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9499日目その2.

当時のアルファは

もうすぐ5歳になる

初代空組兄ちゃんでした

 

母とは連絡が取れず

会社を早退し夫と二人で神戸まで

車を走らせることにしました

 

考え得る食糧と水

命が助かっているならば

人一倍寒がりの母は凍えているに違いないと

毛布や卓上コンロや石油ストーブまで積みこんで

 

高速道路には全国各地から

県の旗をなびかせて

救援物資を運ぶトラックが走り始めていました

その一台一台に頭を下げ手を合わせながらも

それらの輸送の邪魔にならないように

道路を迂回して道ならぬ道を駆けて行きました

 

余震を感じながら一晩中走り続けて

やっとたどり着いた母の住むマンションが

朝日に照らされて

目の前にすっくと立っていたのには

どれ程安堵したことか

 

何しろ周辺の住宅は

まるで巨人の手で叩き潰されたかのように

ぺしゃんこだったものだから

 

預かっている合鍵でドアを開け

部屋に入ると

果たして

何事もない

いつもの整然とした様子に

一瞬唖然とし

目をぱちくりさせることになったのでした

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