関係ないじゃん・・・ -01-

［この記事は Doblog に 2006-03-17 22:21:16 付で載せていたものです］

ゼミの時だったと思いますが，もしかしたら通常の授業の中だったかも知れません．
いつも和服姿で授業をなさるＴ教授がおっしゃっていました．
世の中に，関係のないものは無い．
曼荼羅の世界はそれを表している・・・

高校生の時に公害問題に興味をもって，進学し初めて通読した洋書が「Silent Spring」（Rachel Carson，「沈黙の春」）でした．
大学５年生（留年しちゃいました）のときにＴ教授の授業やゼミに出て前述の言葉を聞き，あれからずっと世の中に関係のないものは無いと思っていたつもりでしたが，思い返すといつの間にかそんな意識は無くなっていました．

例えば，北朝鮮による拉致問題をとってみましょう．
そんな事件，俺には関係ないじゃん，なんて公言すれば露骨に非難されることはないにせよ，冷ややかな反応を示されることでしょう．
イラクへの／からの派兵／撤退，そんなの関係ないね・・・こう発言すれば同様の反応を呼び起こすでしょう．

そこまで重い話ではなくとも，同じことだと思います．
だからという訳ではないのですが，おそらく内心では（意識の底では）そんなの自分に関係ないじゃんと思っているので，関心が薄い，なので話題にしない．
自分以外には関心を持てない，そういう薄情というか酷薄な自分をどこかで意識していて，そんな事件とか状況に何とか眼を向けなくてはいけない・・・という心の働きがありますが，本心でないなら，それは偽善的な心ですね．