追記 2015年4月12日(日曜)
昨日(2015-04-11)ご相談を寄せられた rママさんへ
「略.....現在通院中の病院では経過観察のみで、転紹介状を書いてくれると言うのですが
どこでもいいからどこがいいか決めておいてと言われ、相談にも乗ってくれない状態です。
側弯にちからを入れている病院を調べた方がいいのか、国立の小児病院のような所がいいのか、
うちのこのような症例を詳しく研究しているところがいいのか迷っています。
先天性で、まだ1才でというと、どのような病院選びが賢明でしょうか? .....略」
お住まいの地域がわかりませんので、エリア的にたいへんかもしれませんが
次の方法はいかがでしょうか
① 国内で第一人者は、名古屋の名城病院の脊椎脊髄センター長の川上先生です。
もし川上先生がお忙しかった場合でも
辻先生がおられますので、紹介状は川上先生あてにしていただいて
病院に電話をして、アポをとるときに、いずれかの先生の
スケジュールにあわされたらいいと思います。
一度、診ていただいて、もしも仮に、名古屋が遠すぎた場合には
先生方のグループがありますので通院できる地域で
ご紹介いただけないかを ご相談してみてはいかがでしょう。
こちらに病院には小児科もあり、rママさんのお子さんのようなケースも
経験されていると思いますので、そういう面からもご安心できるのでは
ないかと思います。
名城病院
http://www.meijohosp.jp/
② 患者会ほねっと http://www.honetto.com/
こちらの患者会には、rママさんのお子さんのような先天性側弯症のお子さんを
もたれるお母さんが大勢参加されています。
こちらに問い合わせされて情報を得ることもできるかと思います。
..... 病院のこともそうですが、会に入られて、先天性側弯症のお子様を
育てられているお母さんがたと交流をもたれることで、rママさんにとっても
よりどころができるのではないかと思います。
august03
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
(追記 2007年12月8日)
脊柱固定術と身長の関係について追記します。
出典は Baltimore Washington Medical Center (バルチモアワシントンメディカル
センター)のホームページより
http://health.bwmc.umms.org/patiented/articles/what_surgical_procedures_scoliosis_000068_10.htm
The healed fusions harden in a straightened position to prevent further
curvature, leaving the rest of the spine flexible. It takes about 3 months
for the vertebrae to fuse substantially, although 1 to 2 years are required
before fusion is complete. Fusion stops growth in the spine, but most
growth occurs in the long bones of the body (such as in the legs), anyway.
Patients will most likely gain height from both growth in the legs and from
the straighter spine. Patients may walk at a slightly slower pace after
fusion, but balance may improve, and sports activities are not restricted
after the procedure.
さらに側弯カーブが進行することを防ぐために、曲がった部分の脊柱をしっかりと
真っ直ぐにした状態で固定します。固定しなかった残りの脊柱はフレキシブルな
ままです。椎体の骨癒合はおよそ3ヶ月ほどから進みはじめ、完全に脊柱が固定する
までに1年~2年がかかります。「固定術」によって固定した部位の脊柱は成長を
止めます。しかし、おおくの身長の成長は身体のなかの長幹骨....たとえば下肢
で発生します。患者の身長の伸びは、下肢と曲がった脊柱を真っ直ぐにしたことで
その分で伸びることになります。
手術後、患者はかなりゆっくりとしたペースでしか歩けないでしょうが、
バランスは大きく改善します。スポーツも医師の許可を得てできるようになります。
.............................................................
Yomiuri 医療ルネサンス
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20060217ik01.htm
(オリジナルは2007年12月5日に記載)
現在 7歳 女の子
1歳 側わん症診断
2歳~ 23時間/装具療法 精神的には落ち着いてる
年一度コルセットつくりかえ
コブ角 S字 装具装着60度前後 (1歳から今日まで変化なし)
最近気になること 度数は相変わらないがねじれがすこしきつくなったか
・手術は成長がとまる頃を目標とし、装具で一度でも減少させる
・装具をしているが、どんどん肋骨も変形していくのでは、ふせげるのか?
・どの度数で手術するべきか?(先生(医師)の指示をまつか・・)
・この年齢で手術すると背骨をさわるということで成長がとまってしまうか
担当医師からは出会った当初、この年齢でこの角度の子はあまりおらずなんとも
言えないという事をいわれ、先生におまかせするばかりです。
側わんの名医と聞き信頼しておりますが、今後の未知の不安はいつもあります。
(こちらの側わん症学会に先生の名前がありました。)
最近、ねじれの為の肋骨の変形と以前の弾力がなくなった・・という事で不安
目標の頃の年齢では、もしかすると先生も退職される可能性もあるのでそこまでも
てば、日本中探し、手術していただきたいと思っています。
_________________________________________________________________
小さなお子さんの側弯症にはふたつのタイプがあります。
乳幼児期特発性側弯症 (Early Onset Scoliosis アーリーオンセット側弯症)
先天性側弯症 (congenital scoliosisコンジエニタル側弯症)
これらは同じ側弯症という病名ですが、原因が異なります。
乳幼児期特発性側弯症は、特発性と名付けられているようになぜ脊柱が変形する
かの原因は不明です。30度以下の患者さんの中には、自然経過のなかで変形が
戻る事もあります。(全ての患者さんがそうなるわけではありません)
変形した原因も不明であるように真っ直ぐになった理由も不明です。
下のURLはその例を示したものです
http://www.sauk.org.uk/infant_treatment.htm
先天性側弯症は、脊柱の一部の椎体が三角形をしていたり、ふたつの椎体が癒合
(くっついてしまっている)していたり、肋骨癒合があったり、というように
生まれたときから骨の形に変形がある場合をいいます。
下のURLに説明を記載してますので、参照下さい
http://sokuwan.googlepages.com/%E5%85%88%E5%A4%A9%E6%80%A7%E5%81%B4%E5%BC%AF%E7%97%87
先生の診断はどちらのタイプの側弯症であったかを覚えておられるでしょうか?
それによっては今後の対応も変わってくることも予想されます。
--------------------------------------------------------------------
(下記のURLを参考にして記載します)
http://www.srs.org/
http://www.scoliosis.org/index.php
質問にお答えする形でコメントを記載していきます。
・手術は成長がとまる頃を目標とし、装具で一度でも減少させる
骨癒合、椎体変形はない。おそらく乳幼児期特発性側弯症であろう、ということ
ですね。癒合や椎体変形がないとすれば、ある意味では気持ちをゆるりとされて
も良いと思います。ただ、装具療法を数年にわたり継続していて60度のまま
というのがちょっと合点がいきません。椎体のどこかに変形があるために、装具
が効果をもたない、ということがないでしょうか?
......こういうことを言うと、お医者さまから叱られてしまいそうですが。
レントゲン検査に加えて、CT撮影などもされていると思いますが、手術前の精密
な検査は当然必要です。
仮に特発性側弯症とすれば、着けておられる装具はミルウォーキー型でしょうか
幾つかの文献を読みますと、外見はかなりかわいそうになってしまうのですが
小さなこどもの場合はミルウォーキーブレースのほうが効果がある、という
発表も見られます。装具の種類なども先生とご相談されると良いと思います。
小さなこどもの場合、手術をする時期は、体力の問題とともに身長との兼ね合い
があります。ですから、ある程度の身長になるまで、装具で時間をかせぐという
治療方針が標準です。願わくば、この期間に一度でも減少して欲しいのですが。
7歳という年齢からしますと、なんとか10歳前後まではがんばりたい、という
ところが目標だったのではないでしょうか。その年齢が絶対値というのでは
ありませんが、カーブ変形による健康への影響と身長との兼ね合いで、手術の
タイミングをはかることになると思います。
ご様子からしますと、お子さんの健康状態は良好なようですから、しばらくは
装具療法が継続するのではないかと思います。
・装具をしているが、どんどん肋骨も変形していくのでは? ふせげるのか?
特発性側弯症であるならば、そして健康状態が良好であるならば、あまり心配
されることはないと思います。
脊柱がねじれながら曲がっているために、肋骨も同時にいびつになり、また
肩胛骨がとびでるようになってきますが....リブハンプ....これは、脊柱手術を
して、脊柱の曲がりを矯正することで戻ってきます。
もしも、肋骨に癒合があったり、奇形がある場合には、それだけの矯正を目的
とした追加手術も必要になりますが、お話の様子からは肋骨奇形はないようで
すので、過剰な心配をされなくてもいいと思います。
ただ、カーブがきつくなる....コブ角が大きくなるというのは、肺成長を阻害し
心臓などにも負担を強いることになるので、過度な変形になる前に手術は必要
になります。
側弯症は非常に個人差のある病気のようで、70度、80度になってもいたって
健康状態の良好なお子さんもいらっしゃいます。とはもうせ、こればかりは
大丈夫ともだめとも誰にもわからないことなのですが。
明確に言えることは、そのような重篤なカーブ変形の状態を長く持続させること
は、お子さんの長期的な人生のスパンでみると、決して良いことでないことだけ
ははっきりしています。
・どの度数で手術するべきか?(先生(医師)の指示をまつか・・)
どの度数か、という絶対値というよりは、手術に耐えられる体力はあるか、
他の合併症はないか、そして何よりも「身長」との兼ね合いです。
極端な言い方をしますと、コブ角を考えればいますぐにでも手術しても良い
のかもしれないのですが、S字カーブの変形でいま手術をしますと、相当範囲の
脊柱を固定してしまうことになります。
それはイコール、その身長よりはもう伸びない、ということを意味しています。
ですから、カーブが進行しない / 悪化しない、ということを前提にして考え
ますと、手術のタイミングは、身長の目標をどこにおくかが一番大きな要素に
なると思います。 140cmなのか、135cmなのか、あるいは130,120 ....
先生とよく話しあわれることが大切ですが、親御さんとしての希望は明確に
持たれたほうがいいと思います。
ただ、繰り返させていただきますが、最重要なのは、「健康」であることを
確保するための手術ですから、お子さんの健康維持に最適なタイミングが
大前提になります。
・この年齢で手術すると背骨をさわるということで成長がとまってしまうか
脊柱固定術という手術をすることになりますので、固定した部位はそれ以上
伸びることはありません。
.................................................................
手術方法は先生がお決めになることですが、小さなお子さんの側弯症に対して
ふたつの新しい手術方法があります。
ひとつがグローイングロッド法
もうひとつが、ベプター法です。
それぞれに適応となる病態がことなります。どちらが適切かは先生が判断され
ます。
どちらもまだ新しい手術方法....新しい医療機器で、お子さんが1歳のころには
グローイングロッド法もまだ日本に入ってきたか、来ていなかったか、という
ような時期だと思います。
この手術方法は、小さなお子さんにとっては身長が伸びることを抑制しない
という意味で、福音です。
ただし、まだ比較的新しい方法のために、どこの先生でも手術できる、という
広汎性、標準性にまではいたっていない。と考えられたほうがいいと思います。
国内の場合は、経験のある先生でも10例もしていないだろうと予想します。
半年に一度のロッドの延長が必要であり、経験もまだ浅いですから、
通常の手術に比較するとトラブル、不具合の発生するリスクは高くなることを
まず心にとめられたほうがいいと思います。
- 体内で器具がはずれる
- 延長機能がうまく機能しない
- 器具が折損する
- 感染リスクが高まる
危険と述べているわけではありませんが、このような不具合も想定されます。
もっとも、発生したとしても、その健康に与える重篤度は小さいと思いますが。
また、これもつねに述べさせていただいていることですが
セカンドオピニオンをとられることに遠慮されてはいけないと思います。
思春期特発性側弯症よりも、小さなお子さんの側弯症の治療/手術は難しいと
いえます。
症例自体が非常に少ないために、経験知も少なくなりがちです。
お子さんが小さいがゆえに、お子さんの一生は今このときのご両親の「活動」に
全てがかかっています。
日本人は、どうしても先生に遠慮をしがちですが.....そしてそれは人として
大切な奥ゆかしさと繋がっているわけですが、お世話になってる先生への感謝と
セカンドオピニオンをとられることは切り離されたほうがいいと思います
感謝と尊敬の念はぜひとも忘れずに示して欲しいと思いますが、
お子さんの命と、一生の生活がかかっているのですから、ご両親が納得できる
医師/病院を探すことに、遠慮してはいけません。遠慮して後で後悔するよりも
とことん探したうえでの「結果」を受け入れることのほうが納得できるのでは
ないでしょうか。
.......セカンドオピニオンをとることは、慶応大学整形外科の名誉教授の
平林先生 (脊椎専門)も奨励されています。
当面は、装具療法が続くのだと思いますが、もしかすると別の先生のところに
いくと、別のタイプの装具を推奨されるかもしれません。
専門医師とはいえ、経験則により、意見の違いはありえます。
手術に対する考え方も違うこともありえます。
そういうことからも、少なくとも二人の医師から意見を聞くことは大切だと
思います。
お母さんが娘さんの背中をマッサージしてあげていることは、私はとても
大切ですし、効果があると思います。
お母さんの愛情が手から背中に伝わって、お子さんの心の中にはいりこみ
そして、親子として繋がっている感情、お母さんのためにもがんばろうという
気持ち、病気と闘おうという気持ち、生きる、という強い心を育てていると
思います。
そのマッサージがあるから、健康を害することなく、笑顔を見せてくれている
のだと思います
身体の病気は先生が治してくれます
でも、こころの強さは、お母さん、お父さんの愛情から育まれると思います
///////////////////////////////////////////////////////////////
(当ブログ内にも記事がありますが、グローイングロッド法という手術について
記事や患者さんのお母さんが書かれているブログもありますので、参照して
おいていただけると説明がわかりやすいと思います)
◇ グローイングロッド
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/90fd4d0b9ebeef14334b0a3279ed17c4
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/9a5e350da03c3eaacd89f85ec3fec0f8
◇ シナモンの部屋
http://plaza.rakuten.co.jp/sinamon1996/
◇ つよがりアンドーナツ
http://ai0415.blog.ocn.ne.jp/anndonatu/2007/06/post_34e2.html
☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?
昨日(2015-04-11)ご相談を寄せられた rママさんへ
「略.....現在通院中の病院では経過観察のみで、転紹介状を書いてくれると言うのですが
どこでもいいからどこがいいか決めておいてと言われ、相談にも乗ってくれない状態です。
側弯にちからを入れている病院を調べた方がいいのか、国立の小児病院のような所がいいのか、
うちのこのような症例を詳しく研究しているところがいいのか迷っています。
先天性で、まだ1才でというと、どのような病院選びが賢明でしょうか? .....略」
お住まいの地域がわかりませんので、エリア的にたいへんかもしれませんが
次の方法はいかがでしょうか
① 国内で第一人者は、名古屋の名城病院の脊椎脊髄センター長の川上先生です。
もし川上先生がお忙しかった場合でも
辻先生がおられますので、紹介状は川上先生あてにしていただいて
病院に電話をして、アポをとるときに、いずれかの先生の
スケジュールにあわされたらいいと思います。
一度、診ていただいて、もしも仮に、名古屋が遠すぎた場合には
先生方のグループがありますので通院できる地域で
ご紹介いただけないかを ご相談してみてはいかがでしょう。
こちらに病院には小児科もあり、rママさんのお子さんのようなケースも
経験されていると思いますので、そういう面からもご安心できるのでは
ないかと思います。
名城病院
http://www.meijohosp.jp/
② 患者会ほねっと http://www.honetto.com/
こちらの患者会には、rママさんのお子さんのような先天性側弯症のお子さんを
もたれるお母さんが大勢参加されています。
こちらに問い合わせされて情報を得ることもできるかと思います。
..... 病院のこともそうですが、会に入られて、先天性側弯症のお子様を
育てられているお母さんがたと交流をもたれることで、rママさんにとっても
よりどころができるのではないかと思います。
august03
////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////////
(追記 2007年12月8日)
脊柱固定術と身長の関係について追記します。
出典は Baltimore Washington Medical Center (バルチモアワシントンメディカル
センター)のホームページより
http://health.bwmc.umms.org/patiented/articles/what_surgical_procedures_scoliosis_000068_10.htm
The healed fusions harden in a straightened position to prevent further
curvature, leaving the rest of the spine flexible. It takes about 3 months
for the vertebrae to fuse substantially, although 1 to 2 years are required
before fusion is complete. Fusion stops growth in the spine, but most
growth occurs in the long bones of the body (such as in the legs), anyway.
Patients will most likely gain height from both growth in the legs and from
the straighter spine. Patients may walk at a slightly slower pace after
fusion, but balance may improve, and sports activities are not restricted
after the procedure.
さらに側弯カーブが進行することを防ぐために、曲がった部分の脊柱をしっかりと
真っ直ぐにした状態で固定します。固定しなかった残りの脊柱はフレキシブルな
ままです。椎体の骨癒合はおよそ3ヶ月ほどから進みはじめ、完全に脊柱が固定する
までに1年~2年がかかります。「固定術」によって固定した部位の脊柱は成長を
止めます。しかし、おおくの身長の成長は身体のなかの長幹骨....たとえば下肢
で発生します。患者の身長の伸びは、下肢と曲がった脊柱を真っ直ぐにしたことで
その分で伸びることになります。
手術後、患者はかなりゆっくりとしたペースでしか歩けないでしょうが、
バランスは大きく改善します。スポーツも医師の許可を得てできるようになります。
.............................................................
Yomiuri 医療ルネサンス
http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/renai/20060217ik01.htm
(オリジナルは2007年12月5日に記載)
現在 7歳 女の子
1歳 側わん症診断
2歳~ 23時間/装具療法 精神的には落ち着いてる
年一度コルセットつくりかえ
コブ角 S字 装具装着60度前後 (1歳から今日まで変化なし)
最近気になること 度数は相変わらないがねじれがすこしきつくなったか
・手術は成長がとまる頃を目標とし、装具で一度でも減少させる
・装具をしているが、どんどん肋骨も変形していくのでは、ふせげるのか?
・どの度数で手術するべきか?(先生(医師)の指示をまつか・・)
・この年齢で手術すると背骨をさわるということで成長がとまってしまうか
担当医師からは出会った当初、この年齢でこの角度の子はあまりおらずなんとも
言えないという事をいわれ、先生におまかせするばかりです。
側わんの名医と聞き信頼しておりますが、今後の未知の不安はいつもあります。
(こちらの側わん症学会に先生の名前がありました。)
最近、ねじれの為の肋骨の変形と以前の弾力がなくなった・・という事で不安
目標の頃の年齢では、もしかすると先生も退職される可能性もあるのでそこまでも
てば、日本中探し、手術していただきたいと思っています。
_________________________________________________________________
小さなお子さんの側弯症にはふたつのタイプがあります。
乳幼児期特発性側弯症 (Early Onset Scoliosis アーリーオンセット側弯症)
先天性側弯症 (congenital scoliosisコンジエニタル側弯症)
これらは同じ側弯症という病名ですが、原因が異なります。
乳幼児期特発性側弯症は、特発性と名付けられているようになぜ脊柱が変形する
かの原因は不明です。30度以下の患者さんの中には、自然経過のなかで変形が
戻る事もあります。(全ての患者さんがそうなるわけではありません)
変形した原因も不明であるように真っ直ぐになった理由も不明です。
下のURLはその例を示したものです
http://www.sauk.org.uk/infant_treatment.htm
先天性側弯症は、脊柱の一部の椎体が三角形をしていたり、ふたつの椎体が癒合
(くっついてしまっている)していたり、肋骨癒合があったり、というように
生まれたときから骨の形に変形がある場合をいいます。
下のURLに説明を記載してますので、参照下さい
http://sokuwan.googlepages.com/%E5%85%88%E5%A4%A9%E6%80%A7%E5%81%B4%E5%BC%AF%E7%97%87
先生の診断はどちらのタイプの側弯症であったかを覚えておられるでしょうか?
それによっては今後の対応も変わってくることも予想されます。
--------------------------------------------------------------------
(下記のURLを参考にして記載します)
http://www.srs.org/
http://www.scoliosis.org/index.php
質問にお答えする形でコメントを記載していきます。
・手術は成長がとまる頃を目標とし、装具で一度でも減少させる
骨癒合、椎体変形はない。おそらく乳幼児期特発性側弯症であろう、ということ
ですね。癒合や椎体変形がないとすれば、ある意味では気持ちをゆるりとされて
も良いと思います。ただ、装具療法を数年にわたり継続していて60度のまま
というのがちょっと合点がいきません。椎体のどこかに変形があるために、装具
が効果をもたない、ということがないでしょうか?
......こういうことを言うと、お医者さまから叱られてしまいそうですが。
レントゲン検査に加えて、CT撮影などもされていると思いますが、手術前の精密
な検査は当然必要です。
仮に特発性側弯症とすれば、着けておられる装具はミルウォーキー型でしょうか
幾つかの文献を読みますと、外見はかなりかわいそうになってしまうのですが
小さなこどもの場合はミルウォーキーブレースのほうが効果がある、という
発表も見られます。装具の種類なども先生とご相談されると良いと思います。
小さなこどもの場合、手術をする時期は、体力の問題とともに身長との兼ね合い
があります。ですから、ある程度の身長になるまで、装具で時間をかせぐという
治療方針が標準です。願わくば、この期間に一度でも減少して欲しいのですが。
7歳という年齢からしますと、なんとか10歳前後まではがんばりたい、という
ところが目標だったのではないでしょうか。その年齢が絶対値というのでは
ありませんが、カーブ変形による健康への影響と身長との兼ね合いで、手術の
タイミングをはかることになると思います。
ご様子からしますと、お子さんの健康状態は良好なようですから、しばらくは
装具療法が継続するのではないかと思います。
・装具をしているが、どんどん肋骨も変形していくのでは? ふせげるのか?
特発性側弯症であるならば、そして健康状態が良好であるならば、あまり心配
されることはないと思います。
脊柱がねじれながら曲がっているために、肋骨も同時にいびつになり、また
肩胛骨がとびでるようになってきますが....リブハンプ....これは、脊柱手術を
して、脊柱の曲がりを矯正することで戻ってきます。
もしも、肋骨に癒合があったり、奇形がある場合には、それだけの矯正を目的
とした追加手術も必要になりますが、お話の様子からは肋骨奇形はないようで
すので、過剰な心配をされなくてもいいと思います。
ただ、カーブがきつくなる....コブ角が大きくなるというのは、肺成長を阻害し
心臓などにも負担を強いることになるので、過度な変形になる前に手術は必要
になります。
側弯症は非常に個人差のある病気のようで、70度、80度になってもいたって
健康状態の良好なお子さんもいらっしゃいます。とはもうせ、こればかりは
大丈夫ともだめとも誰にもわからないことなのですが。
明確に言えることは、そのような重篤なカーブ変形の状態を長く持続させること
は、お子さんの長期的な人生のスパンでみると、決して良いことでないことだけ
ははっきりしています。
・どの度数で手術するべきか?(先生(医師)の指示をまつか・・)
どの度数か、という絶対値というよりは、手術に耐えられる体力はあるか、
他の合併症はないか、そして何よりも「身長」との兼ね合いです。
極端な言い方をしますと、コブ角を考えればいますぐにでも手術しても良い
のかもしれないのですが、S字カーブの変形でいま手術をしますと、相当範囲の
脊柱を固定してしまうことになります。
それはイコール、その身長よりはもう伸びない、ということを意味しています。
ですから、カーブが進行しない / 悪化しない、ということを前提にして考え
ますと、手術のタイミングは、身長の目標をどこにおくかが一番大きな要素に
なると思います。 140cmなのか、135cmなのか、あるいは130,120 ....
先生とよく話しあわれることが大切ですが、親御さんとしての希望は明確に
持たれたほうがいいと思います。
ただ、繰り返させていただきますが、最重要なのは、「健康」であることを
確保するための手術ですから、お子さんの健康維持に最適なタイミングが
大前提になります。
・この年齢で手術すると背骨をさわるということで成長がとまってしまうか
脊柱固定術という手術をすることになりますので、固定した部位はそれ以上
伸びることはありません。
.................................................................
手術方法は先生がお決めになることですが、小さなお子さんの側弯症に対して
ふたつの新しい手術方法があります。
ひとつがグローイングロッド法
もうひとつが、ベプター法です。
それぞれに適応となる病態がことなります。どちらが適切かは先生が判断され
ます。
どちらもまだ新しい手術方法....新しい医療機器で、お子さんが1歳のころには
グローイングロッド法もまだ日本に入ってきたか、来ていなかったか、という
ような時期だと思います。
この手術方法は、小さなお子さんにとっては身長が伸びることを抑制しない
という意味で、福音です。
ただし、まだ比較的新しい方法のために、どこの先生でも手術できる、という
広汎性、標準性にまではいたっていない。と考えられたほうがいいと思います。
国内の場合は、経験のある先生でも10例もしていないだろうと予想します。
半年に一度のロッドの延長が必要であり、経験もまだ浅いですから、
通常の手術に比較するとトラブル、不具合の発生するリスクは高くなることを
まず心にとめられたほうがいいと思います。
- 体内で器具がはずれる
- 延長機能がうまく機能しない
- 器具が折損する
- 感染リスクが高まる
危険と述べているわけではありませんが、このような不具合も想定されます。
もっとも、発生したとしても、その健康に与える重篤度は小さいと思いますが。
また、これもつねに述べさせていただいていることですが
セカンドオピニオンをとられることに遠慮されてはいけないと思います。
思春期特発性側弯症よりも、小さなお子さんの側弯症の治療/手術は難しいと
いえます。
症例自体が非常に少ないために、経験知も少なくなりがちです。
お子さんが小さいがゆえに、お子さんの一生は今このときのご両親の「活動」に
全てがかかっています。
日本人は、どうしても先生に遠慮をしがちですが.....そしてそれは人として
大切な奥ゆかしさと繋がっているわけですが、お世話になってる先生への感謝と
セカンドオピニオンをとられることは切り離されたほうがいいと思います
感謝と尊敬の念はぜひとも忘れずに示して欲しいと思いますが、
お子さんの命と、一生の生活がかかっているのですから、ご両親が納得できる
医師/病院を探すことに、遠慮してはいけません。遠慮して後で後悔するよりも
とことん探したうえでの「結果」を受け入れることのほうが納得できるのでは
ないでしょうか。
.......セカンドオピニオンをとることは、慶応大学整形外科の名誉教授の
平林先生 (脊椎専門)も奨励されています。
当面は、装具療法が続くのだと思いますが、もしかすると別の先生のところに
いくと、別のタイプの装具を推奨されるかもしれません。
専門医師とはいえ、経験則により、意見の違いはありえます。
手術に対する考え方も違うこともありえます。
そういうことからも、少なくとも二人の医師から意見を聞くことは大切だと
思います。
お母さんが娘さんの背中をマッサージしてあげていることは、私はとても
大切ですし、効果があると思います。
お母さんの愛情が手から背中に伝わって、お子さんの心の中にはいりこみ
そして、親子として繋がっている感情、お母さんのためにもがんばろうという
気持ち、病気と闘おうという気持ち、生きる、という強い心を育てていると
思います。
そのマッサージがあるから、健康を害することなく、笑顔を見せてくれている
のだと思います
身体の病気は先生が治してくれます
でも、こころの強さは、お母さん、お父さんの愛情から育まれると思います
///////////////////////////////////////////////////////////////
(当ブログ内にも記事がありますが、グローイングロッド法という手術について
記事や患者さんのお母さんが書かれているブログもありますので、参照して
おいていただけると説明がわかりやすいと思います)
◇ グローイングロッド
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/90fd4d0b9ebeef14334b0a3279ed17c4
http://blog.goo.ne.jp/august03/e/9a5e350da03c3eaacd89f85ec3fec0f8
◇ シナモンの部屋
http://plaza.rakuten.co.jp/sinamon1996/
◇ つよがりアンドーナツ
http://ai0415.blog.ocn.ne.jp/anndonatu/2007/06/post_34e2.html
☞august03は、メディカルドクターではありません。治療、治療方針等に関しまして、必ず主治医の先生とご相談してください。
医学文献の拙訳を提示しておりますが、詳細においてはミスが存在することも否定できません。もしこれらの内容で気になったことを主治医の先生に話された場合、先生からミスを指摘される可能性があることを前提として、先生とお話しされてください。
☞原因が特定できていない病気の場合、その治療法を巡っては「まったく矛盾」するような医学データや「相反する意見」が存在します。また病気は患者さん個々人の経験として、奇跡に近い事柄が起こりえることも事実として存在します。このブログの目指したいことは、奇跡を述べることではなく、一般的傾向がどこにあるか、ということを探しています。
☞原因不明の思春期特発性側弯症、「子どもの病気」に民間療法者が関与することは「危険」、治療はチームで対応する医療機関で実施されるべき。整体は自分で状況判断できる大人をビジネス対象とすることで良いのではありませんか?
側わん症という印象で、先天性・特発性という記憶が確かではないのですが、今のところ骨の癒合、変形はいわれていません。近々診察がありますので、聞いてみたいと思います。
グローイングロッド法、ブログ拝見させていただきました。小学校という節目でもあり、我が子側わん症を見直し、知識を高めなければと夫とも話しあいました。
コメントこちらに投稿で良かったでしょうか。
漠然と小学生までが、ひとつのふしめと・・
そして、今回いろいろなことを教えていただき、不安に思っていたことの理解・・今やるべき事、(身長~ちょっとここに立ってみて~と即やっちゃいました・・笑)今はまだ手術をする時期ではないこと・・そしてその中でやっていくべきこと、文面がうまく表現できずこの想いを話してきいてもらいたいくらい、いろいろな想いがあるのですが、今回ここで聞いてもらえたことは、このふしめの整理ができました。本当にうまくつたえられないのがもどかしいです。
・・診察・・
先生にも手術の事を聞いてみました。体がしっかりしてからの手術、リスクも書かれていたことと同じことをおっしゃっていました。今まで経験の多い装具やさんにいろいろ相談にのってもらい助けていただきました。そして先生への信頼を深めていけました。その中で・・少なくとも二人の医師から意見を聞くことは大切・・ということは、点・・と心にひっかかっています。今やるべきこと思い返し考え、進んでいきたいと思います。 またいろいろと聞いてください。本当にありがとうございました。
PS 装具は、支えるタイプのものも提案してもらったこともあるのですが、体重も軽く(12kg)きゃしゃで支柱からにげてしまっていたので筒状のものをしてきました。数年たった今、そのタイプもチャレンジしてみようか、と装具やさんといろいろと話をしました。
しかし、現時点呼吸器に支障がでたり、装具の域を超えた度数となると、骨の事を考えて手術をやります。(人口骨を使ったり、何例か考えはあると)とおっしゃっていただきました。(やはり現時点リスクは大きいようですが)
じっくり話しを聞いてもらい、こたえていただきそして話のながれで、他の先生の診断では即手術となるでしょう。とおっしゃいました。
そして、ある機会もう一人の先生に診てもらう事になりました。今後20~30年後に呼吸器に支障が出るおそれがあるためグローイングロッド法で即手術との事でした。肺の成長の事をとてもおっしゃっていて、骨は大丈夫とおっしゃっていました。
以前教えて頂いた長期的な人生のスパンでみると、決して良いことではない・・を思いだしました。
骨に対して二つの意見にとまどっています。
今するのと、あと2、3年後とでかわってしまうのか。親としての希望は学校生活を考え、成長がとまるまでの手術回数を考えると、あと2,3年はまってみたいという思いです。今手術をし、肺のスペースをつくっていった方がよいのか。幼児の方もよくされているグローイング法は思っているほど骨に心配ないのか。そしてとても術例の多い名医の先生でとても悩んでいるのですが、もし今回見送ったとし、以後お願いしたいとしたとき見ていただけるのでしょうか。
どう考えればよいのか。
言葉が限られてしまい、本当の思いをお聞きできないのが、もどかしいのですが、やはりaugust03さんに聞いて頂きたく思いました。
もうひとりの先生はすぐに手術したほうがいい、と。
言えることはどちらの先生もお子さんのことを考えての結論だということです。そこに差がでたのは、経験則の違いかな、と思いました。いずれの先生がどれだけの似たような症例での手術の経験を持っているのか、そのことも検討するうえでの大きな要素になると思います。医療は経験の裏付けという面も大きいですから。....前者の先生は手術を否定しているのではなく、呼吸器系のトラブルが発生したり、カーブがこれ以上進んだらすぐにでも手術をする、と言われているわけですから、先生の頭のなかではタイミングを推し量っている。ということです。MAYAさんのお子さんは幸いにも過激に進行するタイプではないようで、ずっと60度前後を維持した側わんですから、可能性としては、これから1~2年もこのままその状態が続くと予想することもリーズナブルだと思います。そして前者の先生が言われるように、もしも何かが発生したら、そのとき先延ばしせずにすぐに手術をする、というスタンスもリーズナブルだと思います。
MAYAさんは別の意味での心配、つまり、一度断ってしまったら、その先生の心証を害してしまうので、次にお願いしたくてもできないのではないか、という心配をされているわけですが、それはいかなる先生にあっても「ないです」と言いたいですね。このように小さなこどもを診ている先生であればあるほど、そのような意固地な気持ちは持たないですよ。大切なのはこどもの命を助けることであって、面子やプライドは二の次三の次です。このようなケースで親御さんが悩まれるのは当然であって、仮に、一度お断りしたからといって、もう診ない、もう手術はしない、などということはありえないです。そのときは、お断りしたかった理由があるのであり、もし再度お願いするときは、お願いしなければならない理由があるのですから、あれこれと悩まれるよりも、MAYAさんの直感に従うほうがいいように思います。先生だって、意見がわかれるような微妙な状態なのですから、MAYAさんが悩まれるのはもっと当然のことです。グローイングロッド法は普及してきたとはいっても、まだその歴史は新しいものです。標準的な手術として誰にでもできる、というものではない、と考えたほうがいいと思います。どちらの先生のほうがより多くの症例を経験しているのか、それも結論を左右する要素ですね。MAYAさんの文章からはどちらの先生がどれだけの経験をもっている、というのがわかりませんし、どちらの先生を示して名医とおっしゃろうとしているのかもよくわかりませんので、ここも悩ましいところです。
手術は必ずする。問題はそのタイミング。
これからの1年~2年でもっと体重をつけられるか。
いまの健康を維持できるか。
お子さんはどちらの先生により安心感を抱いているか
MAYAさんたちご両親はどちらの先生により信頼感を抱いているのか
仮に1年後に手術することになったときに、MAYAさんたちご両親はどちらの先生に手術していただきたいと考えているのか
とりあえず、上記のような質問をださせていただきますので、これをベースにしてもう一度どMAYAさんの考えをまとめていただけますでしょうか
うちの子は生まれつき、胸椎の三ヶ所に奇形があり、x状に骨がくっついてしまっている箇所と対の片方が変形して三角になっている箇所があり、生まれつき少し背骨がカーブしています。
産後数日で呼吸がおかしくて、NICUのある病院に救急搬送されたので見つかりましたが、はたからみたらわかりません。
その他には肋骨欠損と心臓の動脈開存、大動脈狭窄があります。
現在1才になったばかりで先に心臓の方を治療していたのですが、現在の総合病院の整形外科では側弯の治療は行っていないとのことで転院を考えています。
現在通院中の病院では経過観察のみで、転紹介状を書いてくれると言うのですが
どこでもいいからどこがいいか決めておいてと言われ、相談にも乗ってくれない状態です。
側弯のちからを入れている病院を調べた方がいいのか、国立の小児病院のような所がいいのか、うちのこのような症例を詳しく研究しているところがいいのか迷っています。
先天性で、まだ1才でというと、どのような病院選びが賢明でしょうか?
ご教授いただけますと助かります。
いろいろ調べて名城病院のことも気になっていましたが、できれば都内で探しています。
ほねっとも気になっていたので、問い合わせてみます。
ママになるのも初めてなのに、同時に病気の事も初めてで…
母は強く在らなければと思いつつも、実は戸惑っている部分もまだ大きいので、何かしら見つかればいいなと思います。