NPO法人BIO de BIO (ビオ・デ・ビオ)  ~生物多様性のある循環の暮らしをめざして~

特定非営利活動法人BIO de BIO (ビオ・デ・ビオ)の活動レポートや情報をタイムリーに発信するためのブログです

エコール・ド・ビオ 食糧自給編2時間目

2009年01月30日 | ★ビオの学校 (エコール・ド・ビオ)
2009年1月27日(火) 19:00~於:新城市作手/サローネ・デル・モンテ

★エコール・ド・ビオ 
食糧自給編2時間目

 今回の講師は、小川(友)です。
迫りくる食糧危機に備えて私たちにできることを考えよう、
その為に知識を深めようということでお勉強してきました。
 
1時間目は石油に代わるバイオエネルギーの開発、それによって
食糧を作っていた農地が、燃料を作る場に変わってしまう不条理。
食糧不足で餓死者が出ているのによりよい生活をするための
燃料作りが優先される事。
肉食をする為に穀類を家畜の飼料にまわしてしまう事。
『お金持ちがパンを食べて、おなかがいっぱいになったから
パンを暖炉にくべて暖をとる』
そんなたとえ話が恐ろしくも罪深く現実感があってグンと身に沁みました。
なんだかとても簡単に解決できそうなのに、答えが目の前にぶら下がって
いるようなのにそうはいかないという非常に気分がブルーになる議題でした。
できたら見ないで済ませたいところですが、先進国と呼ばれる国に暮らす私たちは、
実際いろんなものを踏みつけて生きているんですよね。 
 そして、今はお金の力で何とかなっている私たちの暮らしですが、
このまま進めばお金があっても食料が手に入らなくなりそうな怖いお話。
自給率が低いということはみんなが知っているお話ですが、
今、輸出国となっている国の自給率が下がれば(あまっている食料を輸出ではなく、
自国の燃料用にしたり、異常気象で取れ高が激減したりすれば・・頻繁に起こっている
干ばつや豪雨を思えば遠い未来のことでなく、すぐ起こりうる明日の話かもしれない・・。)
カロリーベースで40パーセントといわれる日本では、10人に6人が食べるものが
なくなってしまうんですよね。(ブラックな話では、10人中6人が死亡すれば自給率は
100パーセントになりますね)
まぁ実際は、みんな仲良く食料が手に入りにくくなるんでしょうが・・。
 
2時間目は、日本の自給率の過去から現在への流れを中心にお勉強しました。
日本の国内の1960年と2007年の比較されたものと世界の自給率の
比較されたものを資料にして行いました。
驚くのは、農業従事者の激減でした。
1000万人以上いた農業従事者が200万人を下回っていて(五分の1)
しかも高齢化が進んでいるので数年でさらに激減してしまいそうなこと。
実際私の住んでいる地区でも田畑をやっているのはお年寄りばかりで昨日まで
バリバリ働いていたおじいちゃんたちがくしの歯の欠けるように減っていっています。
農作業の豊かな知識がどんどん失われていっています。
 
明るい話題が全くないというわけでもないようです。
米は、減反政策を見直せばぐんと増加させることができそうですし、
2毛作をしっかり行えばすぐに増量できそうなものもあります。
そして昔風の食事へと変化させれば・・肉食を控えれば、多量に輸入している
飼料を減らすことができるでしょう。
ちなみに現在の飼料の自給は、15パーセントしかありません。
牛肉を1キロ作るためには、穀物が11キロ必要だということです。
パック詰めの肉ではなく食べるためには、自分たちで牛、豚、鶏を殺さないと
いけないとなったら、グーンと消費が減りそうな気がしますが・・・。

 世界に目を転じての話では、よく話に出てくるカロリーベースというものが、
日本と韓国しか作っていないということを知っていましたか。
私は全然知りませんでした。
世界的には穀物自給率(日本は27パーセント、韓国は25パーセントです。
日本の勝ち!ではなく、アメリカは132パーセント、オーストラリアは驚きの
334パーセント)が通用しています。
資料に乗っている他の国の分は、日本が作成したとか・・日本、頭を使ったね
っていうことですか・・・。自給率を上げるために頑張ったんですね。
トマトやレタスがなくても何とかなるけれどコメや小麦がなければどうしょうも
なくなってしまうっていうことですね。

 世界の農地は増加しているようでうれしいことですが、ローザさんの持ってきてくれた
資料によるとアフリカの農地の争奪戦が起こっているとか・・。 
中でもマダガスカル島で韓国資本が130万ヘクタールもの土地を確保したという話には、
いろいろな問題が含まれているようで(ほかの国の話もそうなのでしょうが・・)
不安を感じました。
他国の土地を奪う(リース料は無料)、森林の伐採(ワオキツネザルや横っ飛びで有名な
ベローシファカ、ハリネズミにそっくりなのに象の仲間のランレックが棲んでいる)
つまり世界的に増えている農地とは、森林のなれの果てってことなんだと改めて
突き付けられたような気がします。

知れば知るほど難しい問題が出てきてしまうような気がしますが、とにかく
できることから少しずつでもやっていかなければいけないと思いました。
少しずつでも前に進まねば、と思っています。

 第2回目の講座は話題の尽きない中、9時半に終了しました。
今後もエコール・ド・ビオは続いていきますので食後の語らいに
皆さんの参加をお待ちしています。
次回は、身近な自給について話し合う予定です。
各家庭の1週間の食卓における自給率(国産)を調べてみてください。
有意義な意見の交換ができればいいなと思います。

text by Kumiko Ogawa