タクシーがスピードを上げだした。
深夜なので周囲には他の車がほとんど走っていなく
タクシーはどんどん加速していく
体がシートに押しつけられ沈み込むような感覚になった。
「おいおい、いくら急げといったからって
スピード出し過ぎじゃねーかッ?
120キロ以上出してんだろう!」
後部座席からドライバーの横のメーターを覗いてみた。
「ひぃえッー!170キロかよ(たまげたッ!)」
「冗談じゃねーッ」
ドライ . . . 本文を読む
26の秋、某企業に勤めていた私は
上司とともに世界見本市視察のためにフランクフルトへ出張した。
(ドイツの話もいろいろありすぎて何から話していいかわからない。
各都市にある娼婦の館や秘密クラブから貴族・伯爵家訪問のお上品な世界まで、
「ホモ&ゲイ」さんもドイツ全人口の2%だったかな多くいらっしゃって、
韓国のHGとはまた違った貞操の危機話がある...あああッ 思い出しちゃったヨ!)
今日の話も随 . . . 本文を読む
次に通されたのが、これまた輪違屋名物「紅葉の間」だった。
壁一面に色鮮やかな紅葉(モミジ)の葉があしらってある。
(私の記憶が確かなら襖もモミジの葉があしらってあったと思う)
深紅のもの、紅紫、紫、茶系のものなど色とりどり。
大女将に聞くまでは、傘の間同様、モミジを直接貼り付けて、その上から色付けしてあるものかと思ったのだが、
これは、土壁を塗ったときに、壁にモミジの葉を直接貼り、その後、貼っ . . . 本文を読む
S氏の「2階にはもっとええところがおます」
この言葉にそそられて、S氏と某会長を経由して、
輪違屋の2階を是非見せてもらいたいと大女将に懇願した。
大女将も私の意気に感じてくれたのか
「よろしゅうおす」との許可がおりた。
「ちょっと待っとおくれやす」といって、
2階を片付けにいった。
しばらくして大女将の先導の元、中年ボーイズ7人衆の
輪違屋探検ツアーがはじまった。
で書いた玄関横すぐの幅広 . . . 本文を読む
太夫が側に来てくれ、やさしく酌をしてくれた。
さっそく話しかけてみた。
「大きな頭ですね。いろいろ(簪)刺してて重たくないですか?」
「それほどでもおまへん。(相変わらず変な京都弁ですみまっしぇん。 皆の頭の中で京都弁に適当に変換してくんなまし)
首が疲れることはおますけど...」
「寝るときはそのままで寝るんどすか?」
「イヤッ、けったいな京都弁どすな、ホッホッホッホ!」
「髪はほどきますけど . . . 本文を読む
案内された部屋は十二畳ほどの落ち着いた(古い・年期のある)和室(客室)
入り口以外の三方に、様々な書(掛軸、屏風、鴨居にかかる額縁)が飾られている。
聞けば、近藤勇、桂小五郎、伊藤博文、原敬などの書だという。
一同しばし室内を見学。
お膳が皆に用意されており、各自着席歓談。
歓談中は室内を蛍光灯が照らし明るかったが
太夫のお出まし近くになると
蛍光灯が消され、部屋の2カ所に距離をおいて
高足のロ . . . 本文を読む
到着したら店の中で待つようにとのことだったので
出迎えてくれた高齢の女将らしき人に
「S氏の紹介で参りました」と伝えると
「おこしやす」との暖かい返事とともに、丁寧に迎え入れてくれた。
上がり場正面には、時代劇ファンなら察しが付くかもしれないが
「元禄時代・赤穂浪士が吉良邸討ち入りの夜、本所そば屋の二階に集結し、
内蔵助の号令とともに浪士一同が一気に駆け下りてきた2m幅ほどの急な階段」 あのイメ . . . 本文を読む
もう6年前になる
京都での仕事が一段落した頃、
京都の仕事仲間が
「アマルはん。週末に郭(くるわ)屋へ行きまひょか?」
と話しかけてきた。
「えっ? 郭(くるわ)って、あの遊郭の?」
「そう。ちょっと金はかかるけど、お偉いさんたちも一緒だから割り勘でね」
「一見さんおことわりのお店でおます。東京にはおらへん太夫はんもおります。
京都のいい思い出になりはりますよ」
(そんな感じの京都弁だったが... . . . 本文を読む
菊乃の年を聞いたら18、綾わかは19だという。
(どうりで白塗りのノリもいいはずだ。顔なんかぷるぷるのつやつやでシワひとつない。また、鬢付けやおしろいが相まって彼女たちが近づくといいにおいがする。 気分はサイコー!)
食事をとりながら、舞妓になったきっかけ、稽古ごと、芸妓との違い、花街のしきたりなど様々な会話をして楽しんだ。
ときには突っ込んだけったいな質問もしてみた。
「髪の毛は自毛かい?」
. . . 本文を読む
ロビーを抜け
屋外の庭園に出た。(かつて山縣有朋が所持していた名園)
この庭園内の離れた所に高級料亭「K」があった。
歩くこと数分、後ろから着いてくる舞子たちを気にかけながら
料亭の入り口に着いた。
玄関外には年配の下足番が待っており、中へ案内してくれた。
広い玄関の扉(自動扉)が左右に開き、中へ足を踏み入れてまず感動した。
履物を脱いで広いエントランスホールに小上がりすると、
白檀(ビャクダ . . . 本文を読む
見習中の芸者(京都では芸妓という)のことを京都では舞妓(関東では半玉)という。
舞妓、半玉は振袖に髪飾りをつけている。
芸者、芸妓になると着物も髪もグッと大人の装いになる。
舞妓は一般に中卒(最近では高卒も)から20歳前後の期間限定商品(ちょっと人をこのように表現をするのは差別的で不本意だが寛容なるご理解をいただきたい)。
待ち合わせの当日、Fホテルのロビーで彼を待っていると。
大きな黒いリムジ . . . 本文を読む
日本の話をしよう。
世の中には日中から遊んでいるうらやましい男がいるものだ。
私の知人に、日本でカラオケを開発し普及させた人(男性)がいる。
彼の場合は日中は寝ていて、夕方5時から深夜2時頃までがお遊び兼お仕事の時間になる。
銀座・赤坂・六本木・渋谷・新宿と一緒に彼のカラオケを入れているお店に同行したことがある。日本人・中国人・韓国人・フィリピン人のホステスがいるいろいろな店が彼のお客様だ。( . . . 本文を読む
しばらく密着して踊っていると
何やら汗臭いにおいがお兄さんの上半身からしてきた。
激しい踊りをしているお兄さんの上半身を見ると、
(お兄さんは網シャツなので)
網目の間からミラーボールのライトに照らされて
汗でびっしょり、汗の粒がテカテカ胸元で光って流れ落ちているのが見て取れた。
「ウッヘー(もういい、もうたくさん)」と思った。
密着状態から離れようとすると、またピタッと寄り添ってくる。
ガツ . . . 本文を読む
カタコトの韓国語、英語、日本語のチャンポンで
コミュニケーションをとりながら
お兄さんたちとなごやかなムードになってきた頃、
隣の大柄なお兄さんが、「ダンスしましょう」とおっしゃった。
「ダンス?」
「できません!」と手を振り応える私。
「チョンマネヨ(大丈夫よ)」
「踊りましょう(それらしき韓国語)」
むりやり(すごい力で)腕を引っ張られ、フロアーの中央へ引き出された。
ムード音楽が流れて . . . 本文を読む
はす向に座ったお兄さんは
瞬きもせず、私にじっとりとした熱い視線を送ってくる
横に座ったお兄さんは私の太ももに手を乗せ、
時折ムギュッムギュッと強弱をつけながら
握るような さわりもむような 合図を送ってくる.
どッ、どおしたらいいんだよ。
すると韓国の知人は、「どうやらアマルさんは2人に気に入られたようですね」と のたまわった。
えッ、えッ~!
(冗談やめてくれ~!)
流暢な日本語を話す知 . . . 本文を読む