Naturalis Historia X. つづき。
『そのつぎに高い評価を受けたのが、さほど鮮やかではない赤い花を持つトラキニアン(Trachinian)※1で、次が白っぽい花びらをしたアラバンディアン(Alabandian)です。非常に多くの、しかし非常に小さい花びらのバラはトゲだらけの薔薇と呼ばれて最も低い評価しか与えられませんでした。
薔薇は種類によって花びらの数、茎の粗滑、色、香りが異なります。花びらは最も少ないものは5枚ですが、数多くの花びらを持つももあり、中には100枚の花びらを持つ薔薇という名の薔薇もあります。イタリアのカンパニア(Campania)に生息しますが、ギリシャのピリッポイ(Philippi)※2あたりに生えているものは移植したものです。近くのパンゲウス山(Mount Pangaeus)には小さな花びらの薔薇がたくさん生えています。近くの人たちはそれを移植し品種の改良をしていますが、この種のものは強い匂いでもなく、その花びらはどれも広くも大きくもありません。香りの程度は薔薇の茎の粗滑さによって決まるのです。』
※1 トラーキース(Trachis)は、古代ギリシアではスペルクセイオス河の南に位置する地域。
※2 ピリッポイ(Philippoi、東マケドニア(現ギリシア領)の古代都市。)古代マケドニア王のピリッポスⅡ世によって、タソス人の植民都市クレニデス(泉の意)があった場所に創建されました。ここを起点に、付近の金鉱を開発し、軍事防衛の拠点としました。現在の都市フィリッポイは、この都市の遺構近くに位置しています。新約聖書『ピリピ人への手紙』で登場。古代都市遺跡と古戦場跡は2016年に世界遺産リストに加えられました。
Flickrで見つけた“イタリア カンパニアに咲いていた薔薇“。今話題に挙げている薔薇とは異なるでしょうが、興味を引いたので引用させていただきました。
Italy - Campania - Torre Annunziata - Pink roses growing at Villa Poppaea
イタリア カンパニア州ナポリ県にあるトッレ・アンヌンツィアータ (Torre Annunziata)で見つけたピンクローズ https://www.flickr.com/photos/julesfoto/17359417344/ から(投稿者は下の説明の場所でこの薔薇を見つけたと書いています。)
トッレ・アンヌンツィアータにあるヴィラポッペラ(Villa Poppaea、南イタリアのナポリとソレントの間のトッレ・アヌンツィアータにある古代の豪華なローマの海辺のヴィラ)は、オプロンティOplontiにあるローマ時代の別荘の遺跡で、そのうちの一つは皇帝ネロの彼の2番目の妻だったポッペア・サビーナ(Poppaea Sabina)がローマ不在時に住居としたところでポッペアの別荘(Villa Poppaea )と呼ばれています。
カンパニア州西側にはサレルノ湾が広がり、その北側のソレント半島には有名なアマルフィ海岸があります。その北にはナポリがあるこの地は昔から繁栄を誇っていました。
アマルフィ海岸 阪神交通社サイトから引用
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