空飛ぶ山岳救助隊―ヘリ・レスキューに命を懸ける男、篠原秋彦 羽根田 治 山と溪谷社 1998-08 売り上げランキング : 128778 Amazonで詳しく見る |
この本もノン・フィクションで、ヘリ・レスキューの第一人者篠原秋彦の話だ。この人は1980年代当時、まだ山岳においてヘリ・レスキューという概念が無かった頃に試行錯誤を重ねながら、最終的には民間によるヘリ・レスキュー会社を設立してしまったスゴイ人である。
その性格は大胆にして繊細、義理を重んじて曲がったことが大嫌い。他人には厳しいが、それ以上に自分自身に厳しいと、昔気質の人物だ。こういった性格だからこそレスキューなんて仕事をすることが出来るのだろう。
ちなみに篠原さんがヘリを操縦するわけではなく、自身は現場の総指揮といった役割だ。その影ではパイロットや整備士などが篠原さんを支えている。プロフェッショナルな集団というのはこういうことを言うんだろうね。
残念ながら篠原さんは2002年に救助中の事故で亡くなっている。1700件以上のレスキューを無事故でくぐりぬけてきた人には悲しい最後だ。
『岳』という山岳漫画があるんだけど、そこに出てくる牧さんって言うのがまさに篠原秋彦なんだよね。さらに言うと、主人公の三歩の決め台詞「よくがんばった」って言うのも、映像を見ると篠原さんが頻繁に使ってるんだよね。おそらくというか、絶対作者はこの篠原秋彦をモデルにしてるのが分かるよ。
この本を読んで、山に対する想いがますます強くなったことは言うまでもない。オレに出来ることは、安全な山行を心がけて、遭難しないように気をつけることだよねぇって話(´∀`)