書の歴史を臨書する

古今の名磧を臨書、最近は米フツ。
時折、気の向くままに漢詩や詩、俳句などを勝手気侭に書いております。

曹植

2006-06-05 15:22:57 | Weblog
一寸脇道にそれる。
前述の陸機は曹植以来の才子とも言われた。
その曹植だが、
曹操の三男として生まれその詩賦の才を曹操に愛されたが、
武人としてよりも詩人として後世に名を残した。
長男の曹丕との王位継承の争いに破れ、
生涯、曹丕の嫉妬と猜疑に追いやられ悲運な生涯を送った。
その曹植の書は残っていない(と思う)が、
琴線をくすぐる詩が幾つも残っている。

「七歩、歩く間に詩を作れ、さもなくば死罪に処する」
と兄曹丕に問い詰められた曹植はその場で詩を作った。

煮豆持作羹
漉鼓以爲汁
箕在釜下然
豆在釜中泣
本自同根生
相煎何太急

豆を煮てそれで熱いスープを作り
味噌を精製してスープの中に入れる
豆がらは釜の下で燃え
豆は釜の中で熱さに耐えられず泣く
豆も豆がらも元々同じ根から生まれ出た兄弟であるのに
何をそんなに急いで豆がらを燃やして豆を煮るのだ

何とも切ない詩だ。