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「オスマン帝国」
鈴木薫著、講談社現代新書、1992年4月
他民族・他宗教の超大国、オスマン帝国を支えた「柔らかい専制」の秘密を探求した本。
初版は1992年に発行、自分が買った2014年には第34刷。
ロングセラー書籍です。
アフガニスタンのタリバン復権、イスラーム国の自爆テロなどにより、
イスラム教国家が騒がしくなってきましたので、
歴史上最大のイスラム教国家、オスマン帝国について改めて押さえておきたいと思い、
読み直してみました。
ただし、アフガニスタンはオスマン帝国の領土だった時期はないようで、
アフガニスタン、タリバン、イスラーム国などについては、
池内恵著「イスラーム国の衝撃」が詳しいです。
イスラーム国の衝撃
オスマン帝国は1299年建国、1922年滅亡。
と書いて気づきましたが、来年2022年が滅亡100周年です。
何らかのイベントがあるかもしれません。
本書の記述は、建国からスレイマン一世による領土拡大、
1571年レパントの海戦の敗戦までの時期が中心で、
衰退から第一次世界大戦を経て消滅するまでの記述はごく僅かです。
紙面を多く割いているスルタン(オスマン朝の君主)は以下の人物(年代順)。
・メフメット二世
・バヤズィト二世
・セリム一世
・スレイマン一世
ユダヤ難民の保護や
様々な宗教を共存させるミレット制、
ムスリム(イスラム教徒)以外の教徒を保護するズィンミー制度
など、異教徒に寛容な時代もあったようです。
体制・組織、人材登用・育成、芸術文化など、
現代より確立・繁栄している気すらします。
一方でシーア派の大粛清や後継争いでの暗殺などは、現代まで変わりません。
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