「え~、あの番組はCMないじゃん~」
と、諒は大笑いしたが、麻也は真剣に、
「いいじゃん、とりあえずは現在の番組だし…」
「でも、取り上げられる絵とかは昔のものも多いじゃん…最初の5分くらいは須藤さんの顔を立ててリアルタイムの民放見ようよ」
子供のようにムキになったのが少し恥ずかしくて
麻也は諒の言うとおりにした。
ごく自然な流れで2人でベッドに入るとテレビに向かって座り、諒がリモコンでテレビをつけた。
ちょうどタバコのCMが流れていたが、
「そういや、タバコのCMも男向けのファッショナブルだよね…俺たちタバコと縁ないから忘れてたかも」
次は女性のネイルのCMだったが…すると麻也は左手をつながれ、指をまさぐられた。
そしてテレビをとめられてしまった。
「あれ?」
すると諒は、無言でリモコンをサイドテーブルに置くと、真剣な表情で抱き締めてきた。
そしてさらに無言のまま、泣き出しそうな顔で麻也を押し倒してくる。
「あ…諒…」
唇を奪われれば、バスローブを脱がされ…あっという間に一糸まとわぬ姿にされた。
この夜の諒はいつも以上に激しかった。無言のままなのが救いだった。
諒らしくもなく、容赦なく、といった求め方だった。
「諒、諒…あ…ああっ…」
久しぶりの恋人の唇に、求めに、麻也は反応してしまう。声が抑えられない。