ぱるの思い出

その昔、静岡の浅間通りに「ぱる」というファミコンショップがあったのを知っているだろうか？

静岡市街在住のアラフォーでファミコン世代直撃の男子には忘れられない店で、北街道にあった「サーティー」と双璧をなす存在だった。

当時のファミコンブームは相当なもので、「ぱる」も最初の店舗が手狭になったため近くにもう１店舗展開したり、ぱる主催のゲーム大会を開いたりで大盛況だった。

そして、ぱるには他の店舗と一線を画すゲームレンタルシステムがあった。

ファミコンやPCエンジンのソフトを２泊３日で５００円といった具合でレンタルをしていた。実際の値段はいくらは忘れたが、人気ゲームだと少し高かった記憶がある。

このレンタルで何が助かったって、PCエンジンのソフトをレンタルできたことだ。

オレの周りのPCエンジンユーザーはほぼ皆無で、友人の中で唯一のユーザーであるタカオとゲームを貸し借りしていたのが関の山。

当時、小・中学生の自分にはそれほど多くのソフトを買う財力はなかったので、このレンタルシステムは本当に助かった。

しかし、当時のオレでもこのレンタルは合法なのか？という疑惑は常にあった。レンタルする際に親の承諾なども必要なく、当然身分証の提示を求められた記憶もない。

他の店でレンタルをやっている話も聞いたことはないので子供ながらに怪しいと感じていた。

そんな中、突如レンタルが中止になった。噂によると何者かが通報して警察の手が入ったとのことだ。

この話を聞いた時はやっぱりそうかと思い、同時にレンタルが終わったことへの残念な気持ちが残った。

しかしだ、そのあと数ヶ月も経たずにまたレンタルが開始した。

噂によるとゲーム会社と和解し、メーカー許可のもとレンタルを再開したらしい。

これでまたPCエンジンのソフトがレンタルできると喜んだのも束の間、そのあとすぐにレンタルは再度中止になり、オレの知る限りその後再開されることはなかった。

これまた噂話になるが、２回目には実際に警察がお店に来て髭面の店長を連行していったとか。

この話は高橋名人がバネの力で１６連射を実現していたという罪で刑務所に入れられたというデマを思い起こさせる。

これらの噂話は、オレも誰から聞いたかは全く覚えていない。おそらく友人に聞いてもその話の出処が分かることはないだろう。

事実はぱるがゲームソフトをレンタルしていて、２度中止したということだ。

その後オレは高校生になりゲームから徐々に離れていくにつれてぱるへ通うこともなくなった。気づけばぱるもなくなっていた。

この話は子供の頃の記憶が元になっているのでどこまでが本当にあった出来事なのかは正直自身がない。確かにレンタルはやっていて、２度中止になったと思うのだけれど、もしかしたらそれも記憶違いなのかもしれない。

もし、同じような記憶を持っていて、この話のここが違うよなんて思いのある人は是非ともコメントしてくれって話。

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