山崎豊子著「運命の人」を読みました。文庫で全4巻ですが丁度1ヶ月で読めたので、週に1冊くらいのペース。前に一度1巻だけ買って、挫折して売り払った経験あり。今回のきっかけはNHKスペシャルの山崎豊子特集ですが、前にドラマも見たし一応ストーリーは知ってたつもりですが、ドラマよりは小説の方が断然面白いです。
読んでない人がいるとあれなので完全なネタばらしはしませんが、3巻まではいわゆる「知る権利」の裁判で、4巻からはいきなり舞台が沖縄になるので全然話が変わります。あらためて原作を読んで思ったのは、ドラマは失敗作だったということですね。(まぁ意見には個人差があります。)
私はというと、子供の頃に「国民の知る権利」というのが流行語(?)になった記憶がある程度で、それがどういう事件を発端にどういう裁判になったのかはまったくわかりませんでした。今あらためてこの事件を見ると、相当重要な話だったのではないかと思います。
とはいえこの作品は実在の事件を基にしたフィクションということであって、すべて事実が書いてあるわけではありません。多分。沖縄の基地問題は今またニュースになってますが、この問題について語る人は絶対この本は読まないとならんと思います。もちろん、右も左もこれを読んで考えを変えろといってるわけではありません。読んでみないと議論の始まりにもならんとそういう感じているので。
しかし、結局4巻まで読んでも「運命の人」というタイトルの意味はわかりませんでした。タイトルをもうちょっとなんとかした方が本は探しやすいと思うんですけど。