心が満ちる山歩き

美しい自然と、健康な身体に感謝。2019年に日本百名山を完登しました。登山と、時にはクラシック音楽や旅行のことも。

甲武信ヶ岳(3) 甲武信小屋から西沢渓谷に下山

2020年05月06日 | 奥秩父・秩父


甲武信ヶ岳(2,475m) ((2)のつづき)


 「~ 奥秩父縦走の途中-、東の雲取山から西の金峰山へ向かうときでもよいし、あるいはその逆でも同じことなのだが、甲武信岳までやってくると、誰でもが「ああ、ひとくぎりついたな」とほっとし、山頂にたっては、これまでに辿ってきた山々を眺めて親愛の情をいっそう深め、これから辿っていく山々には、どうかよろしくと初対面の挨拶を送るに違いない。 ~」
 (浅野孝一・打田鍈一・楠目高明・横山厚夫著『関東百山』(実業之日本社)

 厚い雲に覆われて遠くは何も見えなかったものの、深い森の中にいることはよく分かりました。
 今日は甲武信ヶ岳だけを目標に登ってきましたが、縦走の途中にこの山頂に立つ機会があれば、もし天気が悪くても、また違う雰囲気を感じることができるに違いありません。


 入り口に小さな鯉のぼりのかかるログハウスの甲武信小屋を経て、2,469mの木賊山に出ました。標識は立派ですが、樹に囲まれて眺望はありません。後で「木賊(とくさ)」を辞書で引いてみると、
 「いつも緑色をしている草の名。」(『三省堂国語辞典(第七版)(三省堂)
 とありました。
 通行止めの鶏冠尾根との分岐点を過ぎ、急な下りが始まりました。鶏冠尾根は、「熟達者以外危険」とのことです。
 木賊山では霧氷を見たほど、とても寒い一日でしたが、標高が下がるにつれてその寒さが和らいでいくのが分かります。
  長い行程の終わりが近づくと、カラマツの森に変わり、そして今日初めて紅葉を見ることができました。出発地の毛木平よりゴールの西沢渓谷の方が、標高が300m以上低いので、季節の進み方がほんの少し遅いようでした。
 小さな沢に、橋の脚だけが残っています。森林軌道の跡とのことでした。尾根の中腹で採掘した珪石、ここからトロッコで塩山まで運んだという説明書きがあります。
 橋脚を見ると、さぞかし小さなトロッコだったんだろうなと思いました。
 乗客が自分1人しかいない路線バスで山梨市駅まで行き、「正徳寺温泉初花」の温泉に入りました。
 ここでは、うなぎと温泉を一度に楽しめ、その温泉はユニークなモール泉です。ぬる湯の温泉はいつまでもつかっていられます。夢のような温泉です。いい温泉の多い中央線沿線でも、特に好きな温泉のひとつです。





◆◆◆◆◆
【毛木平から甲武信ヶ岳に登頂し、西沢渓谷に下山】
 毛木平駐車場8:04→ナメ滝9:40→千曲川源流10:55→甲武信ヶ岳頂上11:48→甲武信小屋12:09~12:25→木賊山12:52→西沢渓谷入口バス停16:05

※大河の源流をたどる楽しみと、小海線の信濃川上駅と中央本線の山梨市駅、離れている場所が、意外にも登山道を通じてつながっているという面白さを感じるコースでした。逆方向に歩くコースは、木賊山までの急登が大変そうです。
 (体力●●●●○ 技術●●●○○) (登頂:2013年11月上旬) 



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