arudyaのブログ

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「MISSON TIMER Sinn 世界計測機器」ムック本

2018-06-20 21:45:16 | 時計のこと
娘が父の日にくれたムック本。

ロレックスなら分かるけど、SINNなんてどちらかというとマイナーなメーカー専門の解説本が出てるなんて知りませんでしたわ〜(*'ω'*)。創業者ヘルムート・ジン氏がこの春(2018.2)に亡くなったとのことなので、そういうのも後押ししたのかもしれません。
ムック本なので、メーカーヨイショの宣伝文句が羅列されるわけなのですが、彼らの作る時計と同様に過度な虚飾がないので割と救われていると思います。

"ちょうど、「私的腕時計の魅力論」とか書いていて、腕時計の本質は、パイロットウォッチやダイバーウォッチのような視認性の高い、いつでもどこでも正確な時刻を確認できることだ。とか言っていた矢先、なんというまるで図ったようなタイミングで、この本を貰ったのだった。
決して、先にこの本があったわけではないので誤解をしないように。
…しかし、後から見ると「私的腕時計の魅力論」は、すっかりSINN推ししていることが分かる。持ってないんだけどね(*'ω'*)。では、何故SINNを持っていないのか?考えるにやはりどこかで品質面に不安を感じているのだと思う。比較対象がセイコーの安ダイバーズで数万円で十分な機能性能および品質を有しているのだから、敢えて高価な舶来計器に手を出さなくてもいいと思っているのだ。
また、IWCと比較する程には魅力を感じないのは、腕時計の本質とは少しずれた価値観も多少はあるということだろう。
ただ、サブマリナーとSINNのどれか一本どちらあげるかと言われたら、迷わずEZM13を貰うだろうし、ナビタイマーと903どちらかと言われたら、903を選ぶだろうと思う。そのくらい私の中では魅力的な腕時計ではあるのだ"

SINNのイメージというと、繊細より無骨。仕上がりより思想。多機能というよりシンプル。なのですが、この本を読んで意を強くしましたね。
現社長のローター・シュミット氏はIWCの出身で…あーやはり通じるものがあるのでしょうか?SINNの時計にIWCの妖艶?さが加わると恐るべしになるかもしれません。

またSINNの903シリーズって、ブライトリングのナビタイマーのパクリぢゃね?と思っていたのですが、記事によると潰れたB社から正式に版権を譲渡してもらってるんですね。パクリぢゃなくて正当な後継機種だったわけだ。すいません誤解してました。

この他にも142.BSが、実は1985年に宇宙で使用された最初の"自動巻"クロノグラフであったり(伝説欲しがりの某メーカーなら喉からで手が出そうな(*'ω'*))、1967年に155が西ドイツ空軍に制式クロノグラフとして採用されたり(この話は面白くて、調達先は実は2社あって、もう1社がホイヤー・レオダニス…今のタグ・ホイヤー…だったりして、全くそっくりな(制式化されてるので当たり前だが)クロノグラフが両社から納入されていたらしい。収集マニアの方なら両方のモデルを有しているのかしら?)、色々面白い話題が満載だったりします。

また、時計に詳しい方ならよくご存知のレマニア社の買収合併によるCal.5100の製造中止によるセンター4針クロノグラフの製造中止。前述の142も入っていました。なんてことも書いてある。いいことばかりじゃないのよ。ということか。

そも、私がSINNを知るきっかけとなったのは縦3目を搭載している各社のクロノグラフを扱う記事の中に203.ARKTISという極寒の地で使うSINNの特殊な時計を見かけたことなのだが、その後すぐに656〜856といった3針のシンプルなパイロットウォッチを見かけるようになります。
これはいいなあと思いましたが、まだ若かった?当時の私のデファクトはクロノマットだったので、記憶の下に潜ることになりました。その後ブライトリングに魅力を感じないようになり、もう少し質実剛健な使えるものといった目で時計を見るようになり、その目で実用時計としてのサブマリナーに注目するようになりました。何よりレジャーダイバー用雑誌ではなく、海洋計測機器の業界誌に広告が載っているのはロレックスくらいだったから。流石にSINNの広告も見たことはないですね。サブマリナーは良いけど、その辺でよく見かける時計でパチモンとかと一目で分からん。で、またSINNに戻ってくるわけです。

だったら買ったらいいじゃない?と思うのですが、記述の理由により躊躇を繰り返すということで。

そんなことを全く知らない娘から、このムック本を貰いまして、また購入意欲がフツフツと…。
というのはウソで、自分の中では知識としての時計は色々収集したいですが、やはりそれらを生かして、自作紙バンド時計の制作をもう少し続けたいな。と思う次第であります。
自作文字板とか作っていると…色々なデザインをパクって作って見ると、そこに隠れているものが時折見えてきたりします。SINNもどきもどこまでインデックスを太くすると見やすいのかとか。あ、だからこんななんだと気づくのは嬉しいです。

そんななので、好きなSINNの解説本は大変参考になりましたです。
ありがとうでした。

腕時計の利点(私的腕時計の魅力論)その5

2018-06-20 19:55:54 | 時計のこと
腕時計の利点とその判断基準を長々と記してきたが、
世の中一般の腕時計の魅力とは、かなり異なった結論になったと思う。
それは多分に多くの人々が腕時計を本来の腕時計としてではなく、そこより派生したロマンと伝説、所有欲や名誉欲、資産価値に溢れた存在として見ているからと思われる。
それらは腕時計の腕時計としての本質から大きく乖離しているので「チクタク音が生きてるみたい!」とか、「時計好きは機械式時計好きに決まってる」とか、「緑サブはリセールバリューが高い」とか…巷で聞くセリフには私は違和感を覚えざるを得ないが、腕時計をどう楽しもうが所有者の勝手なのだから、実はどうでもいいことなのだろう。むしろ本質論を唱える方がおかしいのかもしれない。
ただ、機械式時計を崇拝し、クオーツ時計は本筋ではないと言ったようなつまらない風潮…こんなのどう見てもクオーツショックで苦渋を舐めたスイス時計メーカーの風評(恨み節)でしかないと思うのだが…に乗ってしまい、本質が見えなくなってはいないか? 本来必要である機能性能に知らず我慢していないか?老婆心ながら憂いてみたりするのである。

以上終わり。

腕時計の利点(私的腕時計の魅力論)その4

2018-06-20 19:54:48 | 時計のこと
視認性としては、もう一点大事な要素がある。それは"常に"に関係してくる…暗いところでの視認性である。
多くの一般的な腕時計、上述のGSにしても、夜光の採用は少ない。これまた(多分)野暮ったく見えるからなのだと思われるが、ドレスデザインとは相反するものなのかもしれない。確かに蓄光塗料は塗った厚みがあればあるほどしっかり長く発光すると言われているが、発光色を含めて高級感のあるものは少ない。

スポーツ系やミリタリ系の腕時計では、それなりに技術は進化していて、長時間発光を持続するものが増えてきているし、マイクロガスライトのような自発光を採用するものもある。また、クオーツの世界では、LEDバックライトやコナン君の腕時計のように懐中電灯になるものまである…のは余談だが。



腕時計の利点(私的腕時計の魅力論)その3

2018-06-20 19:53:30 | 時計のこと
ただし、ここで問題とすべきは、"望むレベル"であって、究極の絶対精度のことではない。
日差数十秒が全てのユーザーの"望むレベル"から大きく乖離しているなら、とっくの昔に機械式時計は実用にならないとの烙印が押され、無くなっている。はずである。
もちろん、業務用の時計などでははるかに高い精度の要求がなされるから、そのような場所では、とっくに機械式時計は駆逐され、高精度なクオーツとか電子時計とかが使われているが、それは腕時計の話ではない。

最後に「視認性」の話になるのだが、どんなに腕時計が、"望むレベルで常に正確"に時を刻んだとしても、それが見えないのであればなんの意味も持たない。視認性が腕時計の私的定義に基づく"腕時計"であることの価値に繋がるのはそう言う意味でのことだ。そこではもちろん、視認性が高い程、良とされる。
何度も触れるが、定義から派生する腕時計型アクセサリーであれば、視認性は価値判断の基準にはならない。むしろきらびやかな宝飾や凝った文字板のデザイン。磨き上げた内装を惜しむところなく見せつけるフルスケルトンなどユーザーの所有欲をくすぐる業が評価の対象になるだろう。

前置きはそのくらいにして、視認性の高いデザインというのであれば、一番は白黒のハイコントラストの利用である。
と言い切れるのは、日本のパトカーが白黒パンダである理由が正に一般車との区別がつきやすいから白黒上下のツートンとなった。また、高い視認性が必要とされる駅のホームにある時計やレールウォッチで有名なモンディーンなども白黒パンダ(秒針は赤)。パイロットウォッチも基本白黒(黒白と言うべきか)。
などの理由によるわけだが、デザインの好き嫌いは別として、これには異論はないと思われる。ちなみに視力検査で使われるランドルト環の表も白黒である。

白黒を生かした高い視認性を叶える腕時計というなら、前述のパイロットウォッチ系もしくはレールウォッチ系。あとはダイバーウォッチ系になろうか。いずれも視認できない場合の危険性と表裏一体。時字というかインデックスはくっきり太字が殆どであり、針も太く誤認しないように工夫されている。

本来の一般的な腕時計やドレスウォッチなどは、アクセサリー要素が入るため、どうしても文字板の視認性より時計全体のデザインに走ってしまう。白黒だけで構成された文字板、針はあまりにも色気がないからだ。
多機能時計も文字板を複雑に構成しなくてはいけない分、視認性には欠けるのは仕方ないところかと思う。
ただし、私的腕時計の定義から考えるに、それらは腕時計である必要もなく、必然スマホやタブレット等に取って代わられるものではないかと思う。事実、"普通の腕時計"を有していたユーザーは既にかなり腕時計離れしているのではないだろうか?
リセールバリューを気にする腕時計投機家とか複雑時計オタクのために腕時計があるならもちろん話は別だが。

もちろん無地の白黒である必要はなく、微妙な凸凹、荒さを含んだ…例えば和紙を使ったもの(ザ・シチズンの例)、雪の表面のような加工をされたもの(GS SBGA011…今ならSBGA211の例。ちなみに並べてみると新しいGSはどうも締まりが無いデザインに見える)などは、きちんと高い視認性と色気を兼ね備えている。
もちろん、ギョーシェ彫等、優れた文字板の表現は、スイス時計の本骨頂であり、文字板に多彩な表情を見せてくれる。
ただ果たしてそれが視認性に寄与しているか…そもそもそのためのデザインではないだろう…何度も触れるとおり、ここでは改めて論じる必要はないと思う。



腕時計の利点(私的腕時計の魅力論)その2

2018-06-20 19:52:11 | 時計のこと
"常に"というのは、なかなか難しい概念で、時間的概念である"いつでも"は四六時中の内の即時性も指すだろうし、明日も明後日も…ずっとという時間的永遠性も指すだろう。
その意味では、し続ける限り動き続ける自動巻時計が優れているのか、故障しても職人がいたら直して動き続ける高級機械式時計がいいのか、放置しておいても数年は動き続けるクオーツがいいのか、はたまた太陽光に当てとけさえすれば10年は動き続けるソーラーセルの時計がいいのか。これは人それぞれに時間的"いつでも"への望むレベルが違うのだから、各人で答えを見つけるしかない。

"常に"のもう一つの概念は、空間的概念であり、"どこでも"は、世界中のどこかであったり、宇宙空間であったり、水底だったりする。はたまた閉鎖された空間だったりするかもしれない。電波時計やGPS時計はひとつの解ではあるが、電波の届かない水中や地下、閉鎖空間では役に立たない。
機械式時計とて、磁場の強い場所では使えないし(そのための防磁)、水圧の掛かる水中やシャワーなどでも簡便な防水では使えない(そのための防水)。
また、物理的な話だけではなく、ドレスコードのあるような場所にはG-Shockはしていけまい。
空間的な"どこでも"は、ユーザーの生活様式や仕事内容など、どこで使うために腕時計をするかに大きく依存している部分であり、なんらかの技術的革新でもない限り"全部のせ"は困難であるから、これまた答えは多様化する。

"正確さ"に関して言うのであれば、機械式時計はクオーツ時計に敵わない。クオーツ時計も電子時計には敵わない。
ゼニスのオシレーターが機械式時計の精度を10倍にあげたからと言っても日差レベルであるし(もちろん短期的にはクオーツに匹敵する精度向上ではある)、姿勢差誤差はトゥールビヨンでも取りきれるものではない。何故なら腕時計自体が携帯されて常に姿勢を変えて使われるものだからだ。
ゼンマイに動力を頼る以上、ゼンマイが解放してしまうと止まってしまうから、すなわち月ベースでの安定的な動力供給の保証はできないから、精度も月差とするわけにはいかない。また、一般的な機械式時計は、メンテをしないと長期間では(クオーツ時計と比べて)精度は落ちていく。






腕時計の利点(私的腕時計の魅力論)その1

2018-06-20 19:49:35 | 時計のこと
腕時計の良いところ。
機械式でカチコチ動くところがいい。とか、クオーツと違っていつまでも修理してくれるとかおっしゃる方もおりますが、ならばクロックでも良かったりするし、この先ん10年〜使い続けられるかというとお安い機械式でクオーツ時計よりも有意にそれが叶うとは限らない。
10年程度で使い殺すというなら、10年電池のクオーツが最適かもしれない。


まずは、腕時計の利点…他の報時機器に対する…を考えてみると、
「すぐに時刻が分かるところ」。これに尽きるかと思う。

そもそも「時計」の定義というのは、
日本時計協会によると、“時刻を指示する計時装置” ということになる。
また、小学館のデジタル大辞泉によると、"時刻を知り、また時間を計るのに使う器機"となる。

そのうち、ウォッチは、"どんな姿勢でも作動し、かつ携帯することを目的とした時計"(同 日本時計協会による)
なので、私的には、"腕"時計は本記述に"すかさず"とかが追記されるのであろうか? ポケットウォッチやトラベルウォッチに比べるとやはり最小動作で確認できるのが腕時計だと思われるから。

逆にそれができないと、腕時計ではないことになるわけで、
過度な宝飾時計や中身を見せたいがためのフルスケルトンなどは、腕時計機能のついたアクセサリーと言ってしまっても過言ではない。というのは暴言であろうか。

すなわち、腕時計の腕時計たる所以は、「正確な報時とその視認性」にある。というわけで、
「正確な報時」については、機械式であろうがクオーツであろうが、望むレベルで常に正確である程、良とすべきだと思う。