命のカウントダウン2(健康余命924日)

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抗菌剤はダイエットの敵だ!!

2023-11-09 22:31:03 | 医療
抗生物質、抗生剤、抗菌剤、マイシンいろいろな呼び方があるようですが、ばい菌をやっつけてくれる薬の事ですよね。ここでは抗菌剤と呼ぶことにしましょう。正確には、ばい菌をやっつけてくれる薬=抗菌剤 そして、抗菌剤のうち、自然の生物由来の物を抗生物質または抗生剤と呼びます。




日本における抗菌剤の年間使用量の内訳です。
かいつまんでいえば、抗菌剤のうち、人間用に使われるのは1/3以下(青い部分)で、残りの2/3以上は、畜産や魚の養殖などに使われるという事を知ってください。ざっくり言って、人間に使われる抗菌剤よりも豚に使用される抗菌剤の方が多いです。畜産・養殖いずれに使われたとしても、最終的には人間の口に入るのではありますが・・・

畜産や養殖に使われる抗菌剤の目的は3つあります。
1、人間用と同じ病気の治療用。
2、病気の予防用。
3、なんと、家畜や養殖魚を早く太らせるため用です。
2と3の線引きは微妙です。2,3いずれも治療目的の時よりは少量を持続的に投与します。そしてこれが問題の原因になるのです。少量なので、ばい菌が完全に死なない。その抗菌剤に強いばい菌をセレクトする可能性があるのです。これが耐性菌問題(AMR問題)です。


抗菌剤は肥満を招く!! 
抗菌剤には、成長を促す、特に体重を増やす作用が強いものがあります。
人間に関しても、「小児期の抗生物質の使用と成人期のBMIとの関係」というレポートがあります。

B S Schwartz et al.Antibiotic use and childhood
body mass index trajectory:International journal of obesity 2015.Oct 21

米国の3歳から18歳の若者16万3820人を解析した結果、
小児期に7回以上の抗生剤投与をされた群の
15歳時の体重は、7回未満の群に比べて1.4kg多かったとのことです。
小児期の抗生剤投与で、BMIが生涯にわたり影響を受ける
可能性があり、成人になるとさらに悪化する可能性が高い
と述べられています。

乳児期の抗菌剤投与は、肥満に関係しなかったというレポートもあります。

必要な時にはしっかりと必要量を使うべき抗菌剤ですが、耐性菌を作ったり肥満を招く可能性もあります。必要のない抗菌剤投与は避けるべきだと思いませんか?

風邪に抗菌剤は無駄!!
殆どの風邪は、ウィルス感染症です。
ウィルス感染症に抗菌剤は効かないのです。
多用すると(特に幼児期・小児期に)肥満の種になる可能性があります。
マイシンで肥満に邁進なんてことにならないようにしたいものです。
 
1928年アレキサンダー・フレミングがペニシリンを発見してから、様々な抗生物質・抗菌剤が発見され、合成され、その効用で人類の寿命は大幅に伸びました。しかし当然良い事ばかりではありません。よく切れるナイフは、殺人の道具にもなります。
日本国内だけで、年間1700tもの抗生物質・抗菌剤が様々な目的で使用されています。ちょっと使い過ぎの様で、色々な問題が起こっています。

一番大きな問題が、抗菌剤の使い過ぎによる耐性菌の問題です。
厚生労働省も相当力を入れて耐性菌(AMR)問題に取り組んでいます。
https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000120172.html
このまま対 策が取られなければ、2050 年までに全世界における死者数は 1000 万人に上り、がんによる死亡者数 を上回ると推計されています。薬剤耐性(AMR)は、世界的に深刻な健康上の脅威として取り上げられ、先進7カ 国(G7)の保健分野における取り組むべき優先事項の1つとして認識されているほか、世界保健機関 (WHO)は薬剤耐性(AMR)対策を重要な政策アジェンダに取り上げています。

という事で、風邪の時の抗菌剤、出される側のあなたも必要かどうかよーく考えてくださいね。
残念ながら、奈良県の医師は風邪症状に対して日本一抗菌剤投与率が高いのです
風邪症状に対して、半分近い方に抗菌剤を処方しているのですねぇ。私も、私の信頼しているネット仲間の医師たち(奈良県と大阪府の医師達)も、皆口をそろえて抗菌剤を出すのは1割かそれ以下だというのですがねぇ・・・・
私たちは、出すときは十分量をガツンと出します。静脈注射や点滴なども結構多用します。中途半端な出し方はしません。
とりあえずビールみたいな
とりあえず抗菌剤 みたいな出し方はしないという事です。

とりあえず抗菌剤出しときますね というような処方には反対の立場をとっている私たちです。どれが絶対に正しいかなんてわからないです。絶対的な正解は無いと思っています。でも、私は出来るだけ少なく使っていく方向で今後も行こうと思っています。使うときには使うけれど、出来るだけ無駄な使用を無くしたいと思っています

疑問に思われる処方があれば、「これ、本当に必要でしょうか?」と、聞いてみてください。必要性があれば飲むべきでしょう。なければ・・・・

特に「セフゾン」「フロモックス」「メイアクト」「バナン」「トミロン」といった第3世代セフェム剤は、不要なことが多いのではないかと言われてはいます。もちろん、使い方次第では有用な薬なのですが・・・・・




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2 コメント

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ニュースで (さなえ)
2023-11-10 11:44:04
ブログを拝読して気になってたところに…
中国に依存してる抗菌薬原薬製造に30年ぶりに国産化って❓
知りませんでした
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特定重要物資 (camper)
2023-11-10 13:01:53
価値観が大いに異なる国に、重要な物質を過度に依存している事は強く危惧すべき状況ですよね。
それを改めていこうと言う今回の政府の政策、評価すべきだと思います!
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