
初めていった外国はハワイでした。母と2人で40代の初めに行きました。
母と暮らすようになって、母が海外旅行をしたことがないので行きたいといったからです。
私は、その頃は、海外に行くことなど考えていませんでした。人はどこの人も同じだと思っていたのです。わざわざ出かけていくことなどないじゃないかと思っていました。
でも、母がどうしても外国に行きたいというし、飛行機にも乗りたいといったので、旅行代理店に行き、相談しました。
初めての海外ならハワイがいいでしょう、といわれ、日本語が通じるし、たくさんの日本人が行きますから。
私は、英語なら、中学校から大学1年までやったのだから、きっと大丈夫と思い、ハワイに行くことにしました。
どこの人も同じだという思いは、ハワイですっかりなくしてしまいました。人は、住む国にも、住む環境にも、仕事にも、いろいろなことによって、まるで違うのだということ。
人間としての根本的なところは、良心とか、情緒や、権利も普遍的なものはあると思いますが、そのあらわれ方は、国によって全然変わるのだと思いました。
ハワイで会った人たちは、ガイドや観光にかかわる人だけでしたが、多くの人たちは、日本人に対して、好感を持っていないと思いました。
多くの日系のアメリカ人は、どうしてそこにいるのかということを考えるだけでも、日本を好まず、大挙して訪れる日本人を嫌っているように見えました。
私は、英会話などほとんどできないまま、ホテルのフロントに単語だけを並べて四苦八苦したのでした。その時のフロントの日系アメリカ女性の軽蔑の目つきを忘れることができません。
私は帰国して、英会話の教室に通い、英語を勉強しました。単語や文法などは分かっても、どういう風にしゃべるのかを全然理解していませんでした。そして、観光旅行に行くくらいの英会話なら何とかしゃべれるようになったのです。
人は、どこに住んでいるかということは、どうしてなのかを考えなくてはならないのだろうと思います。同じ東アジア系の顔ですが、あまり同じ人種とは思えなかったのでした。
外国に行くことで、知らない人の思いを見ることができるような気がしました。
この絵は、ハワイに着いて、ホテルに行く時間を待った公園でのものです。風景画はほとんど描いたことがないので、バックはなんとも言えない出来ですが。
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