真夜中のカップらーめん

作家・政治史研究家、瀧澤中の雑感、新刊情報など。

福田達夫君のこと

2012-12-03 23:34:52 | Weblog
明日、12月4日。衆院選の公示である。

「どんな人に投票すればいいですか?」
「どうやって政党を選べばいいですか?」

複数のマスコミや出版関係者から質問を受けた。

立場や利害によって、選択は違ってくるであろう。
しかし、以下の4点は、大事に考えてほしいと答えた。

1。今のことも未来のことも大切だが、過去、たとえば震災で亡くなった方や戦争で亡くなった方たちがどういう国家を望んでいたのか、「死者の声」に耳を傾けるような政治家や政党。

2。今後4年間、国民的な議論を恐れない、国民の政治意識を高められるような、政策的に積極果敢な政治家や政党。

3。今後4年間、大きなかじ取りを間違わない、派手ではなくても、国民と外国から信頼を勝ち取れる政治家や政党。

4。誠実な政治家や政党。


福田達夫、という候補者がいる。
たまたま、10年ほど前にある会合で知り合った。

背が高く、頭が良く、英語もペラペラで、しかも元首相の孫。
およそ嫉妬を受ける要素満載だったが、なぜかその周りにはいつも笑いが絶えず、人が集まって来た。

今でも覚えていることがある。

私がある文章を書いた時、脅迫状を受け取った。
その話を宴席でしたら、居合わせた男性が、「なんか、面白そうだね」、と、冗談めいて口走った。
すると、福田達夫君は、
「脅迫状を受け取った身になってみろっ、笑いごとではないぞッ!」
本気になって怒ってくれた。

福田達夫君は、私が知り合った頃はバリバリの大手商社マンで、政治家になるつもりはないと聞いていた。

今度、出馬するにあたって、その思いの一端を聞いた。

地域が幸せにならずに、どうして日本全体が幸せになれるのか。

11年勤めた商社を退職して、議員秘書をしながら、最近3年半ほどは完全に地元で活動。仲間たちと集まり、地域の課題を解決するために、動いていた。

いかにも彼らしい、真面目でダイナミックな取り組みだった。

地元の大学で「群馬学」のフェローをしながら、しかし常に現場で考え現場で一緒に汗を流す姿に、仲間たちがどんどん増えていった。

本人は、会津藩の藩祖・保科正之を尊敬している。
徳川家光の異母弟。
常に縁の下の力持ちとして、幕府を支えた男。
自分の功績を後世に残さないために、晩年、功績を証明できる書類を燃やした男。

いかにも、福田達夫らしいなあ、と思った。

話をする時、相手がどんな人でも一切手抜きをしない。
真面目で誠実な男、というのが、10年来彼を知っている私の感想である。

本人は忘れているだろうが、知り合ったその日に、
「あなたのような人が、政治家になれば、きっと日本はよくなる」
と、私は言った。
すべての政策が、彼と一致しているわけではない。
しかしこの3年間、政策以前に、有能かつ誠実な政治家でなければ、国はとんでもないことになると思い知らされた。

衆院選公示。

誠実な人物に、祖国を託したい。

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