ゆるゆるしなやかに♪ ベルマダがいく!

2011年4月からベルギー生活をはじめました。
ベルギーでの生活等々、ゆるゆる綴っていきますね。

Biennale 2011(Art-Nouveau/Art-Deco) Vol.3

2011-10-23 21:18:16 | Brusselsな毎日
今週末も行ってきました!
ビエンナーレ2011.

今回行ったのは、この6つ。

・Anciens magasins Wolfers frères(Rue d'Arenberg 11, 1000 Bruxelles)
・Taverne et hôtel l'Espérance(Rue du Finistère 1-3, 1000 Bruxelles)
・Ancienne salle de cinéma Le Plaza(Boulevard Adolphe Max 118-126, 1000 Bruxelles)
・Maison privée (rue Lecharlier)(Rue Lecharlier 175, 1090 Bruxelles)
・Maison Eugène Leman(Avenue Richard Neybergh 160, 1020 Bruxelles)
・Ancien dépôt de vins Besse(Rue de l'Escaut 122, 1080 Bruxelles)


まずは、最初の「Anciens magasins Wolfers frères」。


これは、Wolfer兄弟が新しいジュエリーショップの設計をオルタに依頼して1909年に完成。
建物正面(ファサード)のデザインは、クラシカルでシンプル。


1階は、ショップ、2階はジュエリー職人のための部屋とオフィスお客様をもてなすスペースも。
家具もオルタが設計したらしいが、そのいくつかは、現在オルタミュージアムにあるそうです。
Wolfer兄弟は、オルタと共にベルギーのアール・ヌーヴォー建築家として名高い
ポール・アンカーと友達だったらしく、そのつながりでオルタに建築を依頼したらしい。


1階の奥には、オルタらしい天窓があるが、オルタは、この大きなフロアの中央に
1つだけ大きな窓を設計したが、施工主であるWolferが左右に二つの窓があるデザインをリクエスト。
二人とも頑固で折れない性格だったらしく、激しく意見がぶつかりあったが、
最後には、施工主の意見が採用されたようだ。
その際のオルタ自筆の設計メモのようなものも残されている。
この二つの天窓(ガラスルーフ)は、オルタらしいむき出しの鉄骨とガラスの組み合わせで出来ている。
しかし、曲線はない。

2階へと続く階段は、アールデコ的なジオメトリックな模様である。


時期的にアール・ヌーヴォーからアール・デコへの変遷期であり、
こうしたところにその様がうかがえる。
階段上部には、薄いピンク色がメインのステンドグラスのグラスクラウンがあり、
縁取りがゴールドで、自然の光を取り入れている。


2階のサロンの大きなステンドグラスはアール・デコ様式。




部屋自体は、クラシカルなデザインで、大理石の柱や縁取りが壮大さ、ゴージャスさを醸し出している。



アール・ヌーヴォーはどんどん進化(…と言うよりもむしろ退化かもしれないが)しており、
一部のブルジョワな人達だけではなく、ミドルクラスの人々にも近しいものになってきている
時代だったようです。

この建物は、今は、KBC銀行の支店になっているようです。
入った感じは、とても今どきで(当たり前か、銀行だしね)、とてもその裏側に
そんなインテリアが施されているとは思えないですね。


次に向かったのは、Taverne et hôtel l'Espérance。

若者たちが集う、ブリュッセルの渋谷?的なヌーヴォー通りからシンボリックな古い教会の脇を入ると、
このアール・デコなHotel&Barがひょっこり佇んでいます。


建築家は、 Léon J.J. Govaerts。
1874年に建てられた折衷様式?の建物が彼の手により、
1930年にアール・デコ様式のBarとホテルと生まれ変わりました。

店内は、アール・デコ満載なインテリアで、長椅子やバーカウンターの装飾など
至るところにそのデザインがアール・デコの空気を帯びていて、
タイムスリップしたような気分にさせられます。




そして、このお店。もちろん、今日も「営業中」。
特別にビエンナーレの見学者は、「5分間だけ」見学することを許されているのです。
んー、ちょっと時間がなかったので、駆け足で見ちゃいましたが、、、
ゆっくりcafeしてみたかったですね。


そして、そこから歩いてすぐのところにあるのが「Ancienne salle de cinéma Le Plaza」
映画館、ホテル等々の複合施設みたいですね。今のLe Plazaホテルの一部なのかな。
行ったらちょうどガイドツアーの途切れたところで、20分ぐらい待って!と
言われてしまいまいた。
このイベント、予約不要のところは、ちゃんと時間区切ってないのに
ちゃんとガイドツアーがあるんですよ。(苦笑)
しかし、、、この後、2件がちょっと離れたところにあるので、結局、
トイレを借りて出てきてしまいました。すんませぇぇん。
この建物、Michel Polakの作品だということで期待してたんですが、
トイレを借りる時に中もチラ見しましたが、ちょっと変わったアラビア風な?南な感じの
デザインや装飾がありました。
まぁ、結局、私の趣味じゃなかったので、ササッと出てきてしまった。ってのが
ほんとのところなんですが(ごめんなさい)。


で、次に向かうは、、、Maison privée (rue Lecharlier)!





Joseph Diongreデザインのアール・デコなお家!
この人は、St John-the-Baptist教会(Molenbeek-Saint-Jean)や、
IxellsのRadio & Television Centre、 Woluwe-Saint-Lambertのコミューンなどを設計している人です。

このお家は、1927年に建てられた小さなお家で3階建て。
今、住んでいる人(オーナーの男の人)が、自ら説明してくれました。
(なぜか、風貌が前の会社にいた後輩君に似ていて、フラ語がわからない時はじーっと見つめてしまいました;笑)
この人、、、、一生懸命フランス語話していたけど、実はネイティブじゃない気がする。。。

で、お家は、むっちゃステキ!
内部の撮影が出来ず、ほんっとに残念でしたが、、、
ファサードの赤と緑の陶器なレンガ、2階の出窓と、その一部に張り出したお部屋、、、
そして、何よりも素敵だったのは、Sall de Bain !
そう、バスルーム!
緑・・・まるで抹茶オーレのような色をベースにしたモザイクの床、
周りは緑がかった白つややかなタイル、大きな鏡の枠は明るい緑色。
そこに、真っ黒なバスタブ、洗面台、便器、ビデ。
そのコントラストは美しすぎるッ!!!
照明は、すりガラスに彫りこみがデコラティブに入っていて、
そう、ほわぁ~っとした光を放つんです!
窓ガラスも凝っていて、ステンドグラス的なところに、花地模様のようなオーロラ的な光に輝く
いかにも手作りな風合い。

うぅぅん、クラクラしますッ!!
お願い、ここに住まわせて!といいたいぐらい。(笑)

しかし、、、、先週見た家もそうだったけど、いくら見学者が来るから・・・といえ、
この「キレイさ」!
ピカピカなんですよ!築7年の我が家よりもキレイ(笑)
この人、よっぽどキレイ好き?っていうぐらいでした。


興奮冷めやらぬ感で次に向かったのは、「Maison Eugène Leman」。

Eugène Lemanが1910年に建てたモノ。
特徴的な大きなスグラフィートスタイルのアール・ヌーヴォーなファサード。






そして、内部のインテリアは、いろんなスタイルがあり、面白かったです。
アール・ヌーヴォースタイルは、このころになると、とてもお金がかかるものなので、
もっと手軽に楽しめる、コストがそこまでかからない方法でインテリアを楽しんでいたようです。
つまり、、、、外から見えるところには、本物のステンドグラスが施されていますが、
内部のたとえば扉にはめ込んであるのは、「ステンドグラス風に描かれたガラス」だったり、
重厚な木材に見える内部の柱や壁や天井は、実は石膏に描かれた「絵」だったり。
また、彫刻に見える縁取りの木は、実は、壁紙で、プレス加工して立体的にしたものだったり。
ガイドツアーの髭の生えたおっちゃんは、「イミテーション!!!」と連呼していました(苦笑)。

しかし、この家も、ちゃんと人が普段住んでる家なんですよー。
すごいなー。これまたキレイで。子供たちが作ったレゴブロックで出来たお城とか置いてあったり!
生活感が出ているけど、ちゃんとこのインテリアとそれなりに調和してる感じがすごいですね。
それだけの包容力が建物側にあるってことなのかもしれないです。

このガイドツアー、少々早く着いちゃって、「ねーねー、今からのツアーに入れる?」と
アルバイト風なギャルソンに聞いたら「いいよ~!」って。
ちょうど英語だったので、ラッキーでした。(うちのダーリンが英語しか許容できないみたいで)
なんだか、こうゆうゆるーい感じ、むっちゃイイですね。笑


そして、その次の日は、ここにいったのです。
「Ancien dépôt de vins Besse」。


今、ここは、VVL-BBDOという広告代理店のオフィスになっていますが、
1908年に建てられたもので、ワイン等のお酒の倉庫とオフィスだったようです。
ファサードの大きなステンドガラス、門扉にはワインのシンボルとして「葡萄」が
デザインされています。



内部の大きなホールも特徴的で、壁時計の周りにも葡萄があしらわれていました。
そして、今、オフィスとなっているこのホールの周りのスペースは、
床はモザイクで、壁にもステンシル的なペイントが施されています。




どうやら、今は会議室になっているようなこの部屋、
本棚などの作り付け家具や移動式はしごも当時のオリジナルのようです。


当時はストーブ(暖炉)だったらしいところは、ふさがれてはいますが、
デザイン的にもんだいないようにきれいに残されています。
すっごく雰囲気がありますね。
天井からさんさんと降り注ぐ光もいい感じ。
いいなぁ~、こんなところでクリエイティブ・ミーティングとかしちゃうのかな?
うらやましすぎるっ。
ちゃんと、床が丸く切ってあるところがあり、おそらく、2重床的にケーブルとかの出し入れを
するんでしょうか。
ベルガコムなどの大手クライアントの広告とか手がけている会社のようですね。
1ミリオンユーロで買い取り、改修に6ミリオンユーロかかった。。と聞こえましたが、、、
ちょっと自信がありませんが。
まぁ、でも、それだけの価値があるのかも!と思わせる建物でした。
いいなー、私も働きたいぞっ!!笑

さぁ、これで、私のビエンナーレ2011はおしまい。
ほんとは、来週が最終なんだけど、、、、こんな素敵なイベントがあるのを
全然知らなかった私は、あっさり、マルタ島行きの旅行を来週末に計画してしまったのであった。。。

しかし、このイベント、ほんっと面白かった。
特に、今現在、人が住んでいる建物に入って見学できるのは、
建物だけではなく、こちらの人の生活の息遣いが感じられて興味深かったですね。
それに、住んでる建物の方が、居住空間としての意味を実感出来て面白いです。
がらーんとしたところよりも。

これで、1週末20ユーロ、期間通し(4週末OK)のパスポートは55ユーロ。
とってもお得感満載ですね。かなり楽しいです。はい。

しかし、なぜか、ほとんど日本人に会わなかったイベントでした。
日本人って、アール・ヌーヴォー好きだと思うんだけど。。。。
ちょっとだけ会ったのは、英語ツアーの時のみ。
フランス語ツアーだからいないの?
それとも、私が行ったところがとってもマニアックなところだから?苦笑


あー、もっとみたい!!!
今から2年後が楽しみです♪