五、「教会とわたしたち」(452)
5.近代から現代へ(宗教改革とその後」
初めに、近代への萌芽としてアウグスチヌス著「神の国」(1968.教団出版)(その92)
最終篇に入ります。
第二十二編 神の国永遠の浄福
24.この世は裁きの下にはあるが、しかも創造主は祝福をもってこれを満たしておられる。
飢えを満たすべく何という豊かな食物。何とさまざまな種類のあることだろうか。それは自然の豊かさによって与えら(前回はここまで) れたもので、料理人の腕と努力の作り出したものではない。どのような場合にも、健康を保護し回復するための医術。昼と夜の交代は何と楽しいことであろうか。そよ風の涼しさ、植物や獣からは何と多くの衣料が取れることか。だれがこれらの恵みの賜物をすべて数え上げることができようか。
いまはわたしはただ思いつきで数え上げただけであるが、もしもこれらの恵みをすべてことごとく論じつくそうとするならば、とてもその煩わしさに堪えることはできないであろう。そしてこれらすべては、祝福の中にある者たちへの報いではなくて、さばきの下にある人類への慰めである。これらにさえもかくも多数でかくも偉大であるとすれば、〔まことの〕報いはいかばかりであろうか。神が死へと定められた者に対してさえも、このようなものすべてを与えられたとすれば、生命へと定められた者に対しては、何をお与えになることであろう。そのためにはこの悲惨さに満ちた世において、独り子を苦しませ、死なせてくださった神が、あの祝福された生においてはどのような恵みをお与えになることであろうか。あの御国に定められた者に(つづく)(「神の国」出村彰訳)