グアムで時間を持て余した時のために持っていった本「羊と鋼の森(宮下 奈都)」、結局、グアムでは一度も開くことなく持ち帰ってきたのですが、なぜか帰ってきた翌日に急に読みたくなり3時間ほどで読んでしまいました。重くて大きな単行本をわざわざ持っていったのに、何やっているんでしょうね。
「2016年 本屋大賞受賞!!」 こういう帯が付いている本を見ると、スル~スル~と手が勝手に動き、脇に抱えてレジでお金を払ってしまう・・・。安全第一というわけではないですが、本屋さんがお薦めの本を読んでみたいという心理が働きます。
羊とはピアノの弦を叩くハンマーに付いている羊の皮、鋼とはピアノの弦を指しています。要するにピアノ調律師を目指す少年→青年を描いた物語、はっきりは書いていないのですが、どうも北海道が舞台のようです。
ピアノを弾く人が最高の状態で弾けるように、脇役として支えることを人生の目的に選んだ少年→青年、ピアノ調律師としての技術向上の努力だけではなく、主人公の心の成長、ピアノ自体と弾く人への深い思いやりが調律という繊細な作業に乗り、ピアノを活かし、弾く人を成長させていくという物語でした。
淡々と書かれていて、少し物足りないような気もしましたが、読んだ後に物語の余韻が残りました。逸品だと思います。