シリア騒乱と修羅の世界情勢

第三次世界大戦を阻止するブログです。

米国による空爆の意味

2014年10月16日 | 国際社会

 

写真:トルコでは、衝突がサポートし、近隣のシリアとイラクで動作ISIL過激派に反対する学生たちの間で、イスタンブール大学で噴出している。

 

米国がついにシリア空爆に踏み切った。イスラム過激組織「イスラム国」を撲滅するというのが口実だが、ここにはとてつもない虚構が隠されている。

■「イスラム国」とは

敵対する者は相手構わず殺し、首を刎ね晒しものにするような残虐行為で世界に衝撃を与えている「イスラム国(ISISあるいはISIL)」。勢力は わずか1万5千~2万とされるが、近代的な武器装備で武装し潤沢な資金(数十億ドルといわれる)を持ち洗練された戦略戦術を駆使する精鋭部隊ともいうべき 実質的な軍隊だ。すでにイラクとシリア両国に跨り広大な地域を制圧、破竹の勢いで勢力を拡大しているこの集団は、「真のイスラム国家」樹立を標榜する「テ ログループ」ではない。

その実態と目的については、米国家安全保障局(NSA)の元被雇用者で現在、ロシアに亡命中のエドワード・スノーデンが証言している。彼が情報開示 したところによると、「イスラム国」のリーダーのアル・バグダディは米国、英国、イスラエルの諜報機関(CIA、MI6、モサド)が共同で創り上げたもの で、「スズメバチの巣(Hornet nest)」と呼ばれる作戦名の下、世界の過激派を一箇所に引き寄せることによって、イスラエルを保護するべくその周辺地域に共通の敵を創出するところに あるという。イランの有力メディアもこの説を事実と認めている。

その核心部隊はCIAが訓練し、メンバーやその家族に給料や手当てを払っている。資金や最新武器などはサウジアラビア、カタールなど親米イスラム国などから流れており、「シリア自由軍」などシリア内の反政府武装勢力への訓練、資金、武器提供も同じ構図となっている。

「イスラム国」は、もう一つのイスラム過激派組織であるアルカイダから分離し再編された。アルカイダは、アフガニスタンに軍事介入した旧ソ連軍を駆 逐するべくCIAが創設し武器を与え訓練を施したもので、オサマ・ビン・ラディンは実質的にCIAエージェントだった。つまり、過激な「反米テロ組織」と いうものはCIAの作品というのが真実なのだ。

■空爆の真の標的はアサド政権

米国によるシリア国内の「イスラム国」の拠点空爆はそれ自体が重大な国際法違反であり、主権国家であるシリアへの侵略行為だ。それが余りにも露骨な ため、EUの同盟国ですらこれに加わろうとしない。米国はサウジアラビア、アラブ首長国連邦、ヨルダン、バーレーン、カタールを「有志連合」という名目で かき集め「共に戦う」ふりをしているが、猿芝居に過ぎない。米国が大規模な陸軍投入をためらっているのは、イラク戦争のようにまたもや泥沼化するのを恐れ ている側面もあるが、自ら育てた武装勢力を自ら潰すのは自己矛盾だからだ。

長期化するシリア内戦は、政府VS「反政府勢力」(大部分が外部からの侵入者)、イランVSサウジアラビア、米国VSロシアという構図を持ってお り、いわば代理戦争だ。米国は「イスラム国」をアサド政権をはじめ中東の「敵」の打倒、米国の外国への軍事介入の口実作り、自国民の治安監視体制の徹底強 化にも利用している。「イスラム国」はまた、イラクをスンニ派、シーア派、国家を持たないクルド人がそれぞれ支配する「3つの地域に分割する計画」と関連 しているという。もちろん、米国の陰謀だ。

いずれにしても、国力が全面的に低下している米国が「対テロ戦争」に最終勝利する可能性はゼロで、凋落を促すだけだ。(益)”

http://chosonsinbo.com/jp/2014/10/sinbo-j_141006/