日記も気ままに

JULIEというフィクション、澤田研二というノンフィクション。
フィクションには裏打ちされたノンフィクションがある。

原田マハ 「異邦人(いりびと)」

2022-04-14 | 【は】行
2018年3月22日:第1版第1刷
装丁:重実生成
装画・写真提供:ALBUM/アフロ
PHP文芸文庫

これもJ友さんお薦めの本
図書館でやっとこさ回ってきた人気の本。
読みはじめてすぐに入り込んでしまった。
で、京都から帰って続きを読むのが楽しみでした。


          

菜穂は、震災と原発事故の影響を考えて、東京から京都へ一時避難するつもりだった。
けれど、結局、京都で永住することを決める。
その間のことが物語。
最初に菜穂のお嬢さん振りが書かれているけど、私は、菜穂が好きだな、、と思って読みました。

一輝は、菜穂が京都から受け入れられない異邦人だと思っていたけれど。
一輝自身が、父からも菜穂からも愛されていず。
もしかしたら、菜穂のことも本当には愛せてない、、
その人間関係の中では異邦人だったのかも。

菜穂は、東京育ちで京都では異邦人かと思われたけれど、
むしろ父母との家族関係の中で異邦人だったのかもしれない。
そして、本来いるべき場所、信頼のおける場所が京都であり、
樹と巡り合うことが運命づけられていた京都。

画の世界のことは、わからないけれど、
作者さんのキャリアをもって描かれた人間関係や取引の丁々発止が面白い!
絵の描写も見えるようでした。

ずいぶん前ですが、府外の友達が、
「京都は外の人を容易に受け入れないところがあると言われるけれど、
祇園祭の鉾には、ゴブラン織りなども使われていて、
決して京都の物だけ、日本の物だけという考えではないと思うよ」
というようなことを話していたのを思い出しました。

菜穂が滞在していた家の主の鷹野せんや祖父の思いを知ってくれていた画商や美術館館長(名前を忘れた)。
確かな人は確かなものをちゃんと受け入れることができる、ということなんだと思う。
これに関しては、京都人だけが、ということではないと思うけれど。

樹のお母さんが大切な事を樹に伝えていなかったら、、、
それでも二人はちゃんと出会えたかな、、、?

そして、果たして養父(名前忘れた)の死に樹が関わっていたのか否か、、
その疑問を残して終わっていることも良い余韻が残りました!


      

さて、葉書に取り掛からんと 
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