初回記載:2017年11月4日
先に下記トピックスを順番にお読みください。
①「装具療法終了した25年後のアウトカム (2016年最新文献より)」
②「装具療法 3データの比較 (大阪医科大学OMCブレース追加) 資料追加」
これらの文献データから、装具療法を開始したときのコブ角が25~30°の場合と40°を超えた場合では、装具療法中に手術を必要とする角度までの進行のリスクが異なることが推定されました。
さらにPubMed等で文献検索を続けましたところ、この推定を補強する医学文献を見つけましたので、ご紹介します。
◇2009年 Curve progression in idiopathic scoliosis: follow-up study to skeletal maturity. シンガポール
特発性側弯症におけるカーブ進行:骨成長完了後でのフォローアップ研究
・骨成長がまだ完了していない特発性側弯症患者において、骨成長終了時点でコブ角30°である要素について調査した。
・骨成長完了時点でのコブ角の大きさが、その後の長い年月に与える影響は大きい
・これまでの研究から、コブ角30°以下の場合、骨成長完了後の過程でカーブ進行があまり進まないことが一般的に言われてきた。
・学校検診で特発性側弯症と診断された186人を骨成長完了時までフォローアップした。
・リスク要因として、側弯症と診断された時の年齢、性別、思春期の状態、最初の診断時のコブ
角を調査した。
・その結果、最初の診断時のコブ角が、骨成長完了後にカーブが30°以上に進行することの予測因子であった。
・We suggest an initial Cobb angle of 25 degrees as an important threshold magnitude for long-term curve progression.
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☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?