今日のひとネタ

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チェ・ゲバラ伝/三好徹(文春文庫)

2015年02月02日 | ブックレビュー

 チェのこともキューバ革命のこともほとんど知識がなかったのですが、これは面白かったです。キューバのことはもちろんアメリカとの国交回復のニュースから興味を持ったのですが、何年か前にチェの映画があったときにもちょこっと関心を持ってたのでした。

 チェのことについてはまだ不明な点も多いようですが、たまたま私が手に取ったのがこの本で、文章は読みやすいし年譜も付いてるし入門用としてはバッチリです。文庫で入手しやすいのも吉。

 幕末オタクの私からすると、チェとは西郷吉之助と高杉晋作を合体させて土方歳三をパラパラと振りかけたような感じです。一方のカストロはというと大久保利通と桂小五郎を合わせた感じかも。まぁ西郷と大久保を合わせた感じとも言えますが。

 それにしても、アメリカは中南米諸国の共産化がとにかく怖かったのでしょう。南米やアフリカの軍事クーデターの多くはアメリカが後ろで操ってたとかいうのは、子供の頃は信じられなかったのですが、もうますますアメリカが嫌いになりました。ロシアも中国もどうせ共産主義ではいられなくなったのだし、あの当時共産化を防ぐために中南米で流された血は一体なんだったのかと。

 チェやカストロが革命を起こそうと思ったのは、上流階級と貧農との格差があまりにも激しく、家畜が病気になれば医者に診せるが農民が倒れてもほったらかしという状況でした。現代の格差社会も行き着くところまで行くとまた革命が起こるのかも…。

 まずはこれを読んでチェがどういう人生だったか、なぜキューバ革命を成し遂げたのにボリビアで死んだのか、というのがよくわかりました。今回初めて知ったことも多かったので、折角だからキューバ関係の本はもっと読んでみたいです。あと調べたいことはケネディ大統領のこととか。この人に特に悪いイメージはなかったのが、キューバからすると敵ですしね。他にはやっぱりチリ軍事クーデターの話かなぁ…。

 ということで、もしチェの生涯を知りたいと思う人がいればこれはお奨めです。力作です。今年はキューバがブームになるかもしれませんので、読むなら今のうちかと。