ローンレンジャー! ・・でもなければ(古すぎて実は見てない)、
ローン返済! ・・でもない。
ロング・バケーションでもなければ、
ロング・ブラジャーでもない。
ただただ、そのおっさんは叫ぶ。
「ローンブロゾォ~」と、低音で。
しかも、四つの目玉に、片手がハサミ。
ゴキブリのような色の服をまとい、下半身が円盤になっている。
いや、円盤になってるのでなければ、平ぺったくてせまい円盤上の乗り物に、無理やり下半身をおしこんでいる。
だとすれば、円盤の中に収められた下半身は、どういう体勢なのだろう。
あぐらかもしれないし、正座かもしれないし、女性のように斜めに二本足をそろえているのかもしれぬ。
まあ、なにはともあれ、このおっさん、妙。
謎のおっさんなのだ。
だって、その名前ったら・・「ナゾー」というのだ。
なんて素直なお名前なことよ。
まんま・・ではないか(笑)。
このおっさんにはちゃんと手下もいて、手下はこのおっさんを「ナゾー様」と呼ぶ。
首領でもなきゃ、ボスでもない、皇帝でもなければ、上様でもない(笑)。
で、この「ナゾー様」は地球の平和を荒らす悪党で、この悪党に立ち向かう正義のヒーローこそ、あの黄金バットであった。
黄金バットは、骸骨だ。それも、筋肉りゅうりゅうの骸骨だ。
空は飛ぶわ、強力な武器のステッキは持ってるわ、こうもりみたいなマントは羽織ってるわ、高笑いはするわ・・のオリジナリティあふれるヒーローだった。
とりあえず、この日記では、バットさんのことはこれぐらいにして、ナゾー様のことに話を戻す。
このナゾー様には、妙な口癖があった。
それが流行語を狙っていたかどうかは定かではないが、とにかくその口癖は何度も聞かされた。
ナゾーは、ナゾータワーという謎のタワーに住んで(?)いた。
で、「ローンブロォゾォ~」という口癖は、たいがい前の画面が切り替わって、画面がナゾータワーのロングショットになったシーンで、流れていた。
言葉にはエコーも効いていたっけ。
この口癖を聞くたびに、私はいつも思っていた。
「このロ~ンブロォ~ゾォー・・って、一体何のこと? 何か意味があるの?」と。
ただただ単純に疑問だった。
当事、黄金バット関係の本は私のまわりにあまり無かったので、結局この謎は謎のまま、番組は終わってしまった。
調べようがなかったのだ。
今はネットがある。
調べてみた。
すると・・
「チェザーレ・ロンブローゾ」という人名がヒットした。
なんでもこの人は、イタリアの精神病学者で、犯罪人類学の創始者らしい。
その他には「わくわく7」という対戦格闘ゲームに出てきたキャラで少女型自動人形の名前・・という記事もヒット。
「わくわく7」というのは私はよく知らないのだが、なんでも「ティセ・ロンブローゾ」という名前らしい。
かといってナゾー様がこのゲームにハマっていたとは思えないし、だいいち黄金バットが放送されてた時代にそのゲームがあったとも思えない。
ここはやはり「犯罪人類学のチェザーレ・ロンブローゾ」の名前を連呼していた・・と考えるほうが自然な気がする。
ナゾーは地球人にとっては犯罪者だし←苦しいこじつけ?
しかしまたナゾーは、なぜ犯罪人類学の創始者の名前を口癖にしてたのだろう。
ナゾーにとって、このロンブローゾという人物は特別な人だったのだろうか。
親近感を感じていたのだろうか。
自分の理解者だと思ってたのだろうか。
心の支え的な人物だったのだろうか。
一説によると、ロンブローゾは自分の研究のために、処刑された囚人の遺体を解剖し、何百人分もの頭蓋骨を調べていたそうな。
宿敵である黄金バットの顔は頭蓋骨なので、その辺の関連からロンブローゾという人物の名前が作品の設定内に持ち込まれた・・と考えると、手っ取り早い。
まあ、それは作品の製作者側の演出だろう。
一方、作品内に登場するナゾーの立場に立ってみれば、ナゾーは、このロンブローゾという響きが気に入ってただけなのではないか。
で、しかも。さらにその響きを、自分の都合のいい響きにアレンジして、「謎の口癖」にしてただけなのではないか。
だからこそ、「ロンブローゾ」と言わずに、もったいぶって「ロ~~ン ブロゾォ~~」と自分流に連呼してたのではないか。
さらに、その口癖にエコーをかけて、いかにもその言葉に特別な意味があるフリをしてたのではないか。
もしくは。
ロンブローゾは心霊研究家としての一面も持ってたが、黄金バットは骸骨であるから、ナゾーもまた心霊研究家の一面も持ってたのかもしれない(笑)。
だとすると、共に霊を相手にするという意味で、ナゾーが心霊研究家として大先輩のロンブローゾにシンパシーを感じていたとしてもおかしくない(?)。
ともえれ、かつてチェザーレ・ロンブローゾという名前の犯罪人類学の創始者がいた。
その名前をどこからともなく独自のアンテナで知ったナゾーが、その名前を自己流にアレンジして、自己演出の一つとして、その言葉を育てていた。
そう考えると、なんとなくスッキリする。
ナゾーが謎の言葉を叫ぶ。
その謎の言葉は、実は人名であった。
その人物は生前、囚人の頭蓋骨を調べていた。
そんな客観的な事実(?)を踏まえていくと、黄金バットは生前囚人だったのか??
・・・などという、正義の味方に対して失礼な事実が浮かび上がってきてしまう・・と思うのは、私のうがちすぎだろうか。
なんにせよ、バットも謎なら、ナゾーも謎だ。
バットもバットなら、ナゾーもナゾーだ。
さて、日記のしめくくりに、私もいっちょう言ってみるとしようか。
皆さん、ご一緒に~(爆)。
1・・・2・・・・3・・・・
ダー・・じゃなかった、 ロ~ン ブロゾォ~~ !
・・む、むなしい・・・
P.S.
この記事を書いた後、ナゾー情報をいただきました。
ナゾーは実は黄金バットと双子の兄弟で、ナゾーは元は黒バットと名乗っていたそうです。
黄金バットもナゾーも共にアトランティスの生まれなのですが、何かの事情で兄弟で決闘をすることになり、その決闘でナゾーは兄の黄金バットに下半身と片腕を切り落とされてしまったそうです。
もちろんナゾーには兄への恨みも生まれました。
そこには複雑な思いもあったはず。なにせ本当は兄弟なのですから。
「ローンブロゾー」は、実は「Lone Brother」の意味だそうです。
なるほど、納得できる気がします。
ナゾーにはナゾーの悲しい過去があったのですね。
そして・・・アトランティスの兄弟は、戦いあうようになったのでしょう。
もしかしたら、黄金バットは、自らの手で弟を不自由な体にさせてしまったことを、深く悲しんでいたのかもしれません。
また、弟のその後の生き方には、黄金バット自らも責任を感じていたのかもしれません。
だからこそ、黄金バットは成仏できずに、骸骨の姿のまま生き返って(?)、弟が悪事を働くのを抑えているのかもしれません。
そう思うと、・・なんとも悲しい兄弟です。
黄金バットとナゾーの物語には、そんな深い裏話が・・あったようです。
ところで・・黄金バットは骸骨ですし、ナゾーは覆面をかぶっていますが、黄金バットの生前の姿や、ナゾーが五体満足だったころの姿は、どんな感じだったのでしょうね。
子供心に「おんぼろゾーン」と言っていると思っていました。
しかしこんな裏話があり
Lone Brotherだったとは…目からウロコが落ちました(#^.^#)
たいへん勉強になりました感謝して去ります。
Lone Brother~~~(^o^)/
コメントに今気づきました。返事が遅くなって、すみません。
おんぼろゾーン!?
す、すいません、つい受けてしまいました(笑)。
あの決めゼリフ、きっと視聴者によって、さまざまな聞こえかたをしたんでしょうね。
あのセリフのバックボーンを知った時、けっこう深いものを感じました。
悲しさも感じました。
バットとナゾーが、そういう関係だったとは。
せつないものがありますよね。
時間の外にようこそ。
ナゾー様がいうフレーズが、いっそ「ローンブロゾォ~」ではなく「ナ~ゾ~」だったら、分かりやすかったのに(笑)。
アニメ内で、ナゾーの辛い過去について触れられていたことって、ありましたっけ?
もし、そういうのがあれば、ナゾーの口癖にも納得してたでしょうし、その悲しい過去に同情もしたのでしょうが・・。
ナゾーは悲しい奴だったんですね。
そして、黄金バットもまた辛い過去を持ち、罪悪感も持っていたのでしょう。
いっそ、外伝で、バットとナゾーの生前のドラマも描いてほしかったですね。
ともあれ、桃李縋さんのように、私と同じ疑問を持ってらっしゃった方がいて、嬉しいです。