二人のぼうやが前から歩いてくる
小学3~4年生位かな?
近づくと足を止めて
ひとりの子がバニラを見詰めてる
瞳がキラキラ輝いて賢そう その上ジャニーズ系だわ
「わんこ好き?」
「ハイ・・・ 触ってもいいですか?」
お行儀もいいこなのね
「いいわよ」
そっと手を伸ばす 優しい仕草だわ
頭から肩にかけてカーブをなぞる
バニラはうっとりとしてる
今にもおなかを見せちゃいそう
「ねぇ かわいいよ 触らせてもらえば?」
ともうひとりの子に言った
「うん」
とその子はおっかなびっくり手を出す
その割には、なんとほっぺを触ってる
ま、バニラはドコ触っても大丈夫だけど・・・
「かわいいな~ いいこだね」
あ、あんなにお顔を近づけちゃってチュッしちゃいそう
バニラは尻尾をやさしく振っている
「バニラちゃん すわれ」
「あっ バニラちゃんなの?」
「そうよ・・・」
知ってるみたいだけど・・だれかしら?
「かわいいね~」
「ありがと 女の子なの」
「ハイ(知ってますって感じ) バニラちゃんだったのかぁ・・・」
「バニラのこと知ってるの?」
「ハイ」
「どちら様だったかしら?」
「おか○とです」
「・・・? おか○とさん? ごめんね 分からないわ」
「ハイ お母さんからそこそこ聞いています」
そうか そこそこ聞いてるんだ 誰だろ?
それにしてもこんなぼうやの口からそこそこだってアハハ
「わんこちゃんいるの?」
「ハイ “しば”です」
ここで分からないと失礼ね と思い
「しばちゃんかぁ ん~と ぶんちゃん?」
「いいえ 違います」
「じゃぁ はやと君?」
「いいえ 違います」
ちと あせってくる
「さんちゃんじゃないよね?」
「はい」
「じゃ ろくちゃん? はなちゃん? ちびちゃんじゃなさそうだし」
こ、困った 名前を言ってくれればいいのにぃ・・
「お名前はなんて言うの?」
「ミッキーです」
え、知らない でも 知らないなんて言えないよね
「あ~ ミッキーちゃんのね ミッキーちゃんのお家の方だったの そうそう ミッキーちゃんとは最近会ってないけど・・・元気?」
「ハイ」
やっとニコニコしてくれた
お母さんによろしくネ 遊んでくれてありがとね
あたし ミッキーちゃんて覚えないけどなぁ・・・・
これからさりげなくミッキーちゃんを探さなくっちゃ
←人の名前は覚えないけど
わんこの名前だったら覚えがいい
はずなのになぁ・・・