書の歴史を臨書する

古今の名磧を臨書、最近は米フツ。
時折、気の向くままに漢詩や詩、俳句などを勝手気侭に書いております。

鍾ショウ・荐李直表

2006-06-02 07:29:43 | Weblog

鍾ショウは、
魏の要職にあって政治家としてその手腕は高く評価されている。
夜布団に入ってから布団に指で字を書き布団に穴をあけるほどだったと言う。
古書に「鐘は天然(天質自然の妙味)において第一である」とあるが、
無心に自然体で線を連ねた筆法は含蓄に富みリズムすら感じる。
書風は幾分隷意の趣が残る。
「その書は絶世の神品」とされ、
王羲之の師筋とも伝えられたこともあいまって、
後世になると益々その評価が高まった。
現代でも、楷書を学ぶなら鍾ショウとも言われ、
鍾風の書を眼にすることが多い。
しかし、鐘の書として伝わっている書は全て宋・明代の翻刻である