五、「教会とわたしたち」(429) 5.近代から現代へ(宗教改革とその後)
はじめに、近代への萌芽としてアウグスチヌ
ス著「神の国」(1968.教団出版)(その69)
最終篇に入ります。
第二十二篇 神の国の永遠の浄福に
7.この世がキリストを信じるに至ったのは、人間的な説得の結果ではなく、神の力の結果である。
8.この世をキリストの信仰へと獲得するためになしとげられ、世界が信ずるに至った今でもなされている
奇跡について。
わたしがミラノに住んでいたころに、そこで起こった奇跡―盲人が視力を回復するという奇跡は、もっと広く知られている。ミラノが大都会だからである。皇帝もそこに居合わせていた。出来事はプロタシウスとゲルヴァシウスという二人の殉教者の栄誉をたたえるためにやって来た多くの群集の目の前で起こった。彼らの遺骸は全く失われてしまったのち、司教アンブロシウス〔三三九頃ー三九七、四教会博士の一人〕への夢の(前回はここまで)お告げによって、めでたく発見されたのであった。盲目の男が視力を取りもどしかつての暗黒を追い払うことができたのは、遺骸に触れた瞬間であった。……〔それから、じろう、・がん・ ヘルニア・などの奇跡的いやしの物語が続く。〕
であるから、わたしたちが聖書のうちに読むような奇跡を行われた神は、今日でもそのみこころにかなった人を通し・方法によって、多くの他の奇跡を行っておられるのである。ただ、これらは余り広く知られていないだけである。それらは砂利道の小石のように、繰り返し読むことによって記憶の中に固定すらまでにはなっていない。近来(つづく)(「神の国」出村彰訳)