今回はMiskolc から、まっすぐ北上し、スロバキアの国境付近まで案内しましょう。
<百四十一番札所; Boldva reformétus (ボルドヴァ) カルビン派教会>
教会は、1175~1180年にロマネスク様式でベネデクト修道院教会として建てられた。
しかし1285年にタタール族の襲撃によって教会は焼失し、隣にあった修道院も破壊してしまった。
生き残ったモンク達は、バラトンの南西部にあった Somogy vár の修道院に逃れ、ここでのベネデクト
修道院の活動は終わった。
その後、修道院は建てられることはなかった。
1552~1560年の間に、カルビン派によって教会は再建された。 南側の塔は19世紀の建立。
隣にあった修道院跡(現在は基礎のみ残る)
内陣祭壇部 祭壇部には飾り物は何もない。
<百四十二番札所; Szalonna református (サロンナ) カルビン派教会>
教会は、アールパード王朝時代の貴重な石造りの教会である。 11世紀に建てられ、13世紀には
ロマネスク様式で四角い内陣を拡張追加した。 この時に施されたオリジナルの壁画「聖マルギットの
伝説」は必見である。 1562年にオスマン・トルコ軍によって壁画はすべて、白い漆喰で上塗り
された。
1589年には、すでにカルビン派の所有となり、特徴のひとつである木の屋根等の改修を図り、
1970年には上塗りされた壁を削り取り、今日見られるようにした。
東方向からの眺め 祭壇部外観
内陣(祭壇側)
祭壇の壁画 「聖マルギットの伝説」を描写
内陣入口側(西側) 説教台飾りと柱に描かれた壁画
西側入口門 門上部のレリーフ(浮き彫り)
<百四十三番札所; Rakacaszend református (ラカツァセンド) カルビン派教会>
教会は、12世紀に半円形の祭壇部分と四角い内陣をロマネスク様式によって建てられた。
13世紀には半円形の反対側に、更に四角い内陣を追加拡張した。 この時の壁画が追加した内陣内部
に残っている。
12世紀の半円形の内陣側 壁の縁に描かれた壁画(15世紀作)
13世紀に拡張した時の壁画(半円形内陣の反対側)
天井の絵板(パネル)
<百四十四番札所; Tornaszentandrás (トルナセントアンドラーシ)R・K 教会>
教会は、12世紀にロマネスク様式で建てられた。 国内では貴重なツイン祭壇構造教会である。
14世紀にゴシック様式で拡張され、内部にはその時の壁画が残されている。
今日見られる教会は18世紀に改修したものである。
半円形の祭壇が2つ並んでいる(ツイン構造) 屋根の上には特徴ある小さな塔(18世紀設置)
右の小さい内陣は12世紀ロマネスク様式で
左の大きい内陣は14世紀ゴシック様式で 説教台(13世紀のもの)
内陣(相似形の祭壇2つ)
壁には「聖アンドラーシの伝説」の描写(14世紀の壁画) 木製のマリア像(18世紀)
信者桟敷席(18世紀設置)
これで、「Miskolc (ミシュコルツ)郊外の教会」はお終いです。
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