WHO=世界保健機関は7日、北半球での呼吸器系の感染症の流行に関する報告を公表し、熱やせきなどの症状が出る「ヒトメタニューモウイルス(hMPV)感染症」について中国(とくに北部)で感染が増えていることが確認された一方、感染者の規模はこの時期に想定される範囲内だと明らかにしました。
TVでも話題になっているので聞かれたこともあるかもしれません?
それでも、ヒトメタニューモウイルス(hMPV)って一体何者?また中国から新たな怖い病気がやってくるの?
と、思われている貴方。貴方が健康な成人ならば、何の問題もありません。たかだか風邪の一種です。恐れる必要はありません。危険性があるのは、6か月以上3歳未満の乳幼児と高齢かつ呼吸器感染症の重症化因子を持っておられる方です。そのような方は、インフルエンザでも新型コロナでも初夏に流行る人パラインフルエンザウィルス3型でも危ないです。危ないですと脅したって、予防のためのワクチンもありませんし、治療薬もありません。インフルエンザ、新型コロナと同様の予防策を講じるしかないのです。
hMPVは、2001年に発見された新顔のウィルスですが、その年に新たに発生したわけではなく、50年以上前から存在していたことは分かっています。ありふれた風邪のウィルスの一つが新たに同定されたに過ぎないと思って下さい。
hMPVは、桜の咲くころに流行ることが多いです。
植物も種類によって花の咲く期間に差がある様に、ウィルスにも流行りやすい季節があります。
インフルエンザが冬に流行りやすいのは、「寒く、乾燥しているので、ウィルスの生存期間が長くなる」ことなどが原因などと言われますが、こじつけの様にも思います。と言うのは、雨季と乾季しかないアジアの熱帯亜熱帯地方では、乾季ではなく雨期に流行するのだそうですし、沖縄地方では夏に流行することも良くあるからです。
どうして桜は春に、ひまわりは夏、コスモスは秋、クリスマスローズは冬に咲くのか、その理由を考える人ってあまりいないと思います。ウィルスの流行する時期も花の開花時期と同じ様に「理由なんてわからない」ものなのかもしれないと私は思っています。
色々とややこしいことを延べちゃいました。
ヒトメタニューモウィルス(hMPV)についてまとめます。
1,新たに発生した怖いウィルスではなく、半世紀以上前から普通に存在していた「風邪ウィルス」の一種
2,現在、中国北部で流行しているが、取り立てて騒ぐほどのレベルではなく、例年レベルである。
3、普通の成人はあまり罹らないし、たとえ罹っても風邪レベル
4,6か月以上3歳未満程度の乳幼児、高齢で抵抗力の弱い弱者には「怖い」ウィルスの一種ではあるが、そのような方にとっては、呼吸器感染症のどれもが怖い。
5,予防のためのワクチンも治療薬も存在しない。
6.6歳未満のhMPV感染が疑われる患者さんに保険適応で迅速検査が出来まる。(陽性でも陰性でも治療や同じ)
7,結局、TVは騒いでいるけれど、騒いでもしょうがないという事であります。
下記の曲は、hMPVが発見された2001年にヒットした曲です。
宇多田光 Utada Hikaru - Can You Keep A Secret. Live On T.V. 2001