マイケル・ジャイルズ Michael Rex Giles
【パート】
ドラムス、ボーカル
【生没年月日】
1942年3月1日~
【出生地】
イングランド ハンプシャー州ウォータールーヴィル
【経歴】
ザ・ダウランズ&ザ・サウンドトラックス(1961~1963)
トレッドセッターズ・リミテッド(1963~1967)
ザ・ブレイン(1967)
ジャイルズ・ジャイルズ & フリップ(1967~1968)
キング・クリムゾン(1968~1969、1970)
マクドナルド & ジャイルズ(1970)
ジャクソン・ハイツ(1972~1973)
グリムス(1973)
21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド(2002~2003)
マイケル・ジャイルズ・マッド・バンド(2008~ )
キング・クリムゾンの初代ドラマー。
ベーシストのピーター・ジャイルズは実弟である。
ハンプシャー州ウォータールーヴィルに生まれ、南イングランドに位置するドーセット州のボーンマスで育つ。
10代のころにスキッフルやロックンロールの影響を受け、ドラムを叩くようになる。
1960年1月、弟でベーシストのピーター・ジャイルズとともにローカルのセミ・プロ・バンド「ジョニー・キング & ザ・レイダース」に加入。「デイヴ・アンソニー & ザ・レベルズ」を経て、1961年11月、ピーターとともに、エヴァリー・ブラザーズを信奉していたバンド「ザ・ダウランズ&ザ・サウンドトラックス」に参加する。これがジャイルズ兄弟の本格的な音楽活動の始まりである。
ザ・ダウランズ&ザ・サウンドトラックスはボーンマスの人気バンドであった。ジャイルズ兄弟はこのバンドに約2年在籍し、その間7枚のシングル・レコードを残している。この中にはジミー・ペイジがレコーディング・メンバーに加わっているものもある。
1963年9月には、ホーン・セクションをフィーチュアしたインストゥルメンタル・コンボ・バンド「ザ・トレンドセッターズ・リミテッド」に加入、パーロフォンにレコーディングを残しているほか、渡英公演を行ったベン・E・キングらのバッキングも務めた。
1967年8月、マイケルはピーターとともに、ザ・トレンドセッターズ・リミテッド改めザ・ブレインを脱退。
ふたりは新聞にメンバーの募集広告を出すが、これがきっかけとなって同じドーセット州出身であるロバート・フリップと出逢い、1967年8月に「ジャイルズ・ジャイルズ & フリップ」を結成。
1967年の終わり頃にはロンドンへ進出し、デラムとレコーディング契約を結ぶ。
1968年6月、元インフィニティのイアン・マクドナルドと、彼の恋人であるジュディ・ダイブル(vocal、元フェアポート・コンヴェンション)がジャイルズ・ジャイルズ & フリップに加入し、イアンとの繋がりでやはりインフィニティに在籍していたピート・シンフィールドが歌詞を提供するようになる。
同年7月、イアンと破局したジュディがバンドを離れる。
同年9月13日、ジャイルズ・ジャイルズ & フリップのデビュー・アルバム『チアフル・インサニティ・オブ・ジャイルズ・ジャイルズ & フリップ』が発表されたが、セールスは全く振るわなかった。
同年12月、ピーター・ジャイルズの代わりとしてグレッグ・レイク(bass, vocal)が加入するプランが持ち上がり、ジャイルズ・ジャイルズ & フリップは一度もライヴでの演奏をすることなく、バンド名を改めることになった。
これが「キング・クリムゾン」の誕生である。
キング・クリムゾンは1969年1月からリハーサルを開始し、4月9日にロンドンのスピーク・イージーでステージ・デビューを果たした。
その後7月5日にはロンドンのハイド・パークで行われたブライアン・ジョーンズ(ローリング・ストーンズ)追悼ライヴに、8月9日には第9回ナショナル・ジャズ・アンド・ブルース・フェスティヴァルに出演するなどして、広くロック・ファンの耳目を集めるようになる。
10月10日に発表したクリムゾンのデビュー・アルバム『クリムゾン・キングの宮殿』は、その先鋭的な音楽性でシーンに多大な衝撃を与えた。
クリムゾンは『クリムゾン・キングの宮殿』発表直後からアメリカ・ツアーを開始したが、その最中だった12月にマイケルとイアン・マクドナルドは、突然クリムゾンからの脱退を表明した。フリップとの間にできた溝、音楽的指向の違いや過酷なツアーによる心身の疲労などがその理由である。
フリップから引きとめられたもののマイケルの脱退の意思は固かった。
しかし代替メンバーの補充が思うように進まず、クリムゾンの活動も停滞するという苦境に立たされたフリップから短期のサポートを依頼され、マイケルは1970年1月~4月にかけて行われたクリムゾンのセカンド・アルバム『ポセイドンのめざめ』に弟ピーターとともに参加している。
そしてレコーディング終了後、改めてイアン・マクドナルドと合流し、「マクドナルド & ジャイルズ」の結成に至るのである。
マクドナルド & ジャイルズは1970年5月から約2ヵ月にわたるレコーディングを行い、11月にファースト・アルバム『マクドナルド & ジャイルズ』を発表した。
しかしイアンは、不本意な状態で『マクドナルド & ジャイルズ』を発表せざるえをえなかったことに対する不満があり、それに加えて当時の恋人であるシャーロット・ベイツ(『マクドナルド & ジャイルズ』のジャケットにイアンと写っている)との離別がもとで精神的なケアが必要となり、セラピーを受けるためにアメリカへ渡った。このため、マクドナルド & ジャイルズはその後まもなく自然消滅してしまった。
マクドナルド & ジャイルズ消滅後はおもにセッション・ドラマーとしてさまざまなレコーディングに参加しているほか、ジャズ・ドラマーとしても活動。
ジャクソン・ハイツ(元ナイスのドラマー、リー・ジャクソンが結成したバンド)の作品や、ケヴィン・エアーズの『夢博士の告白』などのほか、ロジャー・チャップマン(元ファミリー)、レオ・セイヤー、ロジャー・グローヴァー(元ディープ・パープル)、グラハム・ボネット(元レインボー)、ペンギン・カフェ・オーケストラ、ブライアン・フェリー(元ロキシー・ミュージック)、グレッグ・レイク、イアン・マクドナルドらの作品に参加している。
1978年、ピーター・ジャイルズ、デイヴ・マクレエ(元ニュークリアス)、ジョン・G・ペリー(元キャラヴァン)、ジェフリー・リチャードソン(元キャラヴァン)、マイケル・ブレイクスリー(元トレッドセッターズ・リミテッド。『マクドナルド & ジャイルズ』にトロンボーンで参加している)らを迎えてレコーディング。これがマイケルのソロ・アルバム『プログレス』として、実に24年後の2002年にようやく発表された。
1983年にはデヴィッド・カニンガム、ジェイミー・ミューア(元キング・クリムゾン)との共作で映画『Ghost Dance』のサウンド・トラックを制作した。この作品は1995年にCD化されている。
2002年、マイケルとイアン・マクドナルドは共同で『マクドナルド & ジャイルズ』のリマスターを行ったが、これをきっかけとしてマクドナルド、ピーター・ジャイルズ(元キング・クリムゾン)、メル・コリンズ(元キング・クリムゾン)、ジャッコ・ジャクジク(元レベル42)と「21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド」を結成した。バンドに命名したのはロバート・フリップである。
このバンドは初期キング・クリムゾンやマクドナルド&ジャイルズのナンバーをレパートリーとしていたが、マイケルは2002年の日本ツアーお終えた後、2003年初頭に脱退している。
2008年にはエイドリアン・シヴァース(horns)、ダニエル・ペニー(guitar)とのトリオで「マイケル・ジャイルズ・マッド・バンド」を結成し、翌09年に『The Adventures Of The Michael Giles MAD BAND』を、2011年にはキース・ティペット(piano)を迎えた編成でライヴ・アルバム『In The Moment』を発表している。
近年のマイケル・ジャイルズ
【ディスコグラフィ】(☆=ライヴ・アルバム ★=コンピレーションアルバム)
<ソロ>
2002年 プログレス/Progress *1978年録音
<ジャイルズ・ジャイルズ & フリップ>
1968年 チアフル・インサニティ・オブ・ジャイルズ・ジャイルズ & フリップ/The Cheerful Insanity of Giles, Giles and Fripp
2001年 Metaphormosis
2001年 ザ・ブロンデスベリー・テープス/The Brondesbury Tapes
<キング・クリムゾン>
1969年 クリムゾン・キングの宮殿/In the Court of the Crimson King
1970年 ポセイドンのめざめ/In the Wake of Poseidon
<マクドナルド & ジャイルズ>
1970年 マクドナルド & ジャイルズ/McDonald & Giles
<ジャクソン・ハイツ>
1972年 フィフス・アヴェニュー・バス/Fifth Avenue Bus
1972年 ラガマフィンズ・フール/Ragamuffins Fool
1973年 バンプ・ン・グラインド/Bump n' Grind
<マイケル・ジャイルズ、ジェイミー・ミューア、デヴィッド・カニンガム>
1996年 Ghost Dance
<21stセンチュリー・スキッツォイド・バンド>
2002年 オフィシャル・ブートレグ Vol.1/Official Bootleg Vol.1
☆2003年 ライヴ・イン・ジャパン/Live in Japan
<ピーター・ジャイルズ、マイケル・ジャイルズ>
★2009年 The Giles Brothers 1962>1967
<マイケル・ジャイルズ・マッド・バンド>
2009年 The Adventures of the Michael Giles MAD BAND
2011年 In the Moment
<レコーディング・セッション>
1971年
Clever Dogs Chase The Sun(ケニー・ヤング)
Under Open Skies(ルーサー・グロヴナー)
1972年
Nigel Lived(マレー・ヘッド)
New Hovering Dog(B.J. コール)
Duffy Power(ダフィ・パワー)
1973年
シルヴァーバード/Silverbird(レオ・セイヤー:UK2位, US209位)
B.J. Arnau(B.J. Arnau)
Food of Love(イヴォンヌ・エリマン)
Hunter Muskett(Hunter Muskett)
I Love You This Much(Jefferson)
The Magic's in the Music(Ken Tobias)
So Long Ago The Garden(Larry Norman)
Unfinished Picture(ルパート・ハイン)
Two Faced(Fischer & Epstein)
Grimms(Grimms)
1974年
ジャスト・ア・ボーイ/Just a Boy(レオ・セイヤー:UK4位, US16位)
夢博士の告白/The Confessions of Dr. Dream and Other Stories(ケヴィン・エアーズ)
Streetwalkers(チャップマン-ホイットニー)
Jumblequeen(Bridget St. John)
Lane Changer(Michael Fennelly)
Messages(Steve Swindells)
Storyboard(Mick Audsley)
Butterfly Ball(ロジャー・グローヴァー)
1975年
アナザー・イヤー/Another Year(レオ・セイヤー:UK8位, US125位)
Hard Road(Lennie MacDonald)
Backwoods(Gary & Terry Woods)
1976年
サンセット・ウェディング/Sunset Wading(ジョン・G・ペリー)
I/You(Brian Protheroe)
Silent Mother Nature(Catherine Howe)
Power House(Duffy Power)
1977年
Graham Bonnet(グラハム・ボネット)
Flyaway(Nutshell)
1978年
ワイズ・アフター・ジ・イヴェント/Wise After the Event(アンソニー・フィリップス)
Rocking in Rhythm(Bardot)
I'm Grateful(Garth Hewitt)
1979年
サイズ/Sides(アンソニー・フィリップス)
Believe It Or Not(Nutshell)
1984年
ブロードキャスティング・フロム・ホーム/Broadcasting from Home(ペンギン・カフェ・オーケストラ)
1986年
Earthrise(Tandy & Morgan)
1993年
タクシー/Taxi(ブライアン・フェリー:UK2位, US79位)
1995年
Seabird(ジョン・G・ペリー)
★1997年
The Greg Lake Retrospective:From the Beginning(グレッグ・レイク)
1999年
ドライヴァーズ・アイズ/Drivers Eyes(イアン・マクドナルド)
2002年
Passion(マレー・ヘッド)
2004年
☆Silver White Light Live at the Isle of Wight 1970(テリー・リード)
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