甲武信ヶ岳(2,475m) ((1)のつづき)
歩き始めると、間もなく清流が現れます。この小さな流れこそ千曲川です。
どんな川にも源流があります。登山では、川沿い、沢沿いの道を歩くことも多いです。それまで水音がしていたのが、しなくなるという地点が必ずあるはずだと思います。
「ナメ滝」では、巨岩を滑り落ちるように流れています。
千曲川では、源流とされている場所に近づいても、水は勢いよく流れていました。
音がしなくなる地点を、はっきりつかむことは出来ませんでした。
およそ3時間で、「千曲川信濃川水源地標」という碑の立つ場所に着きました。すでに水の流れはなく静かでした。しかし、ここはたしかに日本で一番長い川、367kmもの距離を経て、新潟県に入ると信濃川に名を変え、日本海へと注ぐ大河の源流です。日本でたった1つしかない場所、確実に1つだけが存在する場所を訪れることが出来て、充実感がありました。大河らしく、登山口から源流まで、急な登りはほとんどありませんでした。
「至千曲川源流 あと0.9km」という場所でも、まだしっかりした流れがありました。
岩の道を登りつめると、突然樹林が途切れて、山頂がありました。
三角点のない甲武信ヶ岳の頂上には、しかし三角点の何倍も高い大きな標識が立っていました。
(登頂:2013年11月上旬) (つづく)