真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

民主党よ、国民をバカにするな

2009-08-29 05:41:53 | Weblog
「私は国民に、提供せずに要請する。
国民の財布におもねらずに、その誇りに訴える」
(1960年。ジョン・F・ケネディ、大統領候補受諾演説、加瀬俊一訳)

あまり、感情的な論評は避けたい。
しかし、黙っていられない。

「実現して欲しい政策をクリックしてください」
民主党のウェブ広告。
その欄には、以下のような政策が。

子ども手当て、出産一時金、高校授業無料化、農家の戸別所得補償、高速道路無料化、お手当て付き職業訓練、等々。

金、金、金。

「金やるぞ、ほれ、どうだ、欲しいだろう?
高校の授業料、現金でやるぞ!
子ども手当ても出産一時金も、現金だぞ!
欲しいだろう、ほれ、くれてやる。
だから、投票しろよ。
なに?、買収? 何とでも言え。
欲しいやつに欲しいものをくれてやって、
こっちは権力を手にする。
何が悪いんだ、えッ!おぃ!」

定額給付金は、国民を買収する行為だと、
民主党は言っていなかったか?

麻生政権のバカげた政策とどこが違うのか
説明してほしい。

農家への所得補償は結構だが、
野菜や果物の農家は、所得を補償されないという。
それは不公平ではないのか。

サラリーマンや中小企業主には所得補償しないのか?
農家への所得補償は食糧自給率を理由にしているが、
では、たとえば日本の電気製品は、部品は、まったく自給しないでいいのか。
技術が海外に流出しても、構わないのか。

もちろん企業家たちは、「自助努力」で懸命に血路を開いて、
世界に戦いを挑んでいく。
これまでもそうだし、これからもそうだ。
国のお抱えで、いくさに勝てるか!

誇りある農家は、所得補償など潔しとしないのではないか?
そんな金があるのなら、農産物輸出のための戦略的出資とか、
そのための土地改良に関わる費用に回したら、
どれだけ日本の農業が「未来産業」になるであろう。

子ども手当ては、少子化対策だと言う。
身体的理由があって子どもを持てない家庭には負担増のケースが多いが、
子どもを持てない家庭は国民として失格なのか。
国から援助してもらう資格がないのか。

子どもがいないと、真面目に働いて税金をきちんと納めていても、
お金をむしり取られなければいけないのか。

高速道路を無料化するのなら、どうして鉄道料金は無料にならないのか。
車を持っていない、遠出をしない人は、ただ単に負担が増えるだけなのか。

それよりなにより。
民主党だけではない、自民党も他の政党のマニフェストも、
どれを読んでも、10年後の日本の姿が見えてこない。

バラまく金があるのなら、10年後、日本がしっかり生きていけるような産業構造をつくったり、そのために必要な、たとえば羽田空港の24時間化をして、世界から人やモノが集まりやすくするなり、やるべきことは多い。

たとえば、どんな田舎の小さな小学校に行っても、
ネイティブの英語の先生がいて、
小学生が英語を喋れるようにすれば、
グローバル化など全然怖くない。
なぜなら、日本の教育水準はいまだに世界でトップレベルであり、
人材も豊富だ。
世界に出て行くのを拒んでいる最大の要因は、言葉の壁にあるからである。

心ある国民は、今回の選挙での選択肢の少なさに辟易している。
地に足のついた未来を語り、
バラマキをせず、
媚びない政党や政治家があまりにも少ないからだ。

だが、少数だが確実に国の運命を託せる政治家はいる。
曇りの無い目で、媚びない政治家を選びたい。

蛇足。
負けるにしても、自民党よ、負け方があるのではないか。
漢字の読めない総裁に「保守主義」などと言ってほしくないが、
本当の保守主義とは、変革を恐れない勇気に裏打ちされている。

景気対策のその先を、私たちは見たいのだ。

当選回数に関係なく、
変革を恐れぬ、自分よりも国家国民のことを優先する、
そんな議員たちに残ってほしい。

この選挙は、次の戦いの始まりにすぎない。