この1週間で読んだプロレス本はだいたいこんな感じだ。
・元・新日本プロレス
・1976年のアントニオ猪木
・プロレス雑誌大戦争!―『週刊ゴング』vs『週刊プロレス』激闘の30年史
・流血の魔術 最強の演技
・プロレスラー「肉体」の真実
・凶獣―側近の見たアントニオ猪木の嘘と真実
・ワールドプロレスリングの時代 金曜夜8時のワンダーランド
上記の大部分がいわゆる暴露本で、ブックやアングルと呼ばれるプロレスのタブーに触れている。特にミスター高橋著『流血の魔術 最強の演技』は暴露本の先駆けで、2001年の発売当時にはプロレスファンに衝撃を与え、プロレスマスコミはその存在を黙殺したという曰くつきの本だ。
今回読んだ本は当時のプロレスを知るという意味でそれぞれ面白いのだが、イチ押しなのがGKこと金澤克彦著『元・新日本プロレス』だ。
この本はGK金澤が6名の新日本出身のレスラーに取材をして、当時のマット状況をレスラー側の視点と客観的な視点とを織り交ぜて構成されている。いわゆる暴露本の類ではなく、レスラーの本音や生き様が見えてくる良質な本だ。
興味深いのがその顔ぶれで、小原道由、片山明&大矢剛功、栗栖正伸、越中詩郎、大谷晋二郎とくれば興味をそそられるというものだろう。
大谷は別として、他の面々は一般的には1流レスラーになれなかったという認識だと思う。特に小原なんかは時代的にドンピシャなので、この本を読むまでは完全に2流レスラーだと下に見ていた。
小原が当時PRIDEに打って出た時に、「何故ここで小原が出るの??」と、2流レスラーの出場に疑問を感じていたのだが、小原が柔道出身の実力者で、新日の道場では最強と呼ばれていた事を知って納得した。
ただなんとなくプロレスを見ていると、プロレスの強さ≠ガチンコの強さというのを忘れて、=だと錯覚してしまうんだよね。
それと、それぞれが自分のポジションを卑下することなく役割として捉え、プロレスラーとしての誇りを持っているのが素晴らしい。誰もがスターになろうとして、ベルト保持者がコロコロ変わるようなプロレスは見習ってほしいものだ。
そんなプロレス好きも納得の1冊なので、機会があれば是非読んでみてはどうだろうって話(´∀`)
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