北岳(3,193m)・間ノ岳(3,190m) (つづき)
3週間前には穂高岳山荘、そして今日は北岳山荘で一夜を過ごします。どちらも標高2,900mか、それ以上に高い場所に建っています。穂高岳山荘は、平日と思えないくらい混んでいましたが、北岳山荘は平日らしくゆったりしていました。人の数が少ないせいか、部屋が寒く感じられます。
夕食は充実していて、テーブルごとにみんなで取り分ける肉じゃががついてきました。
小屋の入り口に自動販売機があります。ジュースもビールも、同じ500円なのがユニークです。それならと、ビールの方を飲みます。
本棚の雑誌は充実していて、「山と渓谷」や「岳人」は相当前のものもあります。自分が生まれてすぐ、1980年代のものまでありました。広告欄には、一足36,000円する、輸入登山靴が載っています。3年前から使っている、今の自分の靴が履いている靴よりも高いです。もっとも、この時期は今よりずっと円安でした。1980年には、1ドルは200円を超えるほどの為替相場でした。
2日目は残念ながら、下り坂なのは確定的という天気予報です。それでも、朝の早い時間は大丈夫なはずだと思っていました。その通り、北岳の山頂はくっきりしていました。
明るくなってくると、太陽の北側の空は明るく、南側は厚い雲に覆われています。晴れの空気と雨の空気がせめぎ合うのが見えてくる、激しい空気の中で繰り広げられるご来光でした。北岳山荘の真上は青空ですが、風はビュービュー寒く、30秒とじっとしていられません。
何としても天気の良いうちに間ノ岳へ登りたいと思います。
北岳と農鳥岳の間にそびえているから間ノ岳です。北岳に次ぐ、日本で3番目の高峰だというのに、謙虚な名前です。北岳の添え物のような山だと思っていました。仙丈ヶ岳から眺めた北岳と間ノ岳はとても距離が近く、どうしてわざわざ違う名前をつけているのかと思っていました。
北岳山荘に来るとそれは大間違いだと分かりました。2座は全く別々の山で、間ノ岳は北岳のついでに登るような山ではありませんでした。目の前にそびえているのは、右側は「中白峰」(3,055m)で、左側の岩もやはり間ノ岳ではありません。中白峰まで35分、中白峰から間ノ岳へはさらに1時間もかかりました。
ライチョウはいませんが、イワヒバリとホシガラスが姿を見せてくれました。
雲海と富士山にものすごい力が漲っています。振り返ると昨日登った北岳が大きいです。
このようなポールが立っていますが、頂上ではありません。
今度こそ頂上に違いありません。
(登頂:2017年9月下旬) (つづく)