Blue jewel

拉致の解決を願って
「蒼き星々」関連テキストなど(ココログにも掲載)現在gooがメイン。
デザイン時々変更。

第12回藤沢集会(7)

2005-10-08 | 集会テキスト
『西村幸祐氏(ジャーナリスト)のお話』



どうもこんにちは、西村幸祐です。
今ホラツェンさんが韓国の状況を色々お話されましたので、ちょっとそれを補足するようなお話が出来れば良いかなと思っています。
あの時間もあんまりありませんので。

それと最後の方で時間が無くなって言えなくなると困りますので、最初にちょっとご報告と言うかご紹介したい本があります。
まだ出たばっかりなんですが、自由国民社からですね。
出ました「金正日に正しいメッセージを」と言うタイトルの、何か叢書(そうしょ=シリーズ物の意)になっているんですが1000円以下の本なんですね。
今年の春に東京財団と言うところでやりました、その北朝鮮のシンポジウムと言うのが行われまして、それを本にした物です。

救う会の方々が執筆されていて、平田(隆太郎)さん、西岡(力)さん、それとあと救う会以外のRENKの李英和さん、それと軍事ジャーナリストの恵谷(治)さん、それと安明進さんも加わっております。
それでなぜ経済制裁が必要かと言うことと、経済制裁をやる意味、その方法論、それから軍事的な問題。
あとは国際的な安全保障の枠組みの中での拉致問題の位置付け。
そういったものが全てがわりと分かりやすく網羅されている本ですので、ぜひ読んでいただければと思います。

昨日ですね。
実は重大な発表がふたつありまして。
ひとつは皆さんご存知のように曽我ひとみさんが実は平壌で住んでいた時に、横に住んでいた家にルーマニア人とレバノン人とタイ人の拉致被害者がそれぞれ結婚させられた家庭を持って一緒に住んでいたという事を、曽我さんが実は5月の内に家族会の方に言っていたわけです。
それが公になったのが昨日なんですけども、レバノン人の拉致被害者と言うのは今までかなり知られていたんですが、初めてルーマニア人とタイ人と言う、日本と韓国そしてレバノン以外の拉致被害者の存在が明らかになったと、言う事は大きいと思います。
そういう国際ネットワークが北朝鮮の工作活動に有ったという証明になるわけです。

もう一つ重大な事と言うのはですね。
これは特定失踪者問題調査会の荒木さんがリリースしたんですが。
今月の月末の10月30日から短波放送でもってですね。
北朝鮮に向けてラジオ放送を開始します。
要するに北朝鮮にいる囚われている人を含めてですね。
普通の国民、反体制的の国民は結構ラジオを聴いているんですね。

これは実は姜哲煥(カン・チョルファン)という今朝鮮日報の記者をやってるんですが、今年ブッシュ大統領に招かれてホワイトハウスに入って、彼の書いた「平壌の水槽」と言う本をブッシュにプレゼントして。
というかブッシュが先に読んでいて感動して、姜哲煥さんを呼んだと言うそういう経緯があったんですが。
姜哲煥さんと2年前に話したときにですね。
彼も言っていたのは、結構ラジオでもって北朝鮮に情報が入っていると、言う事実があるわけです。

そういった可能性にかけて日本からですね。
日本からと言うか発信場所は秘密なんですが、北朝鮮全域で聴けるようなラジオの短波放送が今月末からも始ります。
最初は日本語でやるそうです。
要するに何百人いるか分からない拉致被害者の中の誰かが聞いてくれること、あるいは日本人妻として渡っていて帰れない方。
そういう方も含めてですね。
とにかく放送を聴いてくれていて救出しようと言う意思を日本人は持っているということを伝えると、いうことでそのプロジェクトを進めるようになったようです。

それは非常に大きな事だと思いますので、今までの今日のお話でですね。
市川さんのお話もそうです。
それから岡田さんのお話もそうでした。
それとホラツェンさんのお話もそうなんですが、非常に大きな力・見えない力によって拉致問題の解決が妨害されているというのは3年前に金正日が拉致を認めたにも拘らずですね。
日本政府が拉致問題の解決を全く努力していないという事からも分かるように、非常に大きな障害があるわけで。
それに対して私たちはどうやって立ち向かっていくのかと言うことを、もう一度ここから考えなければいけないと思います。

それで先ほどのホラツェンさんの話を補足したいんですが、ホラツェンさんが言っていたのはですね。
国連人権委員会での北朝鮮に対する非難決議を韓国はずっと棄権していると。
ここ数年そういうことをずっとしているわけなんですが、それが非常に皮肉な出来事なんですね。
というのはですね。
なぜかといいますと国連の人権委員会に実は今から12年前の1993年に韓国のあるNGOがですね。
そこに参加しまして。
それで韓国の人権問題をちゃんとする為に国家人権委員会を作ってくれと、申し入れをしているんですね。

それで国連の人権委員会が韓国政府に対して人権委員会を作れという勧告を行ってですね。
97年に金大中が大統領選挙に立候補する時に、国家人権委員会と言うものを作るというのを公約にして当選したんですね。
それが他人事ではないんですね。
というのはですね。
その国家人権委員会と言うのが韓国で何をやったかと言うと、先ほどホラツェンさんの話にも会ったように全く北朝鮮の人権問題、あるいは韓国の拉致被害者の人権問題を無視してですね。
北朝鮮を非難する決議案を棄権するような国になってしまったんですよ?韓国は。
その国家人権委員会があることによって、そういうような国になってしまったんです。

それでその国家人権委員会が行った事と言うのは、2002年の4月から稼動し始めたわけですが。
まず政府に対して国家保安法の廃止を言ってるわけです。
国家保安法と言うのは、もちろん80年代光州事件に代表されるような韓国の民主化闘争の中ですね。
軍事政権を維持する機能として装置として、民主化運動を弾圧した部分ていうのは、それは確かに否めないと思います。

ところがですね。
それとはまったく別の、と言うか本来の機能と言うのはスパイ防止法なわけであって、北朝鮮の韓国に対する工作活動を取り締まる法律が国家保安法であるわけです。
その国家保安法を廃止しろと言う勧告を出したのが、韓国の国家人権委員会と言うところで。
それで大統領に対して、あるいは国会に対してそういう勧告を行っているわけですね。

実はそれと同じようなシステムの物が作られようとしている現実が、今しっかりと注意していただきたいと思います。
日本で成立が予定されていると言われております人権擁護法案というのは、日本に人権擁護委員会と言う物を置いて、それで2万人の人権擁護委員がですね。
日本中の人権侵害の実情をチェックしながら人権委員会に報告して、それで人権委員会が三権分立と言うところからは別の勧告を行ったりあるいは捜査を行ったりするような機能も持つわけです。

ですから今年その法案がですね。
その法案が3月から7月にかけての反対運動によって結局自民党は法案を国会に提出するのを諦めましたが、その時に救う会がその法案に反対した事を忘れてはいけないと思います。
それと当然拉致議連も反対したわけです。
なぜかと言うと、北朝鮮に対してあるいは今日のお話の中で岡田さんが仰っていたような、実際の拉致の実行犯であるちょっと名前は忘れましたけども、その山形と青森ですか。
に住んでいる拉致の実行犯に対してどう報道をしようか、あるいは捜査をしようかと言うときにですね。
そういった人権擁護法によって、それが人権を侵害するという事でそういった報道がされなくなってしまうという可能性が十分考えられるわけですね。

ですからそういったことも含めてですね。
韓国で今ホラツェンさんが仰ったのは、ホラツェンさんが本当に韓国で何年もやってきた痛みの結果、ソウルは平壌に乗っ取られたと。
テイクオーバーと、静かに乗っ取られたと、その様に言ってましたが。
まさに韓国で起きている事はですね、他人事ではなくて。
実は日本がそうなっていくんだ、そういう可能性があるということを十分私たちは考えないといけないと思います。

その証拠にこの3年間で拉致問題は何一つ進展していないじゃないですか。
いったい、先ほど岡田さんが仰ったように政府認定の拉致被害者が何人増えたんですか?
田中実さんがやっと増えただけじゃないですか。
特定失踪者に関しては全く何の進展も無いわけで、これは一体何を意味しているかと言うことをですね。
考えてみるべきだと思いますね。

この前の選挙の結果にしたってそうなんです。
あれが果たして良い方向に向いているのか。
少なくとも拉致問題の解決にとって良い方向に向いたのかどうかと言うことをですね。
十分考えてみて、それで今後の拉致救出運動に皆さんに・・・(聞き取れず)かけたいと思います。

それであんまり時間も無いんですが、韓国の状況についてもう一度ちょっと補足致します。
先ほど韓国の国家人権委員会と言うものが果たした役割と言うものを申し上げました。
最近実際どうなっているかと言うことなんで、ホラツェンさんが本当にここはまるで平壌ではないか?と言って。
KBSをまるで金正日放送だと。
冗談で言ったような錯覚を、そんな事を感じてしまうほどの今状況になっている。

やはりそれは金大中、それから盧武鉉と続いたこの政権がですね。
限りなく反日でありそして反米であると、いう事に原因を求めざるを得ないわけです。
特に金大中が行っていた政権はですね。
もっと輪をかけて先鋭化させているのが現在の盧武鉉政権なわけです。
盧武鉉と言う人は実は絶体絶命と言う状況になっているわけなんですね。
盧武鉉政権自体が。
支持率も低下してですね。
与党のウリ党の支持率も非常に低下して、そういう状況であって、自分は辞めたいとかそういうことを平気で言っていて韓国メディアから叩かれているわけなんですが。

そういう状況になっているんですけれども、だからといって韓国が良い方向に向っているわけではなくて。
ウリ党だけでなくてハンナラ党にしても基本的に反日である事には基本的にはあまり変わりは無くて、ハンナラ党は親米的であるということはありますけれども、この金大中時代から続いている色々な事。
先ほどもちょっとありましたけれども、国家人権法の事もそうですけれども、マスメディアのプロパガンダ。

韓国で自虐史観と言う言葉があるのをご存知ですか?
韓国が日本の教科書を攻撃していることは皆さんご存知だと思いますが、作る会をですね。
右翼教科書だとか歪曲教科書だとか、全く根拠が無いスローガンで攻撃しているんですが。
韓国の中でも実は自虐史観という言葉があって、韓国と言うアイディンティティー、韓国と言う国は曲がりなりにも西側諸国の一員として発展してきて、一時軍事独裁と言う長い時代があったかもしれませんが。
世界でも11位のGNPを誇る国になったのは、自由主義陣営の国として発展してきたから韓国と言う国があった訳なんですが。

そういった韓国のアイディンティティーそのものを否定するような歴史教育、北朝鮮系と言うんでしょうか。
日本で言えば日教組ですね。
そういう左翼の教員たちによって韓国の自虐が行われている。
それに対して韓国の新しい保守派が立ち上がったりしているわけなんですが、そういったことも含めてですね。
先ほどホラツェンさんが言っていた韓国のテイクオーバー現象、北朝鮮に乗っ取られている状況と言うのは良く分かっていただけると思います。

それともうひとつですね。
盧武鉉大統領は人権派弁護士だったということですね。
これも非常に象徴的だと思います。
先ほどの国家人権委員会の事もそうだし、結局その人権と言う言葉がですね。
本当の人権に全く寄与していない。
今の北朝鮮に対する韓国の行動の仕方、接し方。
韓国の拉致問題での取り組み方。
全てが人権を無視した、対象的な北朝鮮の李朝共産的なそういったイメージなり方向に行ってると思います。

先ほどホラツェンさん仰ってましたけど、今年の春頃に北朝鮮で行われた公開処刑の映像が放送されましたね。
ニュースで御覧になった方も多いと思うんですが、あの映像は一切放送禁止ですからね。
韓国では。
全く放送されないんですよ?
ですからこのまま北朝鮮の韓国への工作が入り込んでいくと、北主導による統一に向う事は間違い無くてですね。
それは言葉を変えれば、その方法論は色々あって。
すぐ統一するんではなくて、例えば国家連合のような形を取るとかですね。
その時に北が主流になっていくと。
そういった最悪の事態も日本人は考えなければいけないわけです。

その一つとして、今年になって盛んに盧武鉉政権がやっている、過去史清算と言う言葉がありましてね。
反日糾弾法と言う法律とも関係があるわけです。
当初は去年はですね。
反日糾弾法と言う名前だったんですが、余りにも露骨なんで反民族糾弾法という法律の名前が変わってですね。
日本の統治時代に日帝、日本帝国主義ですね。
日帝に協力した朝鮮人を裁こうという、そういう法律で事後法と言う概念なわけですね。
すでに60年以上の前の出来事を現在の法律で裁こうという、近代国家にはあるまじき法律を成立させてしまって、これ冗談じゃなく成立したんですね。

それで8月の終わりにですね、親日派名簿と言うのが発表されてですね。
今編纂委員会と言うのがあって、過去の朝鮮の歴史の中で韓国のを含めてですけども、親日派の人をですね。
リストを作ってるんです。
その今年の公開分3000人分のリストが8月の末に公開されたわけなんです。
これはあれですよ。
文化大革命の頃の中華人民共和国に匹敵するような野蛮な行為ですよ。
先ほどホラツェンさんは今の韓国の事を実は結構キツイ言葉で言ってたんですね。
通訳の野口さんが上品な方なんで、余りキツイ部分は訳さなかったんですが、愚かとかキチガイ染みたとかですね。
そういう言葉もホラツェンさん使っていたんですが、本当にそういう事をやってるわけですね。

親日派名簿の中に、実は朴正熙大統領ですとか、あるいは朝鮮戦争の韓国救国の英雄と言われているパク将軍ですとかそういう人の名前も全部入っているんですね。
その親日名簿に。
パク将軍といったら、ちょっと歴史に詳しい方だったらご存知のように、韓国軍がプサンまで負い詰められて北朝鮮軍に。
韓国が滅亡寸前の時にプサンから盛り返した、韓国軍のリーダーだったんです。
そのときにマッカーサーがインチョンに上陸したわけですけども。

そういった韓国の建国に非常に貢献した将軍たち、朴正熙ももちろん大統領として偉大な大統領だったんですけども。
彼らが日帝の士官学校、まぁ二人とも満州の士官学校を出ているわけなんですが。
日帝の士官学校を出たから、あるいは旧日本軍の将校だったからという、そういう理由で全部親日派という事にしちゃってるわけですね。
その名簿の中には韓国の今の国歌を作った作曲者ですとか、あるいは韓国の国旗ありますよね。
あの国旗をデザインした人間、あれも全部入ってるんですね。

そう考えるとその反民族糾弾法と言うのは、実は韓国の歴史そのものを全部否定しているという事に皆さんお気づきになるんじゃないですか?
つまり北朝鮮の正当性を訴えている事に他ならないんです。
非常にこれ分かりやすいじゃないですか。
この名簿を作った連中が実はアジア、東アジア連帯、教科書連帯とかっていうメンバーとつながってまして、それが作る会の教科書の攻撃に加わっているわけです。
そういった背景も考えてこれからの拉致問題の解決に当たって頂けたらと思います。

ホラツェンさん仰ったように非常に勇気付けられる提言もされました。
そういうことも考えて、色々な意思の中に拉致問題埋没しているといわれていますが、決してそうはさせないという気持ちを今日ここにお集まりの方は思っていらっしゃると思いますので、今後とも一緒に考えていきたいと思います。
大変短くなりましたが、この辺で今日は失礼します。(拍手)
____________

◆この記事が参考になった方は、下記バナーをクリックしてください。





コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 第12回藤沢集会(8) | トップ | 第12回藤沢集会(6) »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

集会テキスト」カテゴリの最新記事