北の窓から(芦田っち)

PC関連と私的雑感のブログ。
2015年7月10日、カッコ内に名前を加えました。昔の友だちに気付いてほしくて・・・

本 -003- :ひさびさにトム・クランシー

2009-07-19 19:59:39 | 書評/映画評など
[この記事は Doblog に 2005-08-04 05:47:43 付で載せていたものです]

出張途中で本屋を覗いたら,トム・クランシーが平積みされていました.
共著の作品は読むに値しないのですが,
著者名に彼だけが表記されている場合は,無条件でレジに並ぶことにしています.

で,最新作(文庫本)は「国際テロ」(上・下,田村源二・訳).
これまでの主人公:ジャック・ライアンが大統領職を無能な後任に譲り,
ジャック・ジュニア(彼の息子)が親譲りの愛国心を発揮して・・・
邦題が期待させるとおりテロとの戦いが・・・

ジャック・ジュニアだけではなく,彼の双子の従兄弟も活躍します.
正義であれば,自分が法となりテロリストを裁く.
テロリストの資金源である人物もオサマ・ビン・ラディンを思わせるような名前です.

・・・危険な匂いもしますが,作家の力量で読ませます.
なお,原題は 'THE TEETH OF THE TIGER' とのこと.

「虎の牙」という意味なのでしょうか.
本文の中にも虎のたとえが出てきます.

「虎は尻を蹴られたら,かならず牙を剥きます.
 牙に対処する方策がないのなら,虎の尻を蹴るな」とか,
「不用意に虎を起こすのは,実に愚かなことだ.
 虎を起こすのは,ライフルでしっかり狙いを定めないと・・・」など.

前述のとおり,悪意あるテロリストだと判明すれば,
逮捕・裁判という法治国家的な対応ではなく
私設のハンターが標的をしとめるという,危険な匂いが充満した本です.

そのような考え方もある,
9.11以来それにうなずいてしまうような空気がかの国にはあるのも確か.

ディテールがしっかりしているので,
つい連日の自爆テロなども想起されますが,あくまでフィクションです.

夏休みの一冊に加えるのも悪くありません.
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