しく〔キリストの〕復活と昇天を信じており、そのことに驚き
を感じている者はわずかしかいない。もし彼らが信じているという事実が信ずべきであるならば、信じようとしな
い者は何と愚かなことであろうか。もしも信じられないとすれば、それを信じなければならないということこそ信
じられないことになる。ここには二つの信ずべからざることがある。一つはわたしたちのからだがよみがえって
永遠へと至るということ、他は世界中がかくも信ずべからざることを信じているということで、わたしたちの主御
自身がこのことの起こる前にあらかじめ語られた通りである(ヨハネ五・二八、一一・四二)。
この二つの信ずべからざることのうちの一つは、すでに起こっている。すなわち、信じられないと考えられること
を世界中が事実信じているということである。そうであるならば、もう一つに絶望する理由があるだろうか。すな
わち、世界がかつて信ずべからざるものと考えていたことを~ (つづく)(「神の国」出村彰訳)