瀬尾まいこ作品。★★★★☆
『卵の緒』
自分は捨て子である、と主張する小学四年生の育生。
その根拠は、①父親がいないから。
②「へその緒を、見せて」というと、母親は「育生は、卵で生んだの」と卵の殻を出してくるから。
③「僕は、捨て子なの?」と訊くと、ばあちゃんやじいちゃんは、ギョッとした表情になるから。
ちょっぴり変わってる母と、母の恋人・朝ちゃんと、不登校になった同級生・池内くんと育生の日々が綴られる。
『7's blood』
高三の七子と、小六の七生。名前も顔も似ている姉と弟。
だけど出所が違う。父親は同じだが、母親が違うのだ。
その父が死に、七生の母は刑務所に入り、七子の母も入院してしまう。
要領も良く、朗らかな性格の七生に、好感が持てない七子。
そんな二人が過ごした短い日々が綴られる。
~「家族」がテーマの二つの作品。
どちらも、心がほっこりする作品で、とても良かったです。
そして、「あとがき」も。
瀬尾さんの家族への想いが書かれていました。
雑誌『ダ・ヴィンチ』のプラチナ本になったのも納得!
瀬尾さんのファンはもちろん、瀬尾作品未体験のかたも、ぜひ!!