阿武山(あぶさん)と栗本軒貞国の狂歌とサンフレ昔話

コロナ禍は去りぬいやまだ言ひ合ふを
ホッホッ笑ふアオバズクかも

by小林じゃ

9月28日広島県立図書館「狂歌家の風」など

2018-09-29 09:50:53 | 図書館

 昨日は県立図書館へ。爺様の掛け軸の狂歌の作者である栗本軒貞国の歌集、「狂歌家の風」を収録している「近世上方狂歌叢書九」と、貞国で検索したら出てきた「柳井地区とその周辺の狂歌栗陰軒の系譜とその作品」を借りて帰った。後者はちょっと触れてあるだけかと思ったら栗陰軒の系譜に貞国が入っていて、貞国の次の五世から周防国の人が継いでいるとあり、貞国の前後の継承に諸説あるようで結構書いてあった。近世上方狂歌叢書の編者が解説に記した広島狂歌壇の系譜とはまた別の世界観であり、狂歌初心者の私にはどちらが真実に迫っているのか現時点では判断がつかないところだ。歌もほとんど重複していなくて柳井の方は家の風以降と思われる歌が十首余り、辞世の歌もある。検索で引っかかったのは内容注記のところに「広島県関係記事:芥川貞佐(p19) 福井貞国(p21) 」と書いてあったからで、これはありがたいことだった。また柳井の本には貞国の碑が二葉の里の瑞川寺(現聖光寺)にあると書いてある。これも新しい情報で墓参りのついでにでも行ってみたい。また柳井の本には、宝暦四年(1754)~天保四年(1833)、80歳没とあって、「広島縣内諸家名家墓所一覧」の「天保四年二月二十三日歿年八十七」と食い違っている。

 私にとって難しいのは貞国の名前の使い分けなのだけど、とにかく書いておくと、福井貞国、竹尊舎貞国(狂歌秋の花)、しかしこの秋の花は貞国が生まれる前の出版となっていて原典をあたってみたい。柳井の本には号は道化、柳緑斎、とある。苫屋弥三兵衛というのは広島縣内諸家名家墓所一覧にもあった。しかし改めて掛け軸の印を見てもどれかに該当しそうなのは見当たらない。印が読めてないから確実ではないが、やはり貞国本人の書ではない心証が強くなった。その一方で、家の風には画賛の部として数首のっていて、画に賛を入れるのは狂歌師の重要な仕事だったと思われる。

 狂歌については、これからじっくり読んでみたい。和歌とは語彙が違っていて意味が取れない歌もある。とにかく読んでみたい。

 それからもう一点、重くて借りて帰らなかったけれど、広島県史、中世資料編4の久都内文書を読んだ。弘元と元就の花押が入った所領安堵の書状で永正天文の頃の深川は毛利家の支配下にあったことが伺えるが、「黄鳥の笛」の参考文献にあった「深川村亀崎神社ノ由緒書」ではなかった。他にも読みたい箇所はあったのだけど、時間がなくて残念だった。

 県立図書館は現状ではそう度々は行けない。返しに行くとき何を読むか、よく考えてみないといけない。

 

 



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