めぐみ13年間のアルバム~新しいアルバム~最終回
『漫画アクション』より
取材・文:小山唯史
◆
横田家の「めぐみのアルバム」は13年で途絶えている。その先には白いページが続くばかりだ。
そんな一家に、行方不明となって以来、初めてもたらされた一枚のめぐみの写真。ヘギョンちゃんが「母親の20歳頃の写真」として持参したのを、政府調査団が北朝鮮から持ち帰ったものだ。2002年10月のこと。この写真を見たときの思いを、父の滋は振り返る。
「最初に見たときは、あまりめぐみだという感じはしませんでした。私にとって、めぐみは13歳のときのままなのです。20歳だと言われても、間が繋がっていませんから。年齢も20歳より上に見えました。でも、私の一番下の妹に、なんだか似ているなとは思いました。」
滋より17歳年下の妹。その若い頃と似ていた。もともと、めぐみは、どちらかと言えば父方似だった。
母の早紀江も言う。「初めて見たとき、すぐに『あ、めぐみちゃんだ』と言う感じはなくて、そういえばそうかなあという程度でした。主人の妹に似ているねとは思いました。」
親であるからこそ、胸の中で描く娘の像と、目の前の写真をうまく結びつけることが出来なかった。
「見た瞬間、姉だと思いました」というのは、弟の哲也だ。
幼い頃哲也はよく兄に泣かされた。双子でも兄の拓也のほうが体力に勝っていたからだ。そんなとき、めぐみは哲也をかばって拓也を叱った。写真を見た瞬間、哲也の目に映ったのは、拓也を叱ってキッと睨んだときの姉の面影そのままだった。
拓也は、この写真について、「たとえ似ていると思っても、似ているとか似ていないとかいいたくない」と言い続けてきた。北朝鮮が出してくるものには、どんな嘘や工作がくわえられているかもしれない。そう心に決めているからだ。拓也は、それが家庭の中で自分の役割だと考えている。
早紀江は、写真を初めて見たとき、少し安堵もした。思ったより穏やかな顔だと感じたからだ。北朝鮮で生きるために、もっと険しい目つきになっていると想像していた。
写真の中で女性が着ているカラフルな花柄のブラウス。それについても、早紀江は、後に耳にした一つの話を、大切そうにそっと語る。
「蓮池祐木子さんが、『この服は(北朝鮮でめぐみさんが着ているのを)見たことがあるような気がします』とおっしゃっていました。」と。
そして、いま、その花柄のブラウスを着て、かすかに微笑む女性の肖像は、拡大されて額に入れられて横田家のサイドボードの上に飾られている。ヘギョンちゃんの写真と並んで。
「ご飯を食べるときも見ていますから。毎日見ていて、今では、ああ、やっぱりめぐみちゃんだ、間違いないなあと思います。」 とつぶやく早紀江。その言葉に滋もうなずく。
13年で閉じられたアルバム。その空白のページを埋めることは、もうできない。だが、これからのアルバムなら再び作り出すことができる。
新しい、めぐみのアルバム----。
ふるさと日本で、両親と双子の弟たちに囲まれ、ヘギョンさんと一緒に微笑む、めぐみのアルバム。
その再会が一日でも早いことを心から祈る。
◆------------◆------------◆
漫画アクションの連載は、拉致に真正面から取り組み、丁寧で貴重なものだと思います。
日本の大手マスコミ、NHK、民放、週刊誌、月刊誌、新聞、すべてのメディアはどうしているのでしょう。これだけの内容のある記事や、番組は、今みあたりません。
フジテレビは、昨年、一昨年と続いた拉致問題を扱った9月の特別企画ドラマを、今年は別なテーマに変更しました。残念なことです。
マスコミが拉致を風化させるのでしょうか?
全てのマスコミに望みます。
漫画アクションの企画に負けない記事や、番組を作って頂きたい。それが使命です。
みなさんへ
読み終わった漫画アクションを、床屋さんなどに寄付しませんか?より多くのかたにこの漫画と文章を読んで頂きたいと思います。すでに、このような提案を、ラジオ番組でなさった方がいるそうです。
『漫画アクション』より
取材・文:小山唯史
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横田家の「めぐみのアルバム」は13年で途絶えている。その先には白いページが続くばかりだ。
そんな一家に、行方不明となって以来、初めてもたらされた一枚のめぐみの写真。ヘギョンちゃんが「母親の20歳頃の写真」として持参したのを、政府調査団が北朝鮮から持ち帰ったものだ。2002年10月のこと。この写真を見たときの思いを、父の滋は振り返る。
「最初に見たときは、あまりめぐみだという感じはしませんでした。私にとって、めぐみは13歳のときのままなのです。20歳だと言われても、間が繋がっていませんから。年齢も20歳より上に見えました。でも、私の一番下の妹に、なんだか似ているなとは思いました。」
滋より17歳年下の妹。その若い頃と似ていた。もともと、めぐみは、どちらかと言えば父方似だった。
母の早紀江も言う。「初めて見たとき、すぐに『あ、めぐみちゃんだ』と言う感じはなくて、そういえばそうかなあという程度でした。主人の妹に似ているねとは思いました。」
親であるからこそ、胸の中で描く娘の像と、目の前の写真をうまく結びつけることが出来なかった。
「見た瞬間、姉だと思いました」というのは、弟の哲也だ。
幼い頃哲也はよく兄に泣かされた。双子でも兄の拓也のほうが体力に勝っていたからだ。そんなとき、めぐみは哲也をかばって拓也を叱った。写真を見た瞬間、哲也の目に映ったのは、拓也を叱ってキッと睨んだときの姉の面影そのままだった。
拓也は、この写真について、「たとえ似ていると思っても、似ているとか似ていないとかいいたくない」と言い続けてきた。北朝鮮が出してくるものには、どんな嘘や工作がくわえられているかもしれない。そう心に決めているからだ。拓也は、それが家庭の中で自分の役割だと考えている。
早紀江は、写真を初めて見たとき、少し安堵もした。思ったより穏やかな顔だと感じたからだ。北朝鮮で生きるために、もっと険しい目つきになっていると想像していた。
写真の中で女性が着ているカラフルな花柄のブラウス。それについても、早紀江は、後に耳にした一つの話を、大切そうにそっと語る。
「蓮池祐木子さんが、『この服は(北朝鮮でめぐみさんが着ているのを)見たことがあるような気がします』とおっしゃっていました。」と。
そして、いま、その花柄のブラウスを着て、かすかに微笑む女性の肖像は、拡大されて額に入れられて横田家のサイドボードの上に飾られている。ヘギョンちゃんの写真と並んで。
「ご飯を食べるときも見ていますから。毎日見ていて、今では、ああ、やっぱりめぐみちゃんだ、間違いないなあと思います。」 とつぶやく早紀江。その言葉に滋もうなずく。
13年で閉じられたアルバム。その空白のページを埋めることは、もうできない。だが、これからのアルバムなら再び作り出すことができる。
新しい、めぐみのアルバム----。
ふるさと日本で、両親と双子の弟たちに囲まれ、ヘギョンさんと一緒に微笑む、めぐみのアルバム。
その再会が一日でも早いことを心から祈る。
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漫画アクションの連載は、拉致に真正面から取り組み、丁寧で貴重なものだと思います。
日本の大手マスコミ、NHK、民放、週刊誌、月刊誌、新聞、すべてのメディアはどうしているのでしょう。これだけの内容のある記事や、番組は、今みあたりません。
フジテレビは、昨年、一昨年と続いた拉致問題を扱った9月の特別企画ドラマを、今年は別なテーマに変更しました。残念なことです。
マスコミが拉致を風化させるのでしょうか?
全てのマスコミに望みます。
漫画アクションの企画に負けない記事や、番組を作って頂きたい。それが使命です。
みなさんへ
読み終わった漫画アクションを、床屋さんなどに寄付しませんか?より多くのかたにこの漫画と文章を読んで頂きたいと思います。すでに、このような提案を、ラジオ番組でなさった方がいるそうです。
お忙しいところ、連絡の書きこみを有難う御座います。
泉田知事も出席との事、あの方の演説を聞いた家人によれば、
「過ぎておらず、いい意味の自信を伺えた。入れようと思うよ」
ということでしたので、期待していましたが、
近年ない積極性だと思います。叩く方ありますが、
中越地震の途中の引継ぎ、そして殺人的スケジュールを
越えた方のお話は私も聞いてみたいかな、と。
「めぐみ」は注文してますが、届くのが楽しみです。
めぐみさんが帰ってこられて「めぐみ・追補編」がでると
いいですね…。
妨害工作の手が出せぬ程、もっともっとこの運動を盛り上げて、毅然たる態度で挑み、拉致被害者とその家族が空港のタラップを降りて抱き合う姿を見たいです。
空港→飛行機