本年に入ったあたりから、西山(石原)講師はラジオ解説やセミナーにおいて従来からの順張り手法である転換点ボラティリティに、新たなインディケータを取り入れられた。その指標はMega Trend Followと呼ばれている。
一、新たな分析指標を必要とするに至った理由
講師がもう何十年も利用してきたとされる手法は次のようなものであった。
① 仕切り条件
・価格が終値でボリンジャーバンド(BB_21)のσ±1を上下に飛び出し、且 つADX(14)と標準偏差(26)の両者が右肩上がりとなっていれば、次の足の始値で買いまたは売りの参入。
② 手仕舞い条件
・価格が終値でBB_21のバンドの内側に戻れば、次の足の始値で決済。
という単純明快な手法であった。
当時、セミナー等で公表されていた本手法のチャートはすべてMT4上で再現できたので、当時筆者が提携していたMetaGenic社では、インディケータと自動売買プログラム(EA)を開発し、TrendBlazerとして同社のサイトで公開をした。
ところが、一昨年辺りから市場の相場つきが変わったせいか、本標準偏差ボラティリティ順張り手法がそのままでは通用しにくくなっていた。その間、講師はATR Channelや新値足等を交えて、その通貨ペアや相場つきにあった順張り、逆張り戦略を考案・紹介されてきた。
MetaGenic社でも、ADXと標準偏差(StdDev)の有効性に疑問を持ち、講師のオリジナル手法はそのままに、それに代えてMACDを仕切り、手仕舞いのフィルター条件とするオプションを追加したところ、予想外の好結果を得ることとなった。早速、TrendBlazer(EA)にオプションとして論理式を組み込み、EAご利用者に改訂版を配布した経緯があった。
今般、講師が新たにMega Trend Followを採用されるに至った経緯もやはり、ADXと標準偏差に問題があるからではなかろうか。その理由として、最近のセミナー等では、ボリンジャバンド(21)とMega Trend Followを主として使用されており、ADXや標準偏差への言及は少なくなっている。
MetaGenic社のEAでは、上記のMACDのフィルターだけではなく、各別のピップスによるSL/PLの設置やトレイリングストップその他を装備しているので、現在のところご利用者からの特別な報告は上がっていない。
二。Mega Trend Candleを開発
上記のMetaGenic社の製品には、既に対策は取ってあるので、新たな分析指標の組込は、必ずしも必要としないと考えているが、講師のファンからはMega Trend Followと同じものを開発してくれとの要望がある。下のチャートは講師のセミナーをスクリーンショットしたものであるが、セミナーでは論理式の中身は公開されていない。筆者の推察では、長期のトレンド変換を示すインディケータであるHMA(Hull Moving Average)を利用したものではないかと推察している。HMAの計算式はいろいろあるので、必ずしも寸分違わぬものにはならないが、本ブログ読者のご評価を待ちたい。最初のチャートは講師のMega Trend Follow、二つ目が筆者の作成したMega Trend Candle(いずれもEURUSDの日足)
チャート中ほどの黄色い部分が少し異なるが、パラメータをいじればほぼ同様になろう。下のチャートでは、サブチャートの帯の代わりに、HMAを表示させてみた。線の色の変化と同じタイミングでローソク足の色も変わるようになっている。HMAをローソク足が反対側に動いた時点を手仕舞い条件としても使えそうだ。
講師のお話では、日足の激しい動きを気にしないで、比較的長期に運用するようだから、裁量取引に向いているような気がする。いずれにせよ、新しいショップ MT Studio.comのTrendBlazerにはこのMega Trend Candleとその計算根拠としたHMAを追加していただくことにした。
ただいま、MT Studio.comのサイトを調整中です。4月いっぱいには、正式立ち上げ出来るとの報告がありました。こちらで公開中