スケッチトラベルというのは世界中で活躍する絵を生業とするアーティスト達に絵を描いてもらうプロジェクトで、面白いのは1冊のスケッチブックを共有するということだ。
発案時は堤自身軽い気持ちで、本当に落書き程度のものを掻いてもらおうと思っていたらしいのだが、1ページ目を任されたレベッカ・ドートゥメールの信じがたいクオリティの絵によってその思惑はずれていくことになる。
新しくスケッチブックを手にした人は当然前の人の絵を見るのわけで、前任者の素晴らしい絵を見て自然と気合いの入った絵を描いていくというスパイラル。中には他の絵が凄すぎて描くのが恐かったという人や、依頼されたが参加者のメンツを聞いて辞退する人もいたらしい。
絵の方面に明るくないので参加者のほとんどが知らない人ばかりなのだが、日本から松本大洋、森本晃司、寺田克也なんかが参加しているのは単純に嬉しいね。堤自身が言っていたのだが、世界中のアーティスト達も東京で活躍する人達への注目度はかなり高いとか。
完成までに5年も費やすことになったプロジェクトの中で最終ページを書く人はプレッシャーがもの凄いと思うけど誰が描くんだろうと観ていると、なんと堤が最後にお願いしたのは御大宮崎駿!!これなら他のアーティストも文句の付けようがないよね。宮崎駿と言えばアニメ映画なんだけど、自身メチャクチャ絵が上手いってのは意外に知られてなかったりするから要注意。
総勢71名が参加したスケッチトラベルはチャリティオークションにかけられ、70,000ユーロ(約800万円)で落札された。番組では全ての絵を詳細に紹介していなかったので「コイツが本になって発売されたら即買いなのになぁ……」となんて考えていたら番組の最後で既に出版されていることが発覚。
翌日本屋を回るものの売ってなかったためAmazonでポチる。
と言うわけで、プロレス関連以外の本を購入したのは久しぶりではないだろうか。名だたるアーティスト達の絵が拝めて、それぞれのコメントも掲載されている。さらには誰から誰にスケッチトラベルが手渡されたかが日付入りで載っているのも嬉しい。
中でもお気に入りなのはQuentin Blakeと上杉忠弘の絵だ。
・Quentin Blake
・上杉忠弘
Quentin Blakeは全く知らないが、上杉忠弘は名前こそ知らなかったものの絵は見たことがある。あらゆる雑誌の表紙やイラストを手がけているから見たことあるって人は多いだろう。
まぁ、とにかく絵に興味がある人はすべからく購入するべし。たしかに3,150円という値段は書籍に出すには少々お高いが、お気に入りのフィギアや同人誌をとらのあなに持っていけば捻出できるでしょって話( ◉◞౪◟◉)
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