北の窓から(芦田っち)

PC関連と私的雑感のブログ。
2015年7月10日、カッコ内に名前を加えました。昔の友だちに気付いてほしくて・・・

本 -001- :失われたアイデンティティ

2009-07-02 18:42:28 | 書評・映画評など
[この記事は Doblog に 2005-07-24 19:37:40 付で載せていたものです]

書評関連での初投稿(#001)です.

書名:内と外から見た日本人 失われたアイデンティティ
著者:ケン・ジョセフ
発行:光文社 (光文社ペーパーバックス)

キリスト教が仏教よりも以前に伝来しており,
現存するお寺や神社の少なからぬ幾つかはキリスト教の礼拝所だった,
神道にはキリスト教の教えが混ざっている・・・
など,学校で習った日本史の常識を覆す記載が盛りだくさん.

歴史の真相は素人の私に判断・評価できるはずもありません.
しかし,著者の言いたいことは明確に力強く伝わってきて胸を打ちました.
特に共感できたのは,今の日本人から「人間としての常識」が失われている,
日本は自由と民主主義の国ではないのかも知れない,という点です.

これは,著者がボランティアとして災害復旧・被災者救援に心血を注ぎ,
カリフォルニア大地震,イラク復興,フィリピン沖地震,普賢岳噴火,
北海道西南沖地震,阪神大震災などの現場に行き,
残念ながら日本では所轄する役所との軋轢に悩まされた経験から感じたことです.

同様のことは,私たちがより日常的な場面で(感受性さえあれば)
幾度も遭遇することです.
それが,いわば極限的な場面では一層強く露呈するのでしょう.

巻末の参考文献・Web サイト,用語解説,日本史年表も充実しており,
著者の主張に納得するか否かはともかく,
一読の価値がある一冊です.

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なお,光文社には個人的な印象がありました.
それは必ずしも好意的なものではなかったのですが,
「内側から見た富士通『成果主義』の崩壊」に続き,
「内と外から見た日本人 失われたアイデンティティ」を読み,
先入観を払拭することができました.
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