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「容疑者Xの献身」 主役は堤真一と松雪泰子

2008-11-17 17:50:34 | 映画マ~ワ行

大好きな東野圭吾さんの直木賞受賞作。すぐにでも観に行きたかったが、諸々あってこんな時期になってしまった(T_T)

数学者の石神が密かに想いを寄せる隣人の女性が、元夫を殺してしまう。石神はその天才的な頭脳で警察の動きを先読みし、彼女の容疑を見事に晴らす。だが、石神の友人の物理学者湯川が、そのカラクリを暴いていく……

何と言っても堤真一さんの存在感がすごかった それは最後のシーンに集約されるが、とにかく世間離れしているゆえに愛情表現が不器用な、うらぶれて老け込んでいる数学者の冴えなさ加減がいい。

「ALWAYS 三丁目の夕日」での直情型の江戸っ子鈴木オートとは全く違う。白髪まじりでよれよれのシャツの丸まった背中。こうまで変われるものか、と感動。

そして、そういうウブな男性がいかにも魅かれそうな、美しくもはかなくて守ってあげたくなる女性、松雪泰子さんがまたいい 

主役はこの二人でしょう。福山雅治さんさえ、あまり必要ないかも、更に原作にない柴咲コウさんの役は全く不要、と思えるほどだった。

今や、R25世代の男女共にお気に入り作家第1位の人気を誇る東野圭吾さん(「L25」リクルート発行より)。やはり話が緻密でリアリティがあり、人物も魅力的、そして最後には必ず大逆転があるからだろうか。とにかく東野さんの本はほとんどハズレがなく、とことんはまってしまう。

この「容疑者Xの献身」も例に漏れず、読後は最後のどんでん返しに満足し、切なさをひしひしと感じた。映画になると聞いて、イメージを損ねたらいやだなと思っていたが、この映画はかなり原作に忠実だったと思う。

テレビのガリレオシリーズとのふれ込みだが、言われるまで湯川准教授が原作に出てきていたことも忘れていた テレビの続編だと思って観た方は、トーンの違いに驚いたのでは。

正直、東野さん原作の映画化は、「秘密」、「手紙」とガッカリの連続だった。

「秘密」はヒロインが墓まで持っていくつもりだったから「秘密」だったのに、それをダンナに臭わせる素振りをさせるなんて最悪 

「手紙」は強盗殺人犯の弟ということで人生狂わされっぱなしの主人公が、最後にようやく被害者家族に謝りに行く決心をするのだが、その最大の理由がずれていた 

どちらもそんな大事なところを押さえ損なっていたので、今度もそうだったらどうしようと不安がいっぱいだった

けれど、「容疑者Xの献身」は軸にブレがなく見応えがあった。実は観た翌日まで疲れが残ってしまうほど力が入ってしまった。まさか一般人の湯川に取調室で取り調べはさせないでしょ、とか細かい突っ込みはあるとしても、これはドラマではなく映画にするのが正解と納得の満足度でした

(蛇足)個人的によく通る新大橋が舞台だったので、それも楽しみにしていた。その周辺や浜町駅の辺りなどもしっかり映っていて満足しました


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2 コメント

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Unknown (kira)
2008-11-17 21:18:42
こんばんは!TB,有難うございます♪
友人から貸してもらって、原作はつい昨日読み終えました。

先に映画の方を観てしまっていたので、既に
私の中ではイシガミも堤さんで、靖子も松雪さんでしたが
ほぼ忠実に映像化されていましたね。
ただ、ひとり、ダンカンは違うだろーと突っ込みを入れたいですが(^^;
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Unknown (JUN.F)
2008-11-18 09:09:18
kiraさん、こちらこそいつもありがとうございます。

そうそう、「なぜダンカン?」ですよね~(-_-)
格好いいよりいい人という感じを出したかったのか、キャスティングの意図がよくわからないけど……。

それ以外は特に疑問もなく、楽しめた映画でした。
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